SharePoint Server 2016 IT Preview とクラウド ハイブリッド検索の提供開始を発表
(この記事は 2015 年 8 月 24 日に Office Blogs に投稿された記事 Announcing availability of SharePoint Server 2016 IT Preview and cloud hybrid search の翻訳です。最新情報については、翻訳元の記事をご参照ください。)
今回は、SharePoint チームのシニア テクニカル プロダクト マネージャーを務める Bill Baer による記事をご紹介します。
「私たちは前進を続け、新たな扉を開き、新たなことに挑戦していく。なぜなら、私たちは好奇心が旺盛だからだ。好奇心はいつだって新しい道を教えてくれる」— ウォルト ディズニー
今年 4 月、マイクロソフトは SharePoint Server 2016 のビジョン、戦略、今後のスケジュールを公表しました。その中で、慣れ親しんだ直観的なユーザー エクスペリエンス、ハイブリッドを中心とするクラウドを活かしたインフラストラクチャ、強力なセキュリティとコンプライアンスという 3 つの重点分野への取り組みについてもご紹介しました。
そしてこのたび、SharePoint Server 2016 IT Preview と SharePoint Server 2013 および 2016 向けの新しいクラウド ハイブリッド検索サービスのプレビュー版の提供が開始されます。SharePoint チームでは、SharePoint Server 2016 の開発をさらに進めるうえで、コンテンツ管理、チームの共同作業、デバイス間での一貫したユーザー エクスペリエンスといったトレンドや、クラウドを新しい画期的な方法で既存のオンプレミス シナリオと融合させるにはどうしたらよいのかということについて細心の注意を払っています。また、今回のプレビュー版を皆様にお届けするために、これまで全力で取り組んできました。発表以来、皆様が提供開始を心待ちにしてくださっていたからです。今回の記事は長い内容になりますが、重要な情報が満載です。プレビューのインストールにご興味のある方は、ぜひ最後までお読みください。
SharePoint Server 2016 IT Preview の新機能
SharePoint Server 2016 IT Preview では、新しいインフラストラクチャへの取り組みの成果が初めて提供され、SharePoint Server 2016 の対象範囲、規模、信頼性が明確になっています。SharePoint Server 2016 は SharePoint Online と同じコア プラットフォームを基盤としているため、ユーザーの皆様は双方に多数の類似点があるとお気付きになることでしょう。また、SharePoint Server 2016 では、新しいながらも慣れ親しんだ直観的なユーザー エクスペリエンスが提供されます。IT 担当者の皆様には、パフォーマンスとスケーラビリティの向上、管理の簡略化を実感していただけると思います。開発者の皆様にとっては、クラウドまたはオンプレミス向けの開発を行う機会が広がるでしょう。
今後のプレビュー版のリリースでは引き続き新機能を通じて、対象ユーザーおよびワークロード向け機能への取り組みを反映してまいります。今回ご紹介する機能は、SharePoint 2016 のほんの一部にすぎません。
プロビジョニング機能の強化
ソフトウェアの展開よりも厄介な課題の 1 つが IT の管理とサポートです。多くの場合、IT 投資は収益に直結します。SharePoint Server 2016 は、IT 部門への依存を低減し管理タスクを効率化するように設計されているため、IT 担当者が主要な業務に専念でき、コスト削減を達成できます。過去に何時間もかかった作業が単純で効率的なプロセスに変われば、IT 担当者は日常的な管理作業ではなく、イノベーションに集中できるようになります。
プロビジョニング機能が強化されたことで、IT 部門やホスティング サービス プロバイダーは既存のインフラストラクチャへの投資を最大限に活用できると同時に、強化されたロールベースのインストール アーキテクチャを通じて新しいサービスの開発、管理の改善、可用性の向上を追求することができます。
モバイルとタッチ操作への対応
どの企業でもより大きな成果を生むためには、意思決定を迅速に行い、常に連携を維持することが非常に重要です。また、エンド ユーザーが外出先から情報にアクセスできることは、現代の業務環境において必須条件となっています。SharePoint Server 2016 では、あらゆる画面で一貫した操作性が実現されているほか、最新のテクノロジと標準によってモバイル プッシュ通知や情報の同期が行われます。
ソフトウェアを展開するにあたっては、ユーザーが好むデバイスで機能することを確認する必要があります。SharePoint Server 2016 では、HTML5 への積極的な取り組みによって、コンテンツに対してデバイス独自のターゲット設定を行う機能が提供されます。これにより、どのデバイスからアクセスした場合にも、ユーザーが必要とする情報にアクセスすることができます。
SharePoint Server 2016 では、デスクトップ、モバイル デバイス、タブレット、スレート デバイスなど、あらゆるデバイスのブラウザーで一貫した操作性が得られるため、従業員の生産性がさらに向上します。そのため、ユーザーは機能の再現性を犠牲にすることなく、クライアントを簡単に切り替えることができます。
アプリ起動ツール
アプリ起動ツールで利用できる新しいナビゲーション操作では、すべてのアプリにトップ ナビゲーション バーからアクセスできるため、アプリケーションの起動、サイトの閲覧、個人用ファイルへのアクセスをすばやく実行することができます。
新しい強化されたコントロール
SharePoint Online や OneDrive for Business への取り組みを活かして、SharePoint Server 2016 のドキュメント ライブラリには、ファイルおよびコンテンツ操作用の新しい強化されたコントロールが追加されました。このコントロールでは、ファイルの作成、共有、管理をこれまでよりも簡単に行うことができます。
簡単で自然な方法での共有
SharePoint Server 2016 では共有エクスペリエンスが強化され、ユーザーがサイトやファイルをもっと自然な方法で共有できるようになりました。各ページの右上に表示される [Share] ボタンをクリックし、共有するユーザーの名前を入力して Enter キーを押すだけで完了です。共有されたユーザーには、サイトへのリンクを含む招待メールが送信されます。
SharePoint では引き続き、アクセス許可レベル、グループ、継承といった強力なコンセプトに基づいて共有することができますが、サイトの共有といった日常的なタスクを実行するためにこういったコンセプトを理解する必要はなくなりました。
共有する際は、どのユーザーにどのコンテンツが表示されるかを把握する必要があります。既に特定のサイトへのアクセス許可を持っているユーザーを確認したい場合は、右上の [Settings] メニューを選択して [Shared with] をクリックすると、サイトへのアクセス許可を持っているユーザーの名前と写真が表示されます。
サイズの大きなファイルのサポート
今日においては、テキストベースのファイルに代わって、最新のメディア、ビデオ、オーディオなどを使用した共同作業が一般的になりつつあります。SharePoint Server 2016 では、最大 10 GB のファイルのアップロードが可能です。
コンプライアンスツール
データの損失を防止することは不可欠であり、情報を必要以上に広く公開すると、法的およびコンプライアンス面での影響が生じるおそれがあります。SharePoint Server 2016 IT Preview では、機密情報の機密性を確実に維持する機能や、適切なユーザーが適切な情報に適切なタイミングでアクセスできるようにする機能が多数提供されます。
インプレース保持ポリシーと Document Deletion Center が新たに追加されたことにより、企業全体に適用された時間ベースのインプレース保持ポリシーを管理して SharePoint や OneDrive for Business のアイテムを一定の期間保持でき、さらに一定期間の経過後にドキュメントを削除できるようになります。
SharePoint Server 2016 IT Preview の詳細や上記の新機能のデモについては、今週の Office Mechanics の動画をご覧ください。
[View:https://youtu.be/rV6PVzGs51I:0:0]
お試しのうえ、ご意見をお聞かせください
SharePoint Server 2016 IT Preview (英語) は今すぐ Microsoft ダウンロード センターからダウンロードしていただけます。新しい SharePoint Server 2016 IT Preview フォーラム (英語) からエンジニアリング チーム宛てに直接フィードバックをお寄せください。また、UserVoice の SharePoint Server に関するご意見箱 (英語)、Twitter (@SharePoint)、下のコメント欄でも、機能に関するご要望やご意見を受け付けています。皆様のフィードバックを参考に、インフォメーション ワーカー、IT 担当者、開発者の皆様にとって SharePoint Server 2016 が最も優れた製品となるように取り組んでまいります。
クラウドハイブリッド検索による検索・探索機能の強化
このたび、クラウド ハイブリッド検索のプレビュー版の提供も開始されました。SharePoint Server 2013 と Office 365 をご利用のお客様は、Office 365 の複合検索インデックスを通じて、検索結果をまとめて取得することができます。この新しいハイブリッド検索ソリューションは SharePoint Server 2016 IT Preview にもネイティブで搭載されています。
この新たなハイブリッド構成により、クラウド ハイブリッド検索では Office Graph を活用して、あらゆる場所に保存された情報の中から関連度の高い情報を Delve で検索することもできます。Delve からすべての必要なコンテンツにアクセスできるだけでなく、新機能の Delve プロファイルで新しい情報を発見したり、ボードにコンテンツをまとめて簡単に共有、アクセスできるようにしたりすることも可能です。
Office Delve に表示されたオンプレミスと Office 365 の検索結果
クラウド ハイブリッド検索を利用することで、オンプレミスと Office 365 のコンテンツから関連度の高い情報をシームレスに検索できるようになります。クラウド ハイブリッド検索ソリューションでは、オンプレミスのコンテンツを含む、すべてのクロールされたコンテンツに対して Office 365 の検索インデックスが作成されます。Office 365 で検索インデックスのクエリを実行すると、オンプレミスと Office 365 クラウド サービスの両方の検索結果がまとめて表示され、検索関連度ランキングも両方を合わせた結果になります。
クラウド ハイブリッド検索を利用すると、SharePoint Server 2013 のお客様と SharePoint Server 2016 IT Preview を早期導入したお客様には以下のような重要なメリットがあります。
- オンプレミスの検索の手間が軽減
- オプションとして、SharePoint 2007、2010、2013 など提供中および旧バージョンの SharePoint をアップグレードしなくても、コンテンツのクロールが可能に
- Office 365 でホストされるため、大規模なインデックスを維持するコストは不要
新しいクラウド ハイブリッド検索ソリューションは、Office 365 におけるイノベーションをお客様に活用していただくという、マイクロソフトのハイブリッドに関する新しいビジョンを実現した第一歩です。
Microsoft ダウンロード センターから今すぐダウンロードしていただけます。また、フィードバックがございましたら、新しい クラウド ハイブリッド検索フォーラム (英語) からエンジニアリング チーム宛てに直接お寄せください。
Office 365 におけるすべてのハイブリッド シナリオの最新情報については、新しいハイブリッド リソース センター (英語) をご覧ください。
プラトン曰くが言ったように「仕事は最初が肝心」です。SharePoint Server 2016 によって次世代の SharePoint に向けた取り組みが始動したことをたいへん嬉しく思います。
— Bill Baer (@williambaer)
よく寄せられる質問
Q. SharePoint Server 2016 IT Preview またはクラウドハイブリッド検索のプレビュー版を運用環境にインストールしてもかまいませんか。
A. SharePoint Server 2016 IT Preview の運用環境へのインストールは推奨されません。
Q. RTM 版のリリース時に SharePoint Server 2016 IT Preview からアップグレードすることはできますか。
A. いいえ。SharePoint Server 2016 IT Preview を RTM 版にアップグレードすることはできません。
Q. クラウドハイブリッド検索はいつから使用できますか。
A. クラウド ハイブリッド検索のプレビュー版は現在提供が開始されていますが、Office 365 と共に使用するように構成できるのは 9 月上旬以降の予定です。
Q. クラウドハイブリッド検索サービスがリリースされたら、Office 365 上で既にインデックス化されたコンテンツはどうなりますか。
A. クラウド ハイブリッド検索サービスがリリースされても、インデックス化されたコンテンツは Office 365 のインデックスに保持されます。オンプレミスのコンテンツを再度インデックス化する必要はありません。
Q. クラウドハイブリッド検索の詳細はどこで確認できますか。
A. クラウド ハイブリッド検索の詳細については、connect.microsoft.com/office/SelfNomination をご覧ください。