Windows Azure 通知ハブの正式リリースと SQL Server AlwaysOn 可用性グループ リスナーのサポートに関する発表
このポストは、8 月 12 日に投稿された Announcing General Availability of Windows Azure Notification Hubs & Support for SQL Server AlwaysOn Availability Group Listeners の翻訳です。
今回は、Windows Azure のモバイル開発者および企業開発者向けの最新情報をお知らせします。この情報は、アプリケーション構築にかかる時間とコストを削減したいと考えるモバイル開発者と、高可用性とグローバル ビジネスの継続性を維持したいと考える企業開発者にとって役立つものです。
Windows Azure通知ハブの正式リリース
Windows Azure 通知ハブを利用することで、モバイル アプリケーション開発者は、高度にカスタマイズされた膨大な数のプッシュ通知を瞬時に世界中の Android、iOS、Windows デバイスに配信できるようになります。グローバルな Windows Azure インフラストラクチャ上に構築されたこの通知ハブは、スケーラブルな分散システムを実現する経済性の高いクラウドのメリットを活かして、オンデマンドの従量課金制によって提供されます。
これまで、カスタマイズされたプッシュ通知を短い待ち時間で大量配信できるアプリケーション バックエンドを構築するには多大なコストがかかるうえ、作業も複雑でした。また、機能をフルに備えたプッシュ通知インフラストラクチャを展開するには、プッシュ通知サービス (マイクロソフト、Apple、Google など) ごとにコードを作成しなければならず、短い待ち時間を実現するには、独自のシステムを構築したうえで数百の仮想マシンを同時にスピンアップしなければなりませんでした。また、ユーザーの関心や言語に合わせてカスタマイズする場合には、さらに複雑な作業が必要でした。
一方、Windows Azure 通知ハブでは、コードをほんの数行追加するだけで複数の通知サービスからプッシュ通知を配信することができます。また、ユーザー設定にはタグを使用でき、言語は多言語をサポートするオプションから選択でき、フォーマットにはテンプレートを使用できるようになり、個人用カスタマイズがずっと簡単に行えるようになりました。
今日では、Windows 8 向けの Bing ニュース アプリなどにこの通知ハブが利用され、最新ニュースを伝える膨大な数のプッシュ通知が一斉配信されています。
Windows Azure モバイル サービスでもプッシュ通知をサポートしています。以下の表に、通知ハブとモバイル サービスの違いを示しました。簡単にまとめると、モバイル サービスは 1 人のユーザーとコミュニケーションをとる場合に適しており、通知ハブは複数のユーザーと同時にコミュニケーションをとる場合に適しています。
|
Windows Azure モバイル サービス |
Windows Azure 通知ハブ |
MPNS、WNS、APNS、GCM のサポート |
○ |
○ |
ターンキー イベント トリガー プッシュ |
○ |
× |
デバイス登録管理 |
× |
○ |
一部のユーザーへのメッセージ ルーティングのためのタグ設定 |
× |
○ |
ユーザー設定 (言語設定を含む) に合わせてメッセージをフォーマットするためのテンプレート |
× |
○ |
100 万以上のデバイスへの瞬時の一斉配信 |
× |
○ |
もちろん、両方のサービスを使用するアプリケーションを構築することも可能です。たとえば、ターン制のゲームの場合、プレーヤー 1 の出番が終わった後、プレーヤー 2 に警告を送信するプッシュ通知にはモバイル サービスを使用し、すべてのプレーヤーに特別なプロモーションを一斉配信するには通知ハブを使用するといったことができます。
通知ハブの技術概要と開発方法については、Scott Guthrie の ブログ (英語) (翻訳: SATO Naoki ブログ Windows Azure: SQL Server AlwaysOnサポートと通知ハブの一般提供、自動スケールの改善など を参照してください。) をご覧ください。
Windows Azure が SQL Server AlwaysOn リスナーをサポート
SQL Server 可用性グループ リスナーが AlwaysOn 技術に追加されました。SQL Server AlwaysOn は、SQL Server 2012 で利用できる最も重要な機能です。AlwaysOn 機能では、グローバルな展開において SQL Server のセカンダリをサポートできると同時に、ローカルで高可用性を維持するために 1 つの領域にレプリケートされた複数のインスタンスを保持できます。この発表の詳細については、こちらの SQL Server ブログ (英語) をご覧ください。