Windows Azure and Office 365
このポストは、7 月 27 日に投稿された Scott Guthrie ブログの Windows Azure and Office 365 の翻訳です。
先週の Microsoft Office 365 および SharePoint のベータ リリースには、開発者向けの多くの機能強化をはじめとする大きな機能拡張がいくつかあります。開発者は ASP.NET (ASP.NET Web フォームと ASP.NET MVC の両方) を使った Web アプリケーションの作成を通じて SharePoint を拡張すると共に、.NET 4.5 の新しい Workflow Framework を使ったカスタム ワークフローの作成を通じて SharePoint を拡張できるようになりました。
さらに、開発者がSharePoint を拡張するために作成する Web アプリケーションとワークフロー アプリケーションを、 Windows Azure 上でホストできるようになりました。マイクロソフトでは、Office 365 と Windows Azure にまたがるエンド ツー エンド サポートを提供しており、そのため、開発者はこれらのソリューションを安全かつ容易にパッケージ化して展開できるようになりました。
Office 365 を統合した Windows Azure Web サイトの開発
マイクロソフトは先月、Windows Azure の主要更新プログラム (英語) をリリースしました。このリリースで導入された新しいサービスの 1 つが、Windows Azure Web サイトと呼ばれる機能であり、これにより開発者は迅速かつ容易に Web アプリケーションを Windows Azure に展開することができます。先週リリースされた新しい Office、SharePoint Server 2013、Office 365 Preview によって、開発者は Office および SharePoint 向けのアプリケーションを作成し、Windows Azure 上でホストすることができるようになりました。
ASP.NET のいずれかのバージョン (ASP.NET Web フォーム、ASP.NET MVC、および ASP.NET Web ページなど) を使用して SharePoint 向けのアプリケーションを作成したり、OAuth 2 と Windows Azure Active Directory を使ってそれらのアプリケーションを認証し、Office 365 に統合したりすることができるようになりました。その結果、SharePoint 内に格納されるデータを安全に作成、読み取り、更新でき、Office 365 内の豊富なデータおよびドキュメント リポジトリと統合できるようになります。
開発者は Windows Azure を使用して、これらの Web アプリケーションを自分でホストできるようになります。また、新しいバージョンの Office 365 および SharePoint では、カスタム Web アプリケーションをパッケージ化して Office 365 にアップロードすることもできるようになりました。エンド ユーザーは、Office 365 内で利用可能な新しい Office や SharePoint でこれらのアプリケーションを参照し、SharePoint ソリューションとしてインストールすることができます。その結果、Office 365 でアプリケーションのコピーが Windows Azure Web サイトとして自動的に展開およびプロビジョニングされ、アプリケーションをインストールしたエンド ユーザー自身がアプリケーションを管理するのではなく、Office 365 で管理できるようになります。これは、開発者が、SharePoint を拡張するカスタム Web アプリケーションを作成および配布する非常に優れた方法です。なお、必要に応じて、Store を通じてこれらのソリューションを収益化することもできます。
これらのソリューションの作成方法および Office や SharePoint の新しいクラウド アプリケーション モデルの詳細については、こちら (英語) を参照してください。SharePoint 用のアプリケーションの作成方法については、こちら (英語) を参照してください。
Office 365 を統合した Windows Azure ワークフローの開発
新しいバージョンの SharePoint によって、開発者は 、SharePoint アクション (たとえば、エンド ユーザーによるドキュメントのアップロードや、SharePoint リスト内のアイテムの変更) に対してカスタム .NET 4.5 ワークフローも実行できるようになりました。.NET 4.5 ワークフローの導入により、以下の特長を持つ SharePoint ワークフローが実現します。
- 高い表現力 : ステージとループ処理の導入、および .NET 4.5 フローチャート ワークフローの利用
- 接続型 : REST および OData Web サービスを呼び出す機能、および ASP.NET Web API エンドポイント
- 非制約 : SharePoint サーバー外部の、堅牢でスケーラブルな、一貫性のあるワークフロー ホストでのワークフローの実行
今月の Office 365 Preview により、開発者はワークフローを容易に作成し、SharePoint ソリューションにアップロードできるようになりました。Office 365 では新しい Windows Azure ワークフロー サービスを通じて、Windows Azure 内で自動的にワークフローの作成とアップロードが実行されます。この機能を有効にするために、開発者および Office 365 ユーザーは、Windows Azure 内で何もセットアップする必要がありません (Windows Azure アカウントもなくてもかまいません)。Office 365 と Windows Azure によってエンド ツー エンドの統合が自動的に提供されます。
ワークフローの作成は、Office SharePoint Designer を使用するか、Visual Studio 2012 内から行ってください。Office SharePoint Designer では、ユーザーは .NET 4.5 ワークフローを作成できます。ビジュアル デザイナーの使用例を次に示します。
テキスト ビュー (Outlook の自動仕分けウィザードに似ています) の使用例を次に示します。
開発者は、Visual Studio 2012 内で新しいワークフロー デザイナーおよび Office 開発ツールを使用することができます。
ワークフロー サポートによって、非常に簡単に SharePoint 内のアクションの動作をカスタマイズし、このカスタム ロジックを Windows Azure 内で実行できるようになります。これらの処理はすべて、SharePoint をカスタマイズする開発者や IT プロフェッショナルがアプリケーションを自分で展開しなくても実行することができます (Windows Azure アカウントにサインアップする必要もありません。Office 365 によって処理されます)。ワークフローは、ワークフロー内で非同期の REST および OData 呼び出しを行えるので、Windows Azure で実行されるカスタム機能およびサービス (たとえば、ASP.NET Web API を使用して作成されたサービス) を呼び出すワークフローを容易に作成し、そのデータやロジックを SharePoint ソリューションに統合することもできます。
まとめ
今夏の Windows Azure および Office 365 の更新では、多くの新しいクラウド機能が提供されています。各サービスを個別に、またはまとめて利用して、より説得力のあるエンド ツー エンドのソリューションを開発することができます。今すぐ作業を始めるには、Office デベロッパー センター (英語) を参照してください。
この記事が皆様のお役に立てば幸いです。
Scott