Windows Azure 日本データセンターへの移行方法の概要
この投稿は、Azure CAT (Customer Advisory Team) の多田 典史からの投稿内容です。
Windows Azureをご使用中のお客様で、東アジア、東南アジアまたはその他のリージョンにて運用中で、Windows Azure 日本データセンターへの移行をご検討中の場合には以下の情報をご参考にしてください。
データセンター移行の作業は、大きくはデータの移行とアプリケーションの移行に分けて考えられます。まずはデータの移行について、ストレージのBLOB, TABLEさらにSQLデータベースの移行(コピー)方法をご紹介します。
データの移行の前には、移行先のリージョンにストレージアカウントを作成してください。また、コピー作業中に移行元のデータが書き換えられたり、ロックなどによりコピーのできない状態にしないためには、移行元のストレージにはアプリケーションシステム等からアクセスしないことが必要です。
・BLOB
BLOBの移行 (コピー) にはCopyBLOB APIが利用可能です。アプリケーションを作成される場合にはこちらをご使用ください。
https://msdn.microsoft.com/en-us/library/windowsazure/dd894037.aspx
また、AzCopyというコマンドラインツールを利用することで、コンテナ中のBLOBをまとめてコピーすることが可能です。
・テーブル、キュー
テーブルの移行はストレージクライアントライブラリ等を用いて、テーブルのデータをコピーするアプリケーションを作成してください。キューについても同様です。
・SQLデータベース
SQLデータベースをDC間でコピーするにはいくつかの方法が考えられますが、一番シンプルな方法はデータベースをエクスポートして、エクスポートしたファイルをインポートする方法です。エクスポートとインポートの方法については以下をご参照ください。
https://msdn.microsoft.com/en-us/library/hh335292.aspx
アプリケーションについては、コンピュートサービスの場合、クラウドサービスのエンドポイントや、ストレージのエンドポイント等が変わる場合には、アプリケーション中でそれらを参照している部分があれば更新を行って新しいリージョンに再デプロイしていただくことが必要です。
インフラストラクチャーサービスの仮想マシンについては、仮想マシンに接続されたディスクを保持したまま仮想マシンを削除し、そのディスクを関連付けられているVHDを保持して削除したあとで、BLOB中のVHDを他のデータセンターにコピーまたは移動して、移動先ではそのVHDを使用して仮想マシンを作成することが可能です。仮想マシンや、仮想ディスクを削除する際にはVHDを同時に削除するオプションもあるので、削除しないように注意してください。
https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/windowsazure/jj672979.aspx
仮想ネットワークについては、構成のエクスポート・インポートが可能です。
https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/windowsazure/jj156097.aspx