Microsoft Azure の Virtual Machines D シリーズでクリティカル アプリケーション ワークロードを実行
このポストは、12 月 22 日に投稿された Running Critical Application Workloads on Microsoft Azure D-Series Virtual Machines の翻訳です。
Azure カスタマー アドバイザリー チーム (AzureCAT) では、新たにパブリック クラウドに導入された、D シリーズと呼ばれる最新世代ハードウェア コンポーネントのテストを続けてきました。このシリーズの特筆すべき点は、従来のものと比較して、高負荷ワークロード アプリケーションのパフォーマンスが大幅に向上したことです。以前公開したホワイト ペーパーで説明しているとおり、これは Microsoft SQL Server を基盤とするソリューションでは非常に重要です。この調査結果を受けて、さらなるテストを実施することとなりました。
お客様から頂いたご意見によると、自社で使用するアプリケーションを従来のデータ センターから Microsoft Azure Virtual Machines (VM) へ簡単に移行する方法を求めているものの、クリティカルなワークロードには高いパフォーマンスが必須であり、それが十分に得られない場合があるようです。
今回、D シリーズではパフォーマンスに関する 2 つの主要な機能を提供します。いずれの機能を使用する場合もアプリケーション側の変更は必要ありません。
- ソリッド ステート ドライブ (SSD) を基盤とする (一時的な) ローカル ストレージ
- アタッチ可能なディスク数の追加 (D14 VM の場合、最大で 32 台)
パフォーマンス テストでは、これらの新機能を使用してアプリケーションの調整を行い、パフォーマンスを向上させました。その例を紹介します。
- D13 VMのローカル SSD ストレージに tempDB ファイルを配置したところ、SQL Server で生成される同一 IO パターンでデータ ディスクがアタッチされた A7 VM と比較して、はるかに短いレイテンシで約 4.5 倍のスループットが得られました。
- 32 台のディスクがアタッチされた D14 VM では、16 台のディスクがアタッチされた A7 VM と比較して、書き込み処理の IOPS と帯域幅が最大 85% 向上しました。
D シリーズの効果が大きく現れた 4 つのシナリオを「Microsoft Azure Virtual Machines でクリティカル アプリケーション ワークロードを実行する (英語)」というホワイト ペーパーにまとめました。
内容は次のとおりです。
- 永続ディスクのレイテンシが、直接的にアプリケーションの応答時間に与える影響
- SQL Server の tempdb の高負荷時に、永続ディスクの低スループットがアプリケーションのパフォーマンスに与える影響
- SSD を基盤とする高速ストレージをアプリケーション層で使用して、一時ファイルの処理を高速化する方法
- %temp% フォルダーを D シリーズの VM の一時ドライブに移動して、大規模な ASP.NET Web アプリケーションのコンパイルと起動に要する時間を短縮する方法
基本的には、Azure の新 D シリーズの VM は、データ層とアプリケーション層のどちらでも、パフォーマンス クリティカルなワークロードを実行する場合に大いに役立ちます。CPU、ストレージ、およびネットワークの全体的なパフォーマンスが向上し、費用対効果も他の VM シリーズと比較して高くなっています。
OLTP データベース サーバーなどの特定のアプリケーション シナリオでは、主に SSD を基盤とするローカルの一時ストレージが、バッファー プールの拡張や一時操作のホストなどに効果を発揮します。アプリケーション サーバーの場合は、新世代 VM の高い CPU パフォーマンスにより、ローカル ストレージの高速化と低レイテンシというメリットが得られます。
アプリケーションのパフォーマンス向上についての詳細は、ホワイト ペーパー (英語) をダウンロードしてご確認ください。また、D シリーズのパフォーマンスの期待値についての記事も併せてお読みください。