Data Protection Manager を使用した Azure IaaS ワークロードの保護
このポストは、9 月 8 日に投稿された Azure IaaS workload protection using Data Protection Manager の翻訳です。
System Center Data Protection Manager (DPM) は、マイクロソフトのオンプレミス ワークロードを保護するための定評あるバックアップ製品です。お客様がそのインフラストラクチャの一部または全部を Azure に移行する場合、最も気になるのが Azure で実行されるワークロードのバックアップ機能です。このニーズに対応するために、マイクロソフトは Azure IaaS VM 内で実行される DPM のサポートを発表しました。これにより、Azure IaaS ワークロードが安全に保護されることになります。
サポートされるデプロイメント
図 1: ワークロードの保護のために Azure でサポートされる DPM のデプロイメント
サポートされる構成は、上の図に示したとおりです。DPM のインストールの前提条件は、こちらの TechNet ドキュメントの説明と同じです。
- DPM は、サイズが A2 以上のすべての Azure IaaS Virtual Machines に対応しています。
- DPM によって、Azure Virtual Network と Azure サブスクリプションが同じ複数の Azure Cloud Services で実行されているワークロードを保護できます。
- バックアップ先のストレージに使用できるディスクの数 (DPM ストレージ プール) は、Virtual Machines のサイズによって制限されます (最大 16 枚)。サイズによる制限の詳細については、Azure Virtual Machines を参照してください。
DPM を Azure Virtual Machines としてセットアップするための推奨事項
- アタッチされるディスクあたりの最大 IOPS は Basic レベルよりも Standard レベルのほうが大きいため、Standard レベルでコンピューティング インスタンスを作成します。
- DPM の Virtual Machines に対して別のストレージ アカウントを使用します。これは、ストレージ アカウントにはサイズと IOPS による制限があり、他の実行中の Virtual Machines と共有した場合、DPM Virtual Machines のパフォーマンスに影響が生じるおそれがあるためです。
- DPM Virtual Machines と保護対象のワークロードは、同じ Azure Virtual Network に属している必要があります。
- 以下の表に、各サイズの DPM Virtual Machines で保護されるワークロードの最大数を示しています。この情報は、ワークロード サイズと更新の標準的な値と、内部のパフォーマンス テストおよびスケール テストに基づいています。実際のワークロード サイズはこれよりも大きいことがありますが、DPM Virtual Machines にアタッチされるディスクに格納する必要があります。
DPM VM のサイズ
保護されるワークロードの最大数
ワークロードの平均サイズ
ワークロードの平均更新率
ワークロードの例
A2
20
100 GB
1 日あたり正味 5% の更新
SQL、ファイル サーバー
A3
40
150 GB
1 日あたり正味 10% の更新
SQL、ファイル サーバー
A4
60
200 GB
1 日あたり正味 15% の更新
SQL、ファイル サーバー
- DPM にアタッチされたストレージにデータを 1 日保持し、それ以前のデータは Azure Backup サービスに格納します。より大量のデータを保護し、または保持期間を長くすることを目標とします。DPM から Azure Backup にバックアップ データを移動することによって、DPM サーバーにアタッチされたストレージを拡張する必要なく、保持の柔軟性が高まります。
ワークロードの保護
DPM エージェントのインストール、保護グループの設定、データの復元、バックアップ ジョブと復元ジョブのモニタリングといったすべての標準バックアップ操作を実行する (英語) には、DPM Virtual Machines のコンソールを使用します。また、Azure Virtual Machines として実行されている DPM は、サポートされる特定のワークロードを保護するために、Azure Backup サービスとシームレスに連携します。詳細については、こちらの TechNet ドキュメントをご覧ください。
サポートされるワークロード
オンプレミスの DPM でサポートされるワークロードの一部のみが、Azure デプロイメントの保護でサポートされます。以下の表に、Azure でサポートされるワークロードに対するバックアップ サポートを示しています。この表には、Azure でサポートされていないワークロードは含まれません。
|
DPM 2012 R2 |
DPM 2012 with SP1 |
DPM 2012 |
保護と復元 |
Windows Server 2012 R2 – Datacenter および Standard |
○ |
☓ |
☓ |
ボリューム、ファイル、フォルダー |
Windows Server 2012 – Datacenter および Standard |
○ |
○ |
☓ |
ボリューム、ファイル、フォルダー |
Windows Server 2008 R2 SP1 – Standard および Enterprise |
○ |
○ |
○ |
ボリューム、ファイル、フォルダー |
SQL Server – 2012、2008 R2、2008 |
○ |
○ |
○ |
SQL Server データベース |
SharePoint – 2013、2010 |
○ |
○ |
○ |
ファーム、データベース、フロントエンド Web サーバーのコンテンツ |
まとめ
- DPM を Azure IaaS Virtual Machines として実行できるようになりました。
- DPM を使用して、Azure IaaS Virtual Machines で動作しているワークロードを保護できます。
詳細については、DPM に関するこちらのブログ記事 (英語) をご覧ください。また、この下の各種関連リンクをクリックして使用を開始し、ご意見やご感想をお寄せください。
- DPM と Azure を既に使用しているお客様は、DPM の更新プログラムのロールアップ 3 (英語) と新しい Azure Backup エージェント (英語) をダウンロードしてください。
- DPM は既に使用しているがまだ Azure を試したことのないお客様は、Azure 無償評価版をダウンロードして試用を開始してください。
- DPM を使用したことがない場合は、まずプライベート クラウド スケールでの Hyper-V バックアップに関するドキュメント (英語)をご覧ください。
- ご意見やご質問は、Azure Backup ユーザー フォーラム (英語) までお寄せください。
- Azure Backup フォーラムでも、Azure Backup に関連する問い合わせを行うことができます。
- DPM 関連のお問い合わせは、System Center Data Protection Manager フォーラムまでお寄せください。