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Cloud Expo イベントを振り返って: クラウドの進化

このポストは、6 月 20 日に Microsoft Azure General Manager の Steven Martin が投稿した Cloud Expo Event Recap: The Evolution of the Cloud の翻訳です。

今週ニューヨークで開催された Cloud Expo で、私は開会の基調講演 (英語) を務めさせていただきました。大都市ニューヨークに大勢のクラウド愛好家たちが集い、クラウドファーストの世界を推し進めるための次のステップについて学び合う光景は、すばらしいものでした。

ここ 10 年ほど、私は非常に独特な視点からクラウドの進化を見てきました。その最初はシリコン バレーで新規事業の立ち上げに参加したときで、最近では、マイクロソフトによる BizTalk と Azure の事業に携わってきました。IT を取り巻く状況は、アウトソーシングを極端に嫌い主に自社内で管理されていた状態から、モバイル デバイスとモバイル サービスが中心となる、パブリック クラウドに適した環境へと進化してきました。

この進化の始まりは、アプリケーション サービス プロバイダーと近代的なコロケーション サービスの普及が加速するきっかけとなった、IT バブルにまでさかのぼります。IT バブル崩壊後は、企業では当然のように、高度な管理、品質、および安定性が求められ、IT を社内で管理することが最適であると考えられるようになりました。

しかし、仮想化と IT コンシューマライゼーションが台頭し始め、SaaS や個人所有デバイスの活用などのトレンドが現れてくるにつれ、驚くべき現象が起きました。柔軟性や俊敏性を得るために、企業が少しずつ IT を自社の外部に移行し始めたのです。これが、現在のクラウドへの道筋を切り開くことになりました。最も興味深い変化が起こったのは、2009 年でしょう。破滅的な状況とも呼べるものでした。

2009 年は経済的に厳しい年だった、と言えば控えめな表現かもしれません。何年もかけて蓄積した資産の流動性が低下し、金融危機により資金調達が非常に困難になりました。しかし、同時に、インスタンスの成長率は企業の IT 部門がサポートできる範囲をはるかに超えていました。その結果、IT 部門が自身の存続を図るために、進化し続けるしかなかったのです。これが、現在のクラウドへの入り口でした。

経済危機以降の 5 年間で、私は数多くのお客様とお話しする機会がありました。この間、話題の中心は「クラウドとは何なのか」から、「なぜクラウドが必要なのか」へと変化し、さらに最近は「短期間でクラウドのメリットを得るにはどうすればよいか」に変わりました。この変化は、クラウドが普及していること、またそれを受け入れられない人は取り残されるであろうことを示唆しています。

マイクロソフトでは、これが Azure プラットフォームの堅実な成長の理由の 1 つであると考えています。Azure を使用している企業は、Fortune 500 の企業の 57% を占め、また 1 日に約 1,200 のユーザーが新規登録しています。さらに、過去 4 年間、コンピューティングとストレージのサービス使用量が 6 ~ 8 か月ごとに倍増する状況が続いています。他にも、当然のことながら、マイクロソフトが継続的にサービスを拡充し、お客様のニーズへの対応を改善し続けているという理由が挙げられます。

こうしたクラウドの急速な革新に伴い、ビジネスの最適化、企業のモビリティの強化、およびデータの有効活用の促進を目的として、クラウドを導入するお客様が多数いらっしゃいました。先週、お客様のクラウドへの現在の取り組みについて、多くの方と語り合う機会に恵まれ、ビジネスを真の意味で変革させるために次に何をすればよいかをお客様にお伝えすることができました。この場では、クラウドが今後 5 年間にどのように変化するか、また今後実現されるものを適切なパートナーと共にビジネスに活用するための準備について、大いに話し合いました。

適切なパートナーという話題については、どのようなビジネスが期待されるかについて活発に議論しました。技術革新はさらに加速され、同時に料金は低下すると考えられますが、その結果、一定期間内に、ある程度の企業の統合が行われると予想されます。その中で生き残ることができるのは、今後も継続すると思われる混乱に適応できる (および既に適応していた) 企業でしょう。そのための指針として、次のようなものが考えられます。

  • 資金 – ベンダーは、急速な成長と継続する混乱に対応するための資金を確保する必要があります。このような投資は、数十億ドル、または数百億ドルに達する可能性があります。
  • 取り組み – そのビジネスが企業全体の戦略にとって重要なポイントであるか、パブリック クラウドよりも優れたオプションはないのか、または、ベンダーは顧客のビジネスにおいて一貫した姿勢を貫き通せるかが重要です。
  • 信頼性 – 技術革新を進められるか、さらにこの業界で発生する不可避の混乱に対応できるかが大切です。1 つだけ間違いなく言えることは、だれもが混乱から免れ得ないということです。どの企業が長く生き残り、いくつもの混乱を乗り越えることができるでしょうか。

オンサイトでご参加くださったお客様にとっても、オンラインでご参加くださったお客様にとっても、このイベントのコースから何か得るものがありましたら幸いです。私は、今後も皆様から多くのことを学ばせていただきながら、クラウド コンピューティングが次にどのように変化していくかを見守っていきたいと思います。