Azure SQL Database で Elastic Scale のプレビューをリリース
このポストは、10 月 2 日に投稿された Introducing Elastic Scale preview for Azure SQL Database の翻訳です。
マイクロソフトは、Azure SQL Database 用 Elastic Scale のパブリック プレビューを発表しました。新機能の Elastic Scale は、開発および管理を合理化することでクラウド アプリケーションのデータ層のスケールアウト (およびスケールイン) 処理を容易にするものです。Elastic Scale では、業界標準のシャーディングを使用して、数個程度から数千以上のデータベースにまたがるアプリケーションの構築や保守に役立つ機能を提供します。
この機能ではホスト可能な Azure サービスのテンプレートや .NET クライアント ライブラリを提供しているため、お客様のアプリケーション独自のニーズに合った柔軟な開発が可能です。また、お客様の取り組みにより、アプリケーション独自のニーズに合わせた柔軟な開発が可能なため、柔軟なスケーリングをサポートする場合にはこのクライアント側アプリケーションの API は理想的な機能です。
マイクロソフトでは、お客様が Elastic Scale によるシャーディングを利用するシナリオとして、主に下記のようなものを想定しています。
- 大容量の OLTP: 数個から数千またはそれ以上のデータベース シャードを使用することで、単一のクラウド ベースの OLTP アプリケーションで大量のデータを処理し、ハイエンドのトランザクション処理のニーズをサポートします。
- マルチテナントの SaaS: データベースのスケーリングにより、マルチテナントのクラウド アプリケーションをサポートします。この環境では、それぞれの顧客を高度に隔離された各自のデータベースに割り当てたり、負荷分散や場所に基づいて複数のテナントがデータベースを共有したりすることができます。また、オプションとして、各顧客のスループットに対するニーズに合わせて、各データベースのスケールを拡大縮小することができます。
- 継続的なデータ収集: テレメトリで Internet of Things (モノのインターネット) のデータを収集するアプリケーションで、新しい日付の範囲を作成するときに定期的に新しいシャードを作成することで、簡単にスケールを変更できます。このとき、新しいシャードでは高いサービス レベルを使用し、時間が経過して使用率が低下するのと共にスケールを縮小することができます。
プライベート プレビュー プログラムを通じて Elastic Scale をデプロイしご利用いただいたお客様からは、この機能に対して次のような高い評価をいただいています。
「当社ではマイクロソフトのフレームワークを基礎とする Elastic Scale API を採用することに異論を挟む余地はありませんでした。石油・ガス業界の大企業のお客様にサービスを提供する能力があるか否かは、増え続けるお客様のデータ要件を効率的かつ継続的に管理し、スケールのニーズに対応し続けられるかどうかにかかっています。当社で取り扱うデータは大規模であるため、シャーディング機能が追加されるとデータの移動が簡単になり、また適切なパフォーマンスを確保できるなど、当社のアプリケーションにとって大きなメリットがありました。実装作業はすぐに完了しました。標準化されたフレームワークではすべてのアプリケーションでシャードの管理が可能で、拡大し続けるプラットフォームのソリューションとして使用可能です」(Shawn Cutter 氏、Fielding Systems 社 CEO)。
Elastic Scale ではシャーディングと呼ばれる高度に確立されたスケーリング戦略をサポートしており、データの各断片が 1 つのデータベース群のどこに存在しているかを定義する「契約」を開発者が決定できます。この機能では ADO.NET プログラミング モデルのシンプルな拡張機能を使用していて、アプリケーションが簡単かつ自動的にトランザクションを直接適切なデータベース シャードに転送したり、単一のシャード内で、または多数のシャードにまたがってクエリを実行したりすることができます。
また、Elastic Scale ではシャード間で協調してデータを移動することが可能で、異なるデータベース間でデータ範囲の分割や結合を行ったり、活発に稼働しているテナントをそれ自身のシャードにプルするなどの一般的なシナリオを実施することができます。この分割-結合サービスはダウンロード パッケージとして提供しており、Azure のクラウド サービスとしてお客様のサブスクリプションにデプロイできます。
他に、プレビューの一部として Federation Migration Utility (英語) も公開しました。このユーティリティを使用すると、お客様が現在のフェデレーション アプリケーションから Elastic Scale に移行する際にデータの移動が一切不要なため、とても便利です。なお、フェデレーション機能は 2015 年 9 月に Web Edition および Business Edition での提供を終了しますのでご注意ください。
Elastic Scale のプレビューをぜひお試しください (英語)。また、Channel 9 のビデオ (英語) をご用意しておりますのでこちらもご覧ください。