Azure Service Fabric を発表: 高度なスケーラビリティをより簡単に実現
このポストは、4 月 20 日に投稿された Announcing Azure Service Fabric: Reducing Complexity in a Hyper-scale World の翻訳です。
企業から顧客に対するアプローチの方法は、クラウド コンピューティングによって変化し続けています。競争が激化する昨今のビジネス環境の中、この変化の最前線に立たされているのが、ISV や新興企業です。これらの企業は、市場にすばやく対応するために、スケーラブルなクラウド サービスを構築するより良い方法を常に模索しています。また、開発者にとっては、信頼性と拡張性はどちらも等しく重要な課題となっています。
先月リリースされた Azure App Service は、開発者向けの高生産性ソリューションとして、エンタープライズ クラスの Web アプリやモバイル アプリの開発ニーズに応えます。App Service が提供する包括的な PaaS ソリューションでは、アプリケーションをクラウドにデプロイして弾力的にスケーリングでき、そのアプリケーションをオンプレミスのリソースや SaaS ベースのアプリケーションとシームレスに統合することができます。現在、Azure App Service は Heineken (英語)、Hogarth Worldwide (英語)、Telenor (英語)、Smartvue (英語) など、数万ものお客様にご利用いただいています。
そしてこのたび、高度な制御プラットフォームである Azure Service Fabric が新たに発表されました。これにより、開発者や ISV は、拡張性とカスタマイズ性の高いクラウド サービスを構築できるようになります。Service Fabric は、ミッションクリティカルなクラウド サービスを提供してきたマイクロソフトの経験を基礎として開発され、5 年以上にわたって実際に運用されています。基盤となるテクノロジは、Azure のコア インフラストラクチャに使用されているほか、Skype for Business、Intune、Event Hubs、DocumentDB、Azure SQL Database (1,400 万のユーザーが使用しているデータベース全体)、Bing Cortana などのサービスも支えており、毎秒 5 億回を超える評価に対応可能な拡張性を持ちます。
こうした経験に基づいて設計されたプラットフォームは、インフラストラクチャのリソースの可用性やアプリケーションのニーズを根本から把握することで、自動更新と自己修復を行い、可用性、耐久性、拡張性の高いサービスの配信を可能にします。現在は、競争によりさらに強化されたこのテクノロジをすべての方にご利用いただけるように取り組んでいます。マイクロソフトで使用しているものとは異なりますが、テクノロジそのものはマイクロソフトが使用しているものと変わりありません。
Service Fabric には、以下のような特長があります。
- ステートレスとステートフルの両方のマイクロサービスがサポートされます。マイクロサービスとは、独立した小規模なバージョン化されたサービスが複雑なアプリケーションを構成するアーキテクチャであり、低レイテンシが求められるデータ入出力が激しい複雑なシナリオに対応し、アプリケーションのクラウドへの拡張を可能にします。
- これまでにないレベルでアプリの利用状況を把握したうえで、マイクロサービスのオーケストレーションや自動化を行えます。
- 状態管理などの高度な分散システムの問題が解決され、アプリケーションのライフサイクルを管理できるようになるため、成長に合わせて開発者がアプリケーションを再設計する必要がなくなります。
- コマンド ラインのほかに Visual Studio ツールがサポートされるため、シングルボックス環境、テスト環境、運用環境の各デプロイメントで Service Fabric アプリケーションの構築、テスト、デバッグ、デプロイ、更新をすばやく簡単に行うことが可能です。
Service Fabric の早期ユーザーとしてご協力いただいている企業の 1 つに、サンフランシスコ湾岸地区にあるソフトウェア企業 OSIsoft (英語) があります。この企業では、自社のオンプレミスの PI System を強化するために Service Fabric を採用し、新しい Azure ベースのサービスによって Internet of Things 規模のソリューションに対応しています。現在、この PI System では、センサーによるストリーミング形式のデータを 450 種類以上のソースから収集し、保存、分析、共有しています。OSIsoft のソリューションで Service Fabric を活用することで、高い耐久性を確保しながら、従来をはるかに超える毎秒数億件の測定データを処理し、顧客重視の情報把握を実現しています。
早期ユーザーの皆様からフィードバックをいただくために、BUILD カンファレンスにおいて Service Fabric の開発者プレビューをリリースします。マイクロソフトは、パブリック クラウド、ホストされたクラウド、プライベート クラウドのそれぞれで安定的にクラウドを配信することに対して独自の取り組みを進めています。また同時に、次世代の Windows Server ではオンプレミスのソリューションを提供する予定です。初期リリースのサポート対象は Windows となりますが、その後 Linux もサポートを予定しています。Azure Service Fabric の活用をご検討中の Azure Cloud Services ユーザーのお客様には、移行に関するガイドを提供する予定です。
Azure Service Fabric の詳細や活用法については、来週開催される BUILD カンファレンス (英語) でのセッションやデモでご確認ください。