Azure Media Services を利用した Office 365 Video
このポストは、12 月 1 日に投稿された Azure Media Services powers Office 365 Video の翻訳です。
はじめに
ビデオは単なるコンテンツの一種ではなく、従業員へさまざまな情報を伝達するためのコミュニケーションツールとしてとても役に立ちます。またビデオは、情報伝達の手段として優れているだけでなく、共同で作業を行う際にも便利です。マイクロソフトは先日、Azure Media Services を利用した Office 365 Video のリリースを発表しました。AzureMedia Services プラットフォームでは、企業向けのリッチでシンプルな、スケーラビリティと安全性の高いメディア バックエンドおよびモバイル デバイスでの再生機能をご利用いただけます。Office 365 Video は SharePoint Online と統合され、モバイル デバイスとブラウザーの両方において魅力的で直観的なユーザー エクスペリエンス実現できる、スケーラビリティの高い企業向けビデオコンテンツ ストアの管理方法を提供します。
ビデオは次のような用途に利用できます。
- コミュニケーション – アイデア、コンセプト、変更など
- 教育 – 新人研修、トレーニングなど
- 共同作業 – コミュニティ内でのベスト プラクティスの共有など
ビデオは、社内イベントや全体会議、従業員やパートナーのトレーニング、人事や法務、コンプライアンスに関するビデオなど、企業内で多目的にご活用いただけます。Office 365 Video は非常に高い機能を備えており、だれもが場所を問わずビデオを簡単に利用したり、用途に応じてビデオを活用したリッチなモバイル アプリを作成したりできます。
Azure チームは、Office 365 Video のバックエンドの開発にあたって、次のような目標を設定しました。
- リッチでわかりやすく、安全ですぐに使える企業向けビデオ ソリューションを提供すること。
- 魅力的で直観的なユーザー エクスペリエンスをモバイル デバイスとブラウザーの両方で実現すること。
- 主要なデスクトップ PC、ノート PC、タブレット、モバイル デバイスをサポートすること。
- 企業のビデオ資産を取り扱うソリューションとして、シームレスで安全なクラウド ベースのエンコード処理、ホスティング、および配信時の暗号化を実現すること。
Office 365 Video の概要
Office 365 Video はイントラネット用 Web サイト ポータルで、企業内のユーザーがビデオを投稿したり、閲覧したりできます。このサービスは Office 365 の SharePoint Online を利用する企業向けのストリーミング ビデオ サービスで、役員のコミュニケーションや授業、会議、プレゼンテーション、トレーニング セッションなどを記録したビデオを共有するための場所として活用できます。
Office 365 Video にコンテンツをアップロードすると、そのコンテンツは SharePoint により Azure Media Services にアップロードされます。ここで、状況に合ったスムーズな再生ができるように、コンテンツをさまざまな形式にエンコードすることで、ユーザーはデバイスと帯域幅に応じた最適なエクスペリエンスを得られます。再生処理はH.264 を基盤としていて、400 ~ 3,000 kbps の帯域幅では 720p の解像度で提供されます。再生中は常にサービスの品質を監視し、各クライアントで最適なエクスペリエンスを提供できるように2 秒ごとに調整します。また、一連の処理の中では、Azure Media Content Protection および AES-128 ビット暗号化技術により、ビデオは暗号化されています。さらにMedia Services では、ビデオのエンコード処理の他に、一定時間ごとにビデオのサムネイルを作成します。このデータは SharePoint でメタデータとして使用できます。
ビデオを効率的に、安全性を確保しつつ、スケールに合わせてストリーミング配信することは SharePoint にとって主要な課題です。企業向けターンキーソリューションとして、ぜひビデオをご活用ください。
Azure Media Services を使用する理由
Office 365 Video をマイクロソフトの長期的な取り組みのスタート地点として、Media Services と SharePoint を統合したビデオ再生機能を今後も充実させていきます。Media Services は、メディア ソリューションを効率的に構築し、ユーザーに配信することができるクラウド ベースの PaaS ソリューションです。このソリューションでは、迅速な情報収集、エンコード処理、形式変換、保存、コンテンツ保護、リアルタイムとオンデマンドの両方でのビデオのストリーミング配信などを行うために、すぐに使用できるサービスを提供しています。Media Services では、HTML5、Silverlight、Flash、Windows 8、iPad、iPhone、Android、Xbox、Windows Phone デバイスなどのあらゆるデバイスやクライアントに向けてソリューションを配信することができます。このサービスは、Smooth Streaming、HTTP Live Streaming (HLS)、MPEG-DASH ストリーミングなど、幅広い形式のストリーミング配信に対応しています。
簡単にまとめると、Office 365 Video では、アップロードしたビデオ ファイルのコード変換、Azure に保存されそこから再生されるビデオのホスト、および SharePoint ページでのビデオの表示に Media Services を使用しています。SharePointを使用すると、ユーザーはメディア資産をアップロードし、また互換性を気にせずにあらゆるブラウザーで最適なビデオを再生することができます。このサービスはMedia Services を基盤としているため、H.264 から MPEG-1、MPEG-2、MPEG-4、VC-1、DV、HQ、HQX に至るまで幅広い形式が利用可能な、Media Services と同じビデオ コーデックをサポートしています。オーディオは AAC、MP3、WMA の形式が使用可能です。また、入力ファイルの形式は.asf、.avi、.mod、.mts、.vob、.mp4、.mpg、.wmvなどがサポートされています。
Office 365 Video を使用する場合は、SharePoint Online が必要です。利用資格のあるお客様にOffice 365 Video がロールアウトされると、対象となっているプランのいずれかのユーザーで SharePoint Online のライセンスを割り当てられている方全員がソリューションをご利用いただけるようになります。先行リリースのご利用をご希望のお客様には、数日以内にOffice 365 Video が表示されるようになります。先行リリース以降の標準デプロイメント テナントへのデプロイは、2015 年初めに全世界で完了予定です。