Azure トラフィック マネージャーが Azure Web サイトと統合可能に
このポストは、3 月 27 日に投稿された Azure Traffic Manager can now integrate with Azure Web sites の翻訳です。
編集メモ: 今回は、Windows Azure Web サイト チームでシニア エスカレーション エンジニアを務める Jim Cheshireによる記事をご紹介します。
Azure トラフィック マネージャーがリリースされてからしばらくたちました。この機能は複数のリージョンにまたがってサイトを管理する場合に非常に便利で、訪問者のアクセスを最も高いパフォーマンスが発揮されるリージョンにルーティングしたり、プライマリ拠点で問題が発生したときに自動的にセカンダリ拠点にルーティングしたり、複数のリージョンでホストされている複数のコピーの Web サイトの間で負荷を分散したりできます。
先日、Azure Web サイトでもこのトラフィック マネージャーが使用できるようになりました。この記事では、この 2 つを連携させるための構成について説明します。
手順 1 - Azure Web サイトで複数のサイトを作成する
Windows Azure トラフィック マネージャー (WATM) を Azure Web サイトで使用する場合、複数のサイトをそれぞれ異なるリージョンで所有している必要があります。WATM では、1 つのリージョンで追加できる Web サイトは 1 つのみなので、この要件は重要です。また、標準レベルのサービスのサイトを使用している必要があります。
手順 2 - WATM プロファイルを作成する
WATM では、ユーザーが作成したプロファイルに従ってトラフィックをルーティングします。WATM プロファイルを作成するには、ポータルの左側にある [TRAFFIC MANAGER] ノードをクリックします。
以下に示すスクリーンショットは、トラフィック マネージャーのプロファイルを作成する様子です。ここでは、DNS のプレフィックスに cheshire を設定しました。この場合、WATM の URL は cheshire.trafficmanager.net となります。
負荷分散メソッドには [Performance] を選択しました。この負荷分散のメソッドは、WATM プロファイルを作成した後でも必要に応じて変更できます (他の負荷分散メソッドについては、 負荷分散メソッドに関する記事 (英語) で説明します)。
手順 3 - エンドポイントを追加する
WATM プロファイルを作成したら、次はエンドポイントを追加します。まず WATM プロファイルを選択し、次にポータルの上部の [Endpoints] リンクをクリックします。下のスクリーンショットに示すように、今回はサービスの種類に [Web Site] を選択しました。その後、WATM プロファイルに含める Web サイトをそれぞれチェックします。
エンドポイントには Web サイトとクラウドサービスを混在させることができる点に注意してください。この手法を使用すると、Web サイトから Web ロールに、またはその逆にアプリケーションをシームレスに遷移させることができます。
手順 4 - WATM プロファイルを構成する
プロファイルの構成は、ポータルに表示されている WATM プロファイルの [Configure] リンクから行います。この構成では、DNS の有効期限 (TTL) や負荷分散メソッドなどを設定できます。また、エンドポイントの可用性の監視に WATM プロファイルを使用する場合の、プロトコル、ポート番号、パスも指定できます。
最終手順 - サイトをテストする
これで WATM プロファイルの設定は完了し、Azure Web サイトのユーザーのサイトが指定されました。WATM の URL (この例の場合は cheshire.trafficmanager.net) にブラウザーでアクセスすると、指定したサイトが表示されます。このとき、先ほど構成した WATM プロファイルの負荷分散メソッドに従って、特定のエンドポイントが使用されます。
WATM の URL がユーザーのサイトのカスタム ドメインに自動的に追加されるため、Azure Web サイトは WATM の URL をユーザーのサイトにルーティングすることができます。下のスクリーンショットでは、設定した WATM の URL がカスタム ドメインとしてリストに表示されています。これは、サイトを WATM プロファイルにエンドポイントとして追加したときに、自動的に追加されたものです。
DNS ルックアップを実行する任意のツールを使用すると、WATM プロファイルの動作を直接見ることができます。この例の構成では、ユーザーが最高のパフォーマンスを得られる Web サイトに自動的にルーティングされるように WATM を設定しました。下のスクリーンショットは、WATM プロファイルの動作を nslookup で確認したものです。この例のクライアントには、米国東部で対応しています。黄色い字のテキストは、WATM が、米国東部のデータ センターにある Web サイトの DNS を返したことを示しています。
このクライアントが東南アジアのものであった場合、下に示すように、WATM は西日本のサイトにルーティングします。
まとめ
この記事でご紹介した内容は、WATM の機能のごく一部に過ぎません。WATM では、カスタム ドメインやさまざまな負荷分散メソッドを構成できます。詳細については、こちらのブログ記事 (英語) を参照してください。トラフィック マネージャーは、Azure Web サイトのお客様から長らくご期待いただいていた機能です。この記事が、この強力な新機能を活用するためのお役に立てることを願っています。