新しい Azure コンピューティング サイズ A10/A11 が登場
このポストは、3 月 5 日に投稿された New A10/A11 Azure Compute Sizes の翻訳です。
マイクロソフトは新たに 2 種類のコンピューティング集中型インスタンス サイズである A10 と A11 をサポートしたことを発表しました。このインスタンスは Virtual Machines と Cloud Services の両方ですぐに利用可能で、管理ポータル、PowerShell、Management API からデプロイすることができます。
最初に公開されたコンピューティング集中型インスタンス サイズである A8 と A9 には、並列 MPI アプリケーションを最大限に効率化するためのリモート ダイレクト メモリ アクセス (RDMA) テクノロジが導入されました。しかし A8/A9 インスタンスの高性能処理機能は、クラウド上で実行されるワークロードにとって欠かせない一方で、RDMA バックエンド ネットワークにはあまり適していないというご意見が多く寄せられていました。
これを受けて、RDMA バックエンド ネットワークを含まないコンピューティング集中型インスタンスを作成し、低料金で提供することになりました。これで Azure で実行するワークロードに応じて、最適なサイズとネットワーク機能をお選びいただけるようになります。
同レベルのパフォーマンスをリーズナブルな料金でご提供
A10/A11 のコンピューティング集中型インスタンスのパフォーマンスの最適化と仕様は、A8/A9 インスタンスと同じです。
サイズ |
コア数 |
CPU の種類 |
メモリ |
メモリの種類 |
A10 |
8 |
Intel® Xeon® E5-2670、2.6 GHz |
56 GB |
DDR3-1600 MHz |
A11 |
16 |
Intel® Xeon® E5-2670、2.6 GHz |
112 GB |
DDR3-1600 MHz |
唯一の技術的な違いは、前述のとおり、A8/A9 インスタンスには RDMA バックエンド ネットワークに接続された 2 つ目のネットワーク アダプターが含まれているという点です。このバックエンド ネットワークは、一部のハイパフォーマンス コンピューティング (HPC) ワークロードで必要とされるように、単一のクラウド サービス内のインスタンス間での低レイテンシと高スループット通信を実現します。
A10/A11 インスタンスは、A8/A9 インスタンスよりも低料金で提供されます。料金詳細については、Cloud Services の料金詳細ページと Virtual Machines の料金詳細ページをご覧ください。
ワークロードに最適なサイズを選択
A8/A9 インスタンスでは RDMA バックエンド ネットワークを利用できるため、インスタンス間での低レイテンシと高スループット通信を必要とする並列 MPI (Message Passing Interface) アプリケーションを実行する HPC ワークロードに適しています。最適なワークロードの例としては、コンピューターによる流体力学、衝突シミュレーション、油層シミュレーション、天気予報などが挙げられます。
一方、A10/A11 インスタンスは、インスタンス間で緊密な連携を必要としない HPC ワークロード (パラメトリック ワークロードまたは驚異的並列 (embarrassingly parallel) ワークロードとも呼ばれます) 向けに設計されています。例としては、金融リスク分析、画像および動画のレンダリング、ゲノム研究などが挙げられます。また、(たとえば、単一の A11 インスタンスで利用可能な 16 のコアに対して) 単一ノードのエンジニアリング解析を実行したり、エンジニアリング領域全体のパラメーター スイープを実行したりするためにも適しています。
リージョン別の提供状況
現在、A10/A11 インスタンスは、A8/A9 インスタンスが提供されているすべてのリージョンで提供されています。
米国
- 米国東部
- 米国西部
- 米国南中部
- 米国北中部
ヨーロッパ
- 北ヨーロッパ
- 西ヨーロッパ
アジア
- 東日本
関連情報
各種コンピューティング集中型インスタンスの詳細については、「A8/A9/A10/A11 コンピューティング集中型インスタンスについて (英語)」をご覧ください。また直接ご連絡いただき、皆様が Azure で行っているコンピューティング集中型の処理についてお聞かせいただければ幸いです。ご意見、ご要望については、メールをお送りいただくか、この記事のコメント欄までお寄せください。