Apiphany によるひらめき: Azure API Management の一般提供を開始
このポストは、9 月 10 日に投稿された The apiphany epiphany: GA’ing Azure API Management の翻訳です。
マイクロソフトは昨年 10 月、ワシントン D.C. に本社を置く、API 管理のスタートアップ企業 Apiphany 社の買収を発表しました。今回、この買収により導入された Azure API Management のプレビューが終了し、一般提供が開始されて SLA で 99.9% の可用性が保証されるようになります。
この買収の前に、私は同僚に対して API Management の説明を頻繁に行い、この新機能の価値をすばやく理解してもらえるようにさまざまなケースを想定したシナリオを作成しました。その中で、Apiphany によるひらめきとも呼ぶべき、新しい発見がいくつかありました。これらの発見は、すべてスケーリングおよびパートナーシップの促進に関するものでした。
パートナー エコシステムはインターネットの速さで成長
いわゆる「エンタープライズ」と言われる企業と共同で、またはその企業で仕事をした経験のある、IT ビジネスに携わる人ならだれでも、企業間 (B2B) プロジェクトにかかわるときには、プロジェクトの遂行プロセスが以前から変わっていないことにお気付きになると思います。通常、こうしたプロジェクトは両社の重役や経営幹部レベルの交渉から始まり、契約を作成して、ようやく API を構築して相手企業が使用できるように公開します。これはまったく新しいことではなく、数十年も前から変わっていません。このようなやり方は、過去のお客様や従業員の例を見返すと枚挙に暇がありません。
しかし、中には変化したこともあります。現在、ビジネスが変化する速度はますます速くなっています。このため、より迅速な対応が求められ、パートナーシップを短期間で有機的に形成する必要があります。SaaS エコシステムが爆発的に広まっていること、そして企業が最適な成長ソリューションをすばやく採用するようになっていることにより、統合作業は企業の開発者にとって朝食をとるように当たり前のことになっています。また、あなたの次のパートナーは大企業ではなくて、最初で行き詰っている1 人の開発者かもしれません。
大規模になっている現在のスケールに適応したパートナーシップを形成するうえで、俊敏性とオープン性への要求はさまざまな課題のもととなっています。その例を次に示します。
- API 自体とその動作についてパートナーのチームでトレーニングを行い迅速に理解を深めてもらうにはどのようにすればよいか。
- 自社にアクセスする数千、数万、または数十万という数のパートナーをどのようにして管理するか。
- パートナー側の導入プログラムの成否をどのように把握するか。
- 基盤となる中核のミッション クリティカルなシステムを不正使用や攻撃からどのようにして保護するか。
Azure API Management には次のような機能があるため、上記の問題すべての解決に役立ちます。
- 動的に生成される API のドキュメントおよびインタラクティブな API コンソールを開発者ポータルで提供しているため、非常に短い期間でパートナーが業務に活用できます。
- サイン アップや登録のほか、API やドキュメントに対するグループ単位のアクセス制御をパートナー自身が行えます。
- 包括的な分析機能により、API の使用状況、パフォーマンス、正常性、およびパートナーの使用状況を確認できます。
- ポリシー システムを構成することができるため、アプリケーションで帯域幅やクォータの制限などが行えます。
ビジネスとしての API
API は世に出てから、さまざまなビジネス モデルのトランザクションで利用されるようになりました。こうした重要な API は、現代のビジネスの成長にとって中核的な役割を果たしています。API の機能は、一般的に月額のサブスクリプション制または従量課金制で販売されます。この分野での課題は、パートナーが顧客である点以外は先に述べたこととまったく同様です。
API Management は、そのようなビジネス モデルにとって重要な課題に対応する高可用性ソリューションを提供します。Azure API Management の拡張 REST API を使用すれば、利用中のコマース プラットフォームと統合し、ビジネスを収益化することも簡単です。
社内での俊敏性とモバイル デバイス対応
一般的に、顧客のほかに社内の部署や従業員もパートナーとなります。存続期間の長さにかかわらず、ほとんどの企業には非常に多数の内部システムや API が存在し、それぞれに貴重なデータが含まれています。従来は、野心的な社内起業家や同種の部署が特定の問題を解決するのに必要なデータやサービスへのアクセス許可を取得する際に、多くの障害がありました。手続きがお役所的で時間の無駄が多かったり、保護やセキュリティ対策が不十分だったり、ドキュメントがろくになかったりというような状況で、そもそも各パートナーが API の存在を知ることができるという無理な前提に頼っていました。
さらに、モバイル アプリ対応への要求により企業内で新しい API が指数関数的に増加しているため、API の管理に対するニーズも高まっています。Azure API Management は社内の API の標準化および強力なプロジェクション機能を持つターンキー ソリューションであり、旧式の API を最新のもののように変更し、モバイル アプリに対応させることができます。
実際に、既に Azure API Management を大々的に採用して社内でのビジネスの俊敏性やサービスの検索性を大幅に向上させ、インターネットの速さで企業間の共同作業を実現している企業があります。
一般提供開始により 99.9% の SLA を保証、その他の新機能も
まだ API Management をご利用経験でないお客様は、ぜひこれを機に導入をご検討ください。今回の一般提供開始により、Standard レベルでは SLA で 99.9% の可用性が保証されます。また、Developer レベルの一般提供料金は 99 ドルと発表されていましたが、その半額の 49 ドルに固定されます。
さらに、開発者ポータルのインタラクティブなコンソールで新たに OAuth 2.0 がサポートされ、OAuth による認証をサポートするすべての API がサポートされるようになりました。
API Management についてさらに詳細な情報をご希望の方は、Azure API Management の入門用チュートリアル (英語) をお読みください。
また、Scott Hanselman と共同で Azure Friday シリーズのビデオを作成しました。このサービスをすばやくご理解いただける内容となっていますので、こちらもご覧ください。
Azure API Management 101 (英語) – 新しい Azure API Management サービスについて概説しています。Web サービスを既にご利用のお客様には、外部公開用の Web サービスで API Management がどのように役立つかをご説明します。 |
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Azure API Management 102 (英語) – 外部公開用の API のカスタマイズ方法、開発者ポータルの詳細、およびポータルの外観を企業のブランドに合わせて変更する方法などのカスタマイズ オプションについて説明しています。 |
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Azure API Management 103 (英語) - お客様の API に適用可能な変換機能や、パートナーと API 発行者の両方が使用可能な分析機能など、Azure API Management の機能についてさらに詳しく説明しています。 |