Visual Studio Code、Visual Studio 2015 RC、Application Insights パブリック プレビュー版、Linux と Mac 対応の .NET Core プレビュー版のご紹介
本記事は、マイクロソフト本社の Somasegar's blog の記事を抄訳したものです。 【元記事】Introducing Visual Studio Code, Visual Studio 2015 RC, Application Insights Public Preview and .NET Core Preview for Linux and Mac 2015/4/29 2:00 PM |
今日、モバイルおよびクラウド プラットフォームを対象とした開発を行う場合には、これまで以上に多様な選択肢の中から必要なものを選定するということが重要になります。開発者の方がクライアントに iOS、Android、Windows を選んだ場合でも、サーバーに Windows または Linux を選んだ場合でも、あるいはさまざまな言語やフレームワークを利用することにした場合でも、マイクロソフトは、開発者の皆様が今日抱えている多様なニーズに対応可能な開発者向けツールとサービスを提供する必要があります。
昨年 11 月、多様なアプリケーションを開発するすべての開発者に優れたツールを提供するために、マイクロソフトの開発者向け主力ツールの全機能を備えた無料の VS エディション Visual Studio Community のリリース、および .NET Core のオープン ソース化とクロス プラットフォーム対応 (英語) という 2 つの重要な取り組みを発表しました。
それから 6 か月の間に、これらの取り組みには大きな反響がありました。Visual Studio Community のダウンロード数は 270 万件を突破し、開発者の皆様や組織によるエコシステムがオープン ソースのクロス プラットフォームの .NET 開発に参加し始めたのです。
しかし、マイクロソフトの取り組みはこれだけでは終わりません。本日、マイクロソフトは以下のリリース情報を発表しました。
- Visual Studio Code: 最新の Web およびクラウド アプリケーション開発に利用できる、Mac OS X、Linux、Windows 対応の新しい無料のクロス プラットフォーム コード エディターです。
- Visual Studio 2015 RC: 新しい生産性機能と診断機能、ユニバーサル Windows アプリケーションの開発用ツールを備えた、Windows、Linux、iOS、Android のクロス プラットフォーム開発をサポートするソリューションです。
- Application Insights: iOS および Android アプリのクラッシュ分析を可能にする HockeyApp のクロス プラットフォーム機能の統合などにより、デバイス、Web、サーバーのアプリケーションの統計情報をあらゆる角度から把握できます。今回、パブリック プレビュー版の提供が開始されました。
- .NET Core: Linux および Mac 対応の .NET Core ランタイム ディストリビューションのプレビュー版の提供が開始され、クロス プラットフォームの重要なステップが達成されました。
これらのリリースもまた、多様な開発環境でさまざまなアプリケーションの開発を行っている開発者の皆様に必要なツールとサービスを提供するという、マイクロソフトの重要な取り組みの 1 つです。
Visual Studio Code プレビュー版の概要
今日では、多くの開発者の皆様が、主要なアプリケーション開発環境として軽量なコード エディターやコマンドライン中心の開発ワークフローを採用しています。そこで今回マイクロソフトは、最新の Web およびクラウド アプリケーションの開発に利用できる、Mac OS X、Linux、Windows 対応の新しいクロス プラットフォーム向け無料コード エディター Visual Studio Code (英語) のプレビュー版の提供を開始しました。
Visual Studio Code では、最新のテキスト エディターの最適化された UI と、高度なコード アシスト機能、ナビゲーション機能、統合されたデバッグ機能とを組み合わせた新しいアプローチによって、エディター中心、コード中心の開発者向けツールを実現しています。
Visual Studio Code は、日常での利用に適した強力で高速なコード エディターです。Visual Studio Code のエディターには、カスタマイズ可能なバインド、構文の強調表示、閉じ括弧の自動補完、自動インデント、スニペットといったキーボード操作を支援する機能が多数含まれているほか、さまざまな言語をサポートし、また、サイズの大小を問わずにファイルを瞬時に開くように拡張できます。
Visual Studio Code のエディターでは、コード アシスト機能、コード ナビゲーション、lint の実行、リファクタリングなど、従来のテキスト エディターを超える高度なコーディングが可能です。また、Git を認識し、優れた Git ワークフローとソースの差分比較がエディターに統合されています。
もちろん、開発者の作業はコードの記述だけではありません。コーディングとデバッグを繰り返し行う必要があります。デバッグは Visual Studio で最も高く評価されている機能で、多くの開発者が軽量なコード エディターへの追加を望んでいる IDE 機能でもあります。Visual Studio Code には統合された効率的なデバッグ機能が含まれています。現在は、Node.js のデバッグをサポートしていますが、今後さらなるサポートが追加される予定です。
Visual Studio Code はツールのサービス アーキテクチャを活用し、C# および TypeScript の高度なコード分析をサポートします。OmniSharp (英語) および TypeScript Server (英語) プロジェクトのテクノロジを利用した Visual Studio Code の言語サービスは、オープン ソースのプロジェクトとして提供され、Sublime Text、Vim、Atom など、他の多数のエディターに統合できます。今後のプレビューでは、Visual Studio Code の拡張モデルが公開され、Visual Studio Code とさらに幅広い言語の高度な統合が可能になります。
Visual Studio Code には、Web テクノロジ、ネイティブ テクノロジ、言語固有のテクノロジのそれぞれ一番よいところが取り入れられています。Visual Studio Code は、クロス プラットフォームのデスクトップアプリケーション シェルである Electron (英語) (旧称 Atom Shell) を基盤とし、Node.js、HTML、TypeScript、CSS を使用して構築されています。マイクロソフトのエンジニアリング チームは、GitHub、Facebook、Slack などのエンジニアと共に Electron プロジェクトに貢献しています。また、Visual Studio Code では、Azure Websites、OneDrive、Internet Explorer の F12 ツールなどに使用されている “Monaco” コード エディターに採用された業界向けの HTML ベース エディターの新しい高速なバージョンを使用しています。
Visual Studio Code プレビュー版は、こちらのページ (英語) からダウンロードできます。
Visual Studio 2015 RC
Visual Studio 2015 では、モバイル、Web、サーバー、クラウド開発用のさまざまなプラットフォームを対象として、新しい開発者向けツールが提供されます。本日、Visual Studio 2015 リリース候補版 (RC) のダウンロード提供が開始されました。これには、Visual Studio 2015 を運用環境に展開できる Go-Live ライセンスが含まれています。
Windows エコシステムを対象とする開発向けには、スマートフォン、タブレット、PC、Xbox、IoT、HoloLens といったあらゆる Windows 10 デバイスで稼働するユニバーサル Windows プラットフォーム用のアプリやゲームを開発するための優れたツールが提供されます。新しい UI デバッグ ツール、改良された XAML デザイナー、強化されたプロファイリング機能とデバッグ機能により、Windows 向けのアプリ開発がこれまで以上に簡単になります。
モバイル開発向けには、Android、iOS、Windows など、今日普及しているあらゆるモバイル プラットフォームで動作するクロス プラットフォーム アプリの開発用ツールが提供されます。Visual Studio により、Apache Cordova (英語)、Xamarin (英語)、C++ (英語) を使用したプラットフォームを開発の対象にすることができます。
Web およびサーバー開発では、 Python や Node.js 用のツールや、C#、Visual Basic、F# などの .NET の言語オプションを利用したアプリケーション開発用に、引き続き多数の選択肢が提供されます。
新しいプラットフォームのサポートに加えて、Visual Studio 2015 には開発者向けに多数の生産性機能と診断機能が追加されています。改良された点は多数ありますが、中でも重要なものとして、新しい診断ツールウィンドウが挙げられます。既定で有効になっている診断ツール ウィンドウには、通常のデバッグ セッション中の主要なパフォーマンスとメモリ使用量に関する情報が表示され、開発サイクルの初期の段階でアプリケーションのパフォーマンスに関する情報を把握することができます。
また、今日多くの開発者の皆様が Visual Studio でオープン ソース プロジェクトに取り組んでいることから、Visual Studio の Team Explorer に GitHub を統合して、Visual Studio に統合された使い慣れたソース管理機能から GitHub のオープン ソース プロジェクトに簡単にアクセスできるようにしました。しかもこの機能は、マイクロソフトと GitHub のチームによって共同開発されています。
Visual Studio 2015 RC は、こちらのページからダウンロードできます。
.NET 2015
本日マイクロソフトは、完全な .NET Framework 4.6 RC および .NET Core 5 のプレビュー版の提供開始と、Linux と Mac OS X に対応する .NET Core ランタイムおよびライブラリのプレビュー リリースを発表し、.NET 2015 のビジョンにおける大きなステップを踏み出しました。
Visual Studio 2015 RC と .NET Framework 4.6 RC では、WPF 開発者向けの新しいツールが多数提供されると共に、WPF ランタイムの安定性、パフォーマンス、機能が強化されました。
.NET Core はマイクロソフトによって実装およびサポートされ、.NET Foundation の下で .NET のクロス プラットフォームを採用した個人および組織の活発なコミュニティの協力を得て、GitHub の一連のオープン ソース プロジェクト (英語) として開発されました。昨年 11 月に .NET Core のオープン ソース化の取り組みを開始して以来、新しい機能、新しいプラットフォーム、新しいコミュニティの参加が迅速に実現するなど、プロジェクトは順調に進行しています。
本日、Linux および Mac OS X 対応の .NET Core の早期プレビュー (英語) の提供が開始され、開発者の皆様にお試しいただけるようになりました。
また、.NET 2015 の取り組みの一環として、最も重要なアーキテクチャの更新である ASP.NET 5 がリリースされました。今回の更新では、ASP.NET の軽量化、モジュール性の向上、クラス プラットフォーム対応、クラウドへの最適化が行われました。ASP.NET 5 は Windows、Linux、Mac OS X で動作し、.NET Core を基盤として構築されています。現在、ASP.NET 5 RC の提供が開始されているほか、ASP.NET 5 のツールが Visual Studio 2015 RC および Visual Studio Code の一部として提供されています。
Application Insights のパブリックプレビュー
本日、Visual Studio Online Application Insights のパブリック プレビュー版の提供が開始されました。Application Insights はさまざまなアプリケーションを開発するあらゆる開発者向けの分析ソリューションで、アプリケーションのパフォーマンス、可用性、使用状況をあらゆる角度から包括的に把握することができます。今回のパブリックプレビューでは、アプリごとの統計情報の分量に基づき、フル機能の Free 料金レベルを提供することを目的とした、新しいクラウド対応型の料金モデルを開始しました。
Application Insights は当初、ASP.NET と Windows のアプリ開発者に優れた分析機能を提供するために設計されたものでしたが、今回、幅広いプラットフォームの標準サポートが追加されました。高度な J2EE サーバー アプリから、HockeyApp の業界最先端のクラッシュ分析に基づく iOS および Android デバイス アプリの分析、Node.js、PHP、Python、Ruby、WordPress のすべてのサポートが GitHub でオープン ソースとして公開 (英語) されています。
Application Insights では、直観的なビューと強力なツールを利用して迅速にトラブルシューティングと診断ができるほか、ユーザーのアクティビティと導入率を分析し、分析情報に応じて将来の投資の優先順位を決定することが可能です。また、Visual Studio、Eclipse、XCode などのさまざまな IDE と簡単に統合できます。
Application Insights のパブリック プレビュー版は、こちらのページで提供されています。
まとめ
本日のリリースには、あらゆる開発者とアプリケーションに優れたランタイム、ツール、サービスを提供するためにマイクロソフトがこれまで行ってきた取り組みの成果が盛り込まれています。
Visual Studio Code では、OS X、Linux、Windows に対応したエディター中心、コード中心の開発者向けツールが提供されます。Application Insights では、さまざまなクライアントとサーバーのテクノロジについて、アプリケーションのパフォーマンス、可用性、使用状況をあらゆる角度から把握できます。Visual Studio 2015 RC では、Windows、クロス プラットフォームのモバイル開発に対応した多数の Web テクノロジとサーバー テクノロジ用の優れたツールを運用環境で利用できます。そして .NET 2015 では、Windows、Linux、Mac 対応の .NET Core および ASP.NET 5 のオープン ソース化が実現します。
これらのリリースの詳細については、visualstudio.com の情報をご覧ください。また、Build 2015 のセッションの録画はこちら (英語) でご覧いただけます。各機能の最新情報については最近公開した Connect(“on-demand”); 機能紹介動画 (英語) をご覧ください。
Namaste (それではまた) !