メモ革命(その3) - 議事録編
そんなこんなで,我が北陸支店は,これまでのノート,手帳を禁止にし,全員で OneNote を使うことにしました.
全員が同じソフトウェアを使うことで情報共有のスピードが上がるのは,グループウェアと同じです.そして自由な手書きから,構造化されたフォーマットまで柔軟な記入スタイルを取れるのは,これまでのノートと同じです.
これは非常に重要な要素で,僕らが Liquid & Solid Structure(通称L&S Structure)と呼んでいる 「自律的な有機性」 (※1)を有するプラットフォーム構造です.合言葉は 「OneNote を Office の1オプションとあなどるなかれ」 です.ぜひ毎朝声に出して読みたい日本語です.「OneNote を Office の1オプションとあなどるなかれ」.
(※1 )自律的な有機性<->統合的な自律性 今度あらためて説明します
では,ここからは当支店が進化した順を追って,どのように OneNote の使い方をマスターし,L&S Structure を作り上げたか見ていきましょう.
◆議事録編
まずは 「ちゃんと議事録を取ろう」という,当たり前だけど,案外しっかりと考えてこなかった領域に改革のメスを入れることにしました. 現在北陸支店で利用している議事録はちょっと長いですが,次のようなイメージになります.
わざわざ時間を取って会議をするわけですから,会議にはちゃんと意味があります.それは聞くべきことを聞き,伝えるべきことを伝え,何かを決定/合意することです.そこに抜け漏れがあると,せっかく時間を取って会議をした意味がなくなってしまいます. そう考えると僕自身これまで1回1回の会議を本当に大事にしていたかどうか今一度自分に問い直してみると,残念ながら「あれ聞くの忘れた」「これって何のことだっけ」ってあとから思うことだらけです.貴重な会議の場を大いに無駄にしていました.
これ痛恨の極みです.
だから聞き忘れがちなことや,聞かなきゃいけない重要な項目を少しずつテンプレートにしていったわけです.そうすると次第によくありがちな単純な議事録フォーマットとは一味違った自分や自分のチームだけの議事録テンプレートが出来上がってきたわけです. そしてチームメンバみんなが同じ議事録フォーマットを使うことで,議事録は高品質化し,その情報が持つ価値は飛躍的に増大したのです.
基本情報
基本情報は会議の開催日時や場所,参加者,議題などを書きます.少し特徴的なのは僕らは名前だけでなく,座った席の場所も議事録の中に書いていることでしょうか.可能であれば写真も撮って貼り付けちゃいたいくらいです.次回の会議と,それまでのタスク
ここは議事録の最後に記述する部分になりますが,次回の会議と,それまでにやらねばならぬことをタスクとしてまとめておきます.議事録自体がちと長いので,いちいち下の方までスクロールするのも面倒だしってことでこれらの情報は前半に配置されています.タスクの横にフラグ(旗)が立っていますが,これはOutlookのスケジューラと相互に連携されていて,自分のタスク一覧としてOutlook側から参照および修正をすることができます.これまでこのような議事録と手帳は別に管理していましたが,今では一括管理です.発言状況の確認
商談の中では自社製品に対しポジティブに考えて頂いていることや,ありがたいお言葉を頂くこともあれば,耳に痛いお言葉や,懸念と思っていることなど,とにかく様々な情報が順序,内容関係なく飛び出します.こういうものをとりあえず何も考えずにメモっていくわけです.ミーティング直後には,ここのボリュームが一番大きいこともあります.全体概要
ここからは議事録だけでなく 「報告書」 という要素がでてきます.3で発言内容からメモった様々な情報のうち,重要なこと,決定したこと,合意したことを書きます.お隣の箱には,今回のミーティングで使用したファイルがひっついてます.これまでこれらのファイルは共有サーバやグループウェア上に置かれていました.それが会議の情報と同じ場所に置いてあるわけです.つまり今では一括管理です. 以前のエントリーで書いた通り,気をつけなければ,知らないうちに情報はどんどん分散していきます.気がついたら共有サーバ上の「月別の見積もりフォルダ」がエクセルの山になっていたり,製品別フォルダに製品資料が溢れていたりしませんか? 商談で使った見積書や製品資料をいつでも議事録からクリックひとつで開けるようにしておくだけで,随分と無駄がなくせますよ.これまじっす.詳細の情報を要素別に分けてみる
情報を要素別に分けることは大変重要です. それは自分がちゃんと聞くべきことを聞いたかどうか,マネージャの立場からすると,ちゃんと聞くべきことを聞いているかどうかが,読まなくても「見る」だけでわかります. ここではおカネ,予算に関する記入がすっぽりと抜けています.一目で「あれ?なんで予算に関する項目が書かれてないんだ?」ということがわかります.読まなくてもわかります.そして各要素について懸念事項や,現状の課題をリストアップしておくと,随分と対策が立てやすくなります.
これらの要素分解をミーティングの最中に,記事録を書きながらできると良いのですが,実際にはプレゼン資料や,見積もり資料をプロジェクタに映しながら,となると自分のPCだけでは厳しい場合もあるでしょう.なので実際にはノートに書き留めておいて,会社に戻ってからまとめる,という手順になるでしょう.理想的には2名体制でミーティングに臨むのが良いです.
課題の傾向と対策
5の中で色々な情報がわかりました.時間がかなり少ないこと,担当者が変わってしまうこと,実績やおカネに関することなど,そのような課題に対して商談チームは,それが起きた原因とその対策を考えなければならないのです.これまたマネージャの視点からすると,この商談ではこれからチームがどのような作業をし,その中でどこに困難がありそうか,という状況把握が圧倒的に早くなります.早く報告があれば,早くケアをすることが可能になるのです.逆にこのように解決すべきハードルをしっかりと洗い出さないまま,課題の共有をしないまま商談を続けてしまうと,どんどん後手に回ることになり,ミーティングの回数もどんどん増えていくという状況になりかねません.結局はお客さん側もフラストレーションがたまり,イライラさせてしまうことになり,こっちは次々に現れる課題に対してんてこ舞いになり,しまいには「あそこのお客さんはわがままだ」なんてイメージを持つことになってしまうのです.
たかがミーティングと思わず,ちゃんと話し合った内容を記録し,自分のため,チームのために,その情報を共有する.無駄のないコミュニケーション基盤は結果的にお客さんへの素早いサービスとサポートの提供につながるのではないでしょうか.
マイクロソフト 北陸支店~最強の仕事術~
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Comments
- Anonymous
November 26, 2008
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