“System Center 2012 Integration Guide - Virtual Machine Manager” が公開されました
日本マイクロソフト System Center Support Team の宮崎です。今回は、先日公開された “System Center 2012 Integration Guide - Virtual Machine Manager” について、簡単に紹介したいと思います。ガイド自体は、以下の URL で公開しています。
“System Center 2012 Integration Guide - Virtual Machine Manager”
こちらのガイドでは、System Center 2012 Virtual Machine Manager (以下、SCVMM) をSystem Center 2012 シリーズの別製品と連携させてプライベート クラウドを構築するための情報がまとめられています。今回は SCVMM を中心にまとめた構成になっていますが、同様のガイドが他の System Center 2012 製品群についても公開される予定です。
以下では、ガイドの概要を簡単にまとめます。詳細については、上記の URL を参照してください。
1. Product Overview
SCVMM と関連するコンポーネント (Powershell, Console) が、他の製品や OS 等とどのように連携するかを示す概要図がまとめられています。
2. Role in the Microsoft Private Cloud
Microsoft 製品で構築するプライベート クラウドにおいて、SCVMM が各レイヤーにてどのような役割を担うかが表にまとめられています。さらに詳細な情報は、こちらで公開されています。
3. Programmability
他のアプリケーションから SCVMM の機能を利用する方法として、Powershell Cmdlets と Console add-ins が紹介されています。
3.1 Windows Powershell Cmdlets
SCVMM では SDK を提供していない代わりに、VMM Cmdlets を利用してすべての機能やデータにアクセスすることが出来ます。ここでは、Cmdlets を利用するための方法や参考資料へのリンクがまとめられています。
3.2 Console Add-ins
Console Add-ins を追加することで、SCVMM コンソールにボタンを追加することができます。ボタンをクリックすることで、外部のアプリケーションを呼び出したり、カスタムで作成したビューを表示したりすることが可能です。機能の概要や Console Add-ins の種類についてまとめられています。
4. Integration Points
SCVMM と連携させることの出来る外部機能として、Storage 、Load Balancer 、Out of Band Management 、Virtual Switch 、Virtual Gateway について紹介されています。
4.1 Storage
SCVMM が外部ストレージ機器と連携する方法として、SMS-S プロバイダと SMP (Storage Management Provider) が紹介されています。SMP は Windows Server 2012 から導入される機能であり、これを利用するためには System Center 2012 SP1 のリリースを待つ必要があります。
4.2 Load Balancer
Load Balancer (以下、LB) を SCVMM と連携させた場合、LB は SCVMM のリソースとして設定されます。連携を実現させるためには、それぞれの LB を管理するための Powershell モジュールを用意する必要があります。
4.3 Out of Management (帯域外管理)
帯域外管理専用のチャンネルを利用して、電源のオン/オフや OS のインストール状態に関わらず、対象システムを管理するための機能です。SCVMM によるベアメタル インストールや、消費電力最適化のための電源オン/オフのために利用されます。SCVMM は Intelligent Platform Management Interface (IPMI) もしくは System Management Architecture for Server Hardware (SMASH) を実装しているシステムと直接連携することができます。
4.4 Virtual Switch
Windows Server 2008 時点でも Virtual Switch 機能は実装されていますが、Windows Server 2012 ではサード パーティが Virtual Switch Extensions を開発して監視やフィルタリング、パケットのフォワードといった機能を Virtual Switch に追加できるようになります。SCVMM 用の support profile が Virtual Switch Extensions と併せて提供されていれば、拡張機能も含めて SCVMM と連携させることが出来るようになります。
4.5 Virtual Gateway
Windows Server 2012 で新たに追加される Virtual Gateway についても、System Center 2012 SP1 から SCVMM と連携させることが出来るようになります。
5. System Center Integration
System Center 2012 製品群との連携ということで、Operations Manager 、Service Manager 、Orchestrator との接続についてまとめられています。
5.1 Operations Manager
Operations Manager (以下、SCOM) との連携方法として、Monitoring Pack を利用して SCVMM が認識したオブジェクトの情報を SCOM が取り込むまでの流れと、そうして取り込まれた情報をベースとして Performance and Resource Optimization (PRO) が動作する際の概要がまとめられています。
5.2 Service Manager
Service Manager (以下、SCSM) 用の SCVMM Connector を経由して、SCSM と SCVMM が連携する際の概要についてまとめられています。実現するためには、SCOM によるオブジェクトの検出も必要になります。
5.3 Orchestrator
SCVMM 用の Integration Pack を Orchestrator に導入することにより、SCVMM の処理を呼び出す Runbook を Orchestrator で定義することが出来ます。Activity として既定で用意されていない SCVMM の処理を Runbook に組み込みたい場合には、Powershell スクリプトを作成して、”Run .Net Script” Activity を利用することもできます。Runbook については、こちらをご参照ください。
今回ご紹介する内容は以上となります。他の System Center 2012 製品についてIntegration Guide が公開された場合には、また紹介したいと思います。
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