SCOM 2007 R2 のアラートメール配信の試験手順
マイクロソフト株式会社マネージャビリティ サポート チームの佐々木です。
今回は、SCOM 2007 R2でアラートのメール配信をテストするための一連の手順をご紹介したいと思います。
アラートが出力された際にメールを配信するように設定しておくことで、重要なアラートの発生をより早く確実に知ることができるようになります。
テスト内容
-----------------------------------------------------------------------
DHCP client のサービスが停止した場合にアラートを生成し、アラートをメール配信する
-----------------------------------------------------------------------
SCOM管理コンソールで以下の設定を行います。
A.) テスト用のモニタの作成
B.) チャンネルの設定(SMTPサーバーの設定)
C.) 受信者の作成
D.) 配信登録の作成
A.) テスト用のモニタの作成
==================================
DHCP client のサービスが停止した場合にアラートを生成するモニタを作成します。
モニタは試験対象の監視対象のコンピューターに対してのみ有効にします。
1.) [作成]ペインを開きます。[管理パックオブジェクト] -> [モニタ]をクリックします。
2.) [スコープの変更]をクリックします。
ターゲット内の [Windows コンピュータ]にチェックを入れて[OK]をクリックします。
3.) [Windows コンピュータ] -> [エンティティのヘルス] -> [可用性]を開きます。
4.) [可用性]の上で右クリックし[モニタの作成] -> [ユニットモニタ]をクリックします。
5.) [ユニットモニタの作成]ウイザードが開きます。
[モニタの種類]
作成するモニタの種類を選択:
「Windows サービス」 -> 「基本サービスモニタ」を選択します。
管理パック:
任意の管理パックを選択します。
可能であれば [既定の管理パック] ではなく、専用に作成した管理パックに保存されることを推奨いたします。
[全般]
名前:
任意の名前を入力します。
モニタを有効にする:
チェックを外します。
後の手順で上書きによって試験対象の特定のコンピューターに対してのみ有効化します。
※他の項目は既定の状態とします。
[サービスの詳細]
コンピュータ名: dhcp client サービスが存在している任意のコンピューターを選択します。
サービス名:<表示名> DHCP Clientを選択します。
[ヘルスの構成]
既定の状態とします。
[アラートの構成]
アラートの設定
このモニタのアラートを生成する:
チェックを入れます。
モニタが正常な状態に戻った時点で自動的にアラートを解決する:
チェックを入れます。
アラートのプロパティ
アラート名:
任意のアラート名を設定します。
アラートの説明:
既定の状態とします。
6.) [作成]ボタンをクリックします。
7.) 作成したモニタ上で右クリックし、[上書き] -> [モニタの上書き] -> [クラス Windowsコンピューターの特定のオブジェクト] を選択します。
8.) [オブジェクトの選択画面] で [一致するオブジェクト] から今回試験を実施する監視対象のコンピューターを選択し、[OK]をクリックします。
9.) [上書きのプロパティ画面] で [パラメータ名] "有効にする" の [上書き値]を "真" に変更し [上書き]チェックボックスを ONにします。
10.) [OK]をクリックします。
以上でテスト用モニタの作成は完了です。
B.) チャンネルの設定(SMTPサーバーの設定)
==================================
メール通知で利用するメールサーバーを指定します。
1.) [管理]ペイン内の [通知] -> [チャンネル]をクリックします。
2.) [アクション]内の [新規] -> [電子メール]をクリックします。
[電子メールの通知チャンネル]ウイザードが開きます。
3.) [説明]項目で、[チャンネル名]に任意の名称を入力し[次へ]をクリックします。
4.) [設定]項目で、[追加]をクリックして利用するSMTPサーバー及びポート番号を指定します。
[返信先アドレス]に、メール通知の返信先アドレスとなるメールアドレスを指定し、[次へ]をクリックします。
5.) [形式]項目は既定の状態として、[完了]をクリックします。
以上でチャンネルの設定は完了です。
C.) 受信者の指定
===================================
メールの受信者の設定を行います。
1.) [管理]ペイン内の [通知] -> [サブスクライバ] をクリックします。
2.) [アクション] 内の [新規]をクリックします。
3.) [通知サブスクライバ ウイザード]が開きます。
a. [説明]
サブスクライバ名: この受信者の表示名を入力します。
※例えば「user1」など。
※この受信者の表示名となります。
b. [スケジュール]
通知を送信する必要がある期間をスケジュールする場合は、[指定した期間のみに通知を送信する] をクリックし、日付の範囲を作成します。
4.) [サブスクライバアドレス]項目で「追加」をクリックし[サブスクライバアドレス]ウイザードを開始します。
a. [全般]
アドレス名に任意の表示名を設定します。
b. [チャンネル]
以下の通り設定します。
チャンネルの種類:電子メール(SMTP)
選択したチャンネルの配信アドレス:user1@domain.com など
※この電子メール アドレスが、通知受信者に送信される各電子メールメッセージの [差出人] ボックスに表示されます。
c. [スケジュール]
既定のスケジュールのままにするか、この通知のみに適用するスケジュールを設定して、[次へ] をクリックします。
5.) 新しい受信者が [サブスクライバ] ウィンドウに表示されます。
以上で受信者の設定は完了です。
D.) 配信登録の作成
===================================
通知メッセージの配信の登録を行います。
1.) [管理]ペイン内の [通知] -> [配信登録] をクリックします。
2.) [通知の新しい配信登録]をクリックし、[通知配信登録の作成ウィザード]を開始します。
以下のように進めます。
a. [説明]
配信登録名:この配信登録の名前を指定します。
b. [条件]
配信登録の条件:
以下に従い設定します。
1.「特定の(例:ソース)ルールまたはモニタによって作成された」にチェックを入れます。
2. [特定の]をクリックします。「モニタとルールの検索」ダイアログが開きます。
3. 検索ボタンをクリックして手順 A. で作成したモニタを選択して、追加し、[OK]をクリックします。
c. [サブスクライバ]
[追加]をクリックし、手順C.で設定したサブスクライバを設定します。
d. [チャンネル]
[追加]をクリックし、手順B.で設定したチャンネルを設定します。
e. [概要]
[この通知配信登録を有効にする]にチェックを入れて[完了]をクリックします。
以上で配信登録の設定は完了です。
E.) テストの実施
=================================
監視対象のコンピューターでDHCP Client サービスを停止し、アラート生成及びメール配信が実施されることを確認します。
1.) 監視対象のコンピューターのサービスから "DHCP Client" サービスを停止します。
2.) SCOM管理コンソールの「アクティブなアラート」に当該アラートが生成されていることを確認します。
3.) 併せてメール通知が実施されていることを確認します。
手順は以上となります。
この方法を応用して他の通知を設定すれば、アラートに応じてバッチコマンドを実行したり、IM でアラートの情報を配信したりすることもできます。