DPM 2010 のロールアップ パッケージの最新版 (2012 年 2 月版) が公開されました。
こんにちは、System Center サポート部の石井です。
DPM 2010 の最新のロールアップ更新プログラムが公開されましたので、ご紹介いたします。
hotfix that enables interoperability with Microsoft System Center Data Protection Manager 2012 RC is available for System Center Data Protection Manager 2010https://support.microsoft.com/kb/2615782/en-us (英語版)https://support.microsoft.com/kb/2615782/ja-jp (日本語機械翻訳版)
ダウンロード:
https://www.microsoft.com/download/en/details.aspx?displaylang=en&id=27218
現在 RC (リリース候補) 版公開中の DPM 2012 の新機能により、DPM サーバーの集中管理が可能となっています。本修正プログラムは、当集中管理を DPM 2010 サーバーに対しても行うための互換性向上を目的としたものです。また、いくつかの DPM 2010 の既知の不具合の修正も含んでいますので、安定性向上の為に適用いただくこともお奨めいたします。
修正内容の抄訳は以下となります:
1. MOSS 2010 のサーバーにおいて、サードパーティ製品がインストールされてる場合に保護出来ない事象
2. MOSS のバックアップが完了しているにもかかわらず、アイテム単位の回復に失敗することがある。
3. DPM のクライアント コンピュータ保護を使用している場合、クライアント コンピュータの起動時にバックアップが動作し、クライアントの起動動作が遅くなる。
4. SQL DB の保護を行っている環境で、NDF ファイルが 1240 個を超える場合、初期バックアップが完了せず、12 時間後にバックアップがタイムアウトして失敗する。
5. レプリカ ボリュームの容量が不足した状態で、バックアップ対象のクライアントを追加すると、UI が応答しなくなる。
(修正済みの問題は上記技術情報 2615782 の "Issues that this hotfix resolves" セクションをご参考下さい。)
- サーバー側のアップデート適用手順:
アップデートにあたっては、DPM サーバーに、事前に以下の OS の修正プログラムを適用しておく必要があります。
この OS の修正プログラムは、ダイナミック ディスクを使用している場合に、VSS が正しく動作しないことがある、という事象の修正となっており、DPM サーバーにおいてこの事象を回避することは非常に重要となります。
この修正プログラムの適用を完了するには、システム再起動が必要となります。
つまり、以下の OS の修正プログラム適用 → システム再起動 → DPM の修正プログラムの適用 → システム再起動の順番で行う必要があります。
Windows Server 2008 R2 の場合
Event ID 82 may be logged in the System log after you extend the protected dynamic volume on a Windows 7-based or Windows Server 2008 R2-based computer
https://support.microsoft.com/kb/2223201
Windows Server 2008 の場合
Event ID 82 may be recorded in the System log after you extend the protected dynamic volume on a computer that is running Windows Vista or Windows Server 2008
https://support.microsoft.com/kb/2279787
※ DPM の保護対象側には、上記修正プログラムの適用は不要です。
DPM の修正プログラムの適用手順をご紹介いたします。
まずは、DataProtectionManager2010-KB2615782.exe をダウンロードし、DPM 2010 サーバー上で実行します。
1. Welcome 画面が表示されますので、Next をクリックします。この画面では、DPM の進行中のジョブがあった場合、当修正プログラム適用のために失敗してしまうという注意と、DPMDB のバックアップが行われる旨が記載されています。
2. 続いて、EULA 画面が表示されますので、"I accept" にチェックし、Install をクリックします。
3. しばらくお待ちいただくと、インストールが完了します。
4. Microsoft Update を利用するか、といった選択肢が表示されますので、適宜選択の上、ウィザードを完了して下さい。
5. システムを再起動します。※バックアップ ジョブ実行中以外でしたら、DPM サーバーのシステム再起動はいつでも行っていただけます。今回は修正プログラム適用にあたり、バックアップ ジョブも停止しているはずですので、修正適用後、すぐに再起動をして下さい。
- エージェント側のアップデート適用手順 :
続いて、DPM エージェントのアップデートです。(アップデートをしなくても、バックアップ・リストアは可能ですが、修正点は反映されません。保護対象の再起動は不要ですので、なるべく早いタイミングにて、行って下さい。)
DPM エージェントのアップデートは、DPM エージェントのインストールと同じステップとなります。
もちろん、[DPM 2010 管理者コンソール] - [管理] タブ - [エージェント] タブからのプッシュ アップデートも可能ですが、Windows ファイアウォールや、その他ファイアウォールが存在する環境だと失敗しますので、手動アップデートが確実です。手動アップデートの場合、実行後に整合性チェックが必要となる場合がありますので、ご注意下さい。
ここでは、手動アップデートの手順をご紹介します。
1. DPM 2010 サーバーの、以下フォルダにあるインストーラーを、保護対象のマシンで実行するため、コピーします。
<32 ビット版>
C:\Program Files\Microsoft DPM\DPM\agents\RA\3.0.8180.0\i386\1033\DPMAgentInstaller_KB2615782.exe
<64 ビット版>
C:\Program Files\Microsoft DPM\DPM\agents\RA\3.0.8180.0\AMD64\1033\DPMAgentInstaller_KB2615782_AMD64.exe
2. 保護対象にて、コマンド プロンプトを管理者権限で開き、以下コマンドを実行します。
DPMAgentInstaller_KB2615782.exe <DPM サーバーのホスト名>
参考情報:
Q エージェント インストールのトラブルシューティングと推奨方法を教えてください。
https://technet.microsoft.com/ja-jp/systemcenter/dm/gg675294
-> "DPM エージェントを手動インストールにて展開する方法" の項をご参考下さい。
※ 上記にて、[DPM 2010 管理者コンソール] - [管理] タブ - [エージェント] タブから、対象の "エージェントの状態" が OK となるはずです。もし、接続に問題がある場合、以下の手順も追加します。
- 追加手順
保護対象にて、以下コマンドを実行します。
> Cd "C:\Program Files\Microsoft Data Protection Manager\DPM\bin"
> SetDpmServer.exe -dpmservername <DPM サーバーのホスト名>
3. [DPM 2010 管理者コンソール] - [保護] タブにおいて、各保護グループの状態をご確認下さい。手動アップデートをかけた場合、整合性チェックが必要となる場合がございます。