SharePoint 2013 における Office Property の検索方法
こんにちわ。SharePoint Support の川添です。
SharePoint の検索機能のうちの一つに、ファイルの全文検索だけではなく、ファイルのプロパティも検索ができる点が挙げられます。
最新バージョンの SharePoint 2013 でも、この機能は健在ですが、SharePoint 2007 や 2010 と比較して、変更されている点があります。
プロパティを検索するには、サーバー側での設定が必要になりますが、クロールされたプロパティのカテゴリが変更になっています。
クロールされたプロパティとは、SharePoint のクローラーにより抽出されたコンテンツのメタデータ (ファイルのプロパティ等) を指します。SharePoint 内でそれらのプロパティを検索するには、このクロールされたプロパティを、SharePoint が管理する、管理プロパティにマッピングする必要があります。そのため、Office ファイル等の検索をしたいプロパティを正しく、管理プロパティにマッピングしていない場合には、検索にヒットしないことになります。
補足 : 詳しくは、以下の TechNet 資料をご覧ください。
クロールされたプロパティと管理プロパティの概要 (SharePoint Server 2013)
一つ例を挙げると、Office ファイルの [分類項目] のプロパティは、SharePoint 2007 / 2010 では、Office カテゴリの Office:2 という [クロールされたプロパティ] として、抽出されていました。
一方、SharePoint 2013 では、この [クロールされたプロパティ] には、Office ファイルの [分類項目] のデータは入ってこず、[Document Parser] というカテゴリに格納されます。
そのため、Office のプロパティは、この Document Parser カテゴリにあるプロパティに通常格納されてきます。
では、具体的に設定方法を見ていきます。
この中ではファイルサーバーに配置してある、Office ファイルの [分類項目] プロパティを、新規に作成した管理プロパティにマッピングします。
補足 : クロールされたプロパティは、名前にあるように、ドキュメントをクロールしないことには抽出されません。本設定を行う前に、クロールを実施していることが必要です。
1) サーバーの全体管理サイトから、検索サービスアプリケーションの管理画面に移動します
2) ナビゲーションから、[検索スキーマ] をクリックします。
3) [管理プロパティ] - [新しい管理プロパティ] をクリックします。
4) [プロパティ名] に、検索に使用する任意の管理プロパティ名を入力します。(例:DocCategory など。自由に設定していただいて構いません。)
※既に存在する管理プロパティ名は使用できません。例えば、DocKeywords は既定で存在するため、そのプロパティを使用するか、別の名前を使用して作成します。
5) [クエリ可能] の項目に、チェックを入れます。
6) [クロールされたプロパティへのマッピング] セクションから、[マッピングの追加] をクリックします。
7) [クロールされたプロパティの選択] 画面で、[カテゴリのフィルター] を "ドキュメント パーサー" (Document Parser) に設定します。
8) フィルターされた項目が表示されますので、設定を行っている管理プロパティに対応させるクロールされたプロパティを追加し、[OK] をクリックします。
9) 管理プロパティの画面に戻ったら、[OK] をクリックします。
10) 設定が終わったら、コンテンツ ソースのフルクロールを実施します。
クロールが完了したら、動作を確認してみましょう。
プロパティ検索を行うには、検索キーワードの指定に注意が必要です。通常の検索は、単にキーワードを入れるだけですが、特定のプロパティに絞って検索を行うには、以下のフォーマットで指定します。
<管理プロパティ名>:<検索キーワード>
例: "DocCategory:機密" など
Office プロパティ名 |
クロールされたプロパティ名 |
既定で検索可能 |
タイトル |
Title |
○ |
件名 |
DocSubject |
○ |
タグ |
Keywords |
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分類項目 |
Category |
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コメント |
DocComments |
○ |
作成者 |
Author |
○ |
改定番号 |
DocumentRevisionNumber |
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バージョン番号 |
DocumentVersion |
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会社 |
Company |
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マネージャ |
Manager |
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コンテンツの作成日時 |
CreatedDateTime |
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前回保存日時 |
LastSavedDateTime |
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前回印刷日 |
LastPrintedDateTime |
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内容の状態 |
ContentStatus |
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内容の種類 |
ContentType |
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言語 |
Language |
|
補足 : [既定で検索可能] に ○ がつけられているクロールされたプロパティは既定で管理プロパティにマップされているため、別の管理プロパティにマッピングしなくてもプロパティ検索に利用できます。
このように SharePoint 2013 では、以前のバージョンと比較して、アーキテクチャーを含め、変更されている点があります。
以下の資料では、変更点について詳しく書かれていますので、以前のバージョンと動作が異なるという点があった時には、是非参考にしてください。
注意が必要な変更点等があれば、紹介していきたいと思います。
What’s new in Microsoft SharePoint Server 2013
補足 : Windows Server 2012 上のファイルサーバーをクロールするには、他の OS バージョンで必要とされていた権限に加えて、追加の権限が必要になります。
SharePoint Server 2013 crawler has insufficient permissions to crawl file shares