NVIDIA と Hyper-V の密な関係は Azure 側からスタート!
マイクロソフトの GPU 仮想化といえば、RemoteFX です。
物理サーバー(Hyper-V マシン) に搭載した GPU のパワーを Hyper-V 上の複数の仮想マシンから利用できるように実現した技術で、ベータの頃からイベントでデモをしたりしていました。
<<仮想マシンから見たディスプレイアダプター:ここがポイント>>
Dxdiag を見ると、ちゃんと DirectX 関連のアクセラレータも使えるようになっています。
ただ、時代の流れは速く、GPUベンダー NVIDIA は新しい形の GPU 仮想化技術を世の中に送り出し、最初は Xen Server、そして VMware 社が対応し、VDI における GPU 活用例が徐々に現実味を帯びてきています。
そして、マイクロソフトはというと、クラウドファーストを旗印に、特定のGPUベンダーへのロックインを避け、ハードウェアではなくクラウドに最適化する方針をとろうとしていました。
GPU の仮想化についても、Windows Server 2016 の Technical Preview 3 を見てもわかる通り、NVIDIA との特別な関係には触れられていません。
しかし、クラウドファーストを徹底するために、先日大きな方向転換の発表をすることになりました。
Azure IaaS にまもなく登場予定の N シリーズという仮想マシンの発表です。
Hyper-V マシンに搭載した NVIDIA の GPU パワーをダイレクトに仮想マシンから活用する仕組みを搭載する予定です。
仮想マシンの中から見たディスプレイアダプタが RemoteFX の時と大きく変わっていることがお分かりになるでしょう。
なぜいきなりか?というと、ここにもクラウドファーストを掲げるマイクロソフトの大きな戦略が見え隠れしています。
それは、「使ってもらうことに意味がある」というものです。
クラウドは使ってもらって課金をする形なので、お客様が利用したいというものを我々が否定をする必要はないのです。
特定のベンダーとの協業についても、最近の例ですと、Docker や Mesosphere との協業のように、OSS を含む外で使われている新し技術、もしくはその可能性がある技術を積極採用する方針へと変わりました。
これが Windows Server 2016 の機能として実装されるかどうかは発表を待ってみないことにはわかりませんが、OpenGL/OpenCL 対応を標ぼうした Windows Server 2016 VDI とNVIDIA GPU仮想化が連携し、それがハイブリッドクラウドのどちらでも使えるようになるとしたら、新しいソリューションとして喜んでくれるお客様も多いことでしょう。
まだまだ進化は止まりませんが、できるだけ最新の情報をお伝えできるよう頑張ります。
日本マイクロソフト 高添