クイック実行版 Office 2016 (Office 365 ProPlus) の更新チャネルについて
2017/02/15 Update!! 図の説明を分かりやすく更新しました。
こんにちは、Office サポート チーム 佐村です。
Office 365 ProPlus を展開する管理者は、更新プログラムを適用する頻度と適用対象の内容を制御する方法として、チャネルという考えを検討する必要があります。
本稿では、Office 365 (Office 2016) 以降から導入されたチャネルについて記載いたします。
チャネルについては、以下の資料に記載があります。
Office 365 ProPlus 更新プログラム チャネルの概要
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/mt455210.aspx
--------------- (抜粋 : ここから) ---------------
Office 365 ProPlus のメリットの 1 つは、マイクロソフトから毎月の更新プログラムを通して定期的に Office アプリの新機能をお届けできることです。ただし、Office 365 ProPlus を組織内のユーザーに展開する管理者は、ユーザーがこれらの新機能を取得する頻度を制御することができます。Office 365 ProPlus の Office 2016 バージョンでは、Office 365 ProPlus を新機能で更新する頻度を制御する更新プログラム チャネルと呼ばれる 3 つのオプションが提供されます。
--------------- (抜粋 : ここまで) ---------------
少し、分かり辛いです。
Office 365 は Office 2013 と Office 2016 を提供していますが、Office 2013 では毎月自動的に更新処理が実行され、常に最新の更新状況となっていました。
Office 2013 では、セキュリティ パッチや不具合修正、新機能などのパッチが毎月提供されていました。
これは、新機能をいち早く使ったり、不具合がすぐに修正されるといったメリットもありますが、普段使っている Excel ツールが正しく動作するかを毎月更新の度に検証しなければならない大変さもありました。
そこで、新機能や問題の修正についてはある程度の期間をあけて展開しようという考えから、チャネルというものが生まれました。
[チャネルの種類]
大きく分けて 3 つのチャネルがあります。
1) Current Channel (旧 Current Branch - CB)
2) Deferred Channel (旧 Current Branch for Business - CBB)
3) First Release for DC (旧 FRCBB)
[Office の更新プログラムの種類]
以下の 3 種類に分類されます。
[各チャネルの特徴]
1) Current Channel
・月に数回更新プログラムがリリースされます。(上の図では、説明のためひと月に 1 回のリリースのように表現しています。)
・Office の新機能、不具合修正が早くリリースされます。
・セキュリティパッチだけの適用は出来ません。
・Office 365 for Office 2013 はこの考えのみでの提供形態でした。
・4 カ月おきにリリースされ、DC のリリース月以外はセキュリティ更新のみの提供になります。
※例外的に、市場インパクトが大きい問題についての修正も DC リリース月以外でリリースされることがございます。
・4 カ月に 1 度、DC がリリースされ、4 カ月前の新機能と、当月の非セキュリティ更新プログラム (問題の修正)、リリース時点のセキュリティ更新プログラムが含まれます。
・1 つの DC につき、最大 8 カ月間、セキュリティ更新プログラムの提供が実施されます。
※DC リリースが 1 ヶ月遅れた場合、セキュリティ更新プログラムの提供も 1 ヶ月延長されます。
・FRDC (次の 3 で説明します) と組み合わせることで、次の DC がリリースされる前に影響度を検証することが可能です。
・非セキュリティ更新プログラムが 4 カ月に 1 回の提供のため、特定の問題の修正を展開するまでに時間がかかる可能性があります。
・新機能の内容によっては、更新プログラムのダウンロードサイズが大きくなる可能性があります。
3) First Release for DC
・DC がリリースされる前に新機能を含んだ環境で検証することが可能です。
※DC と組み合わせて、先行導入、先行検証を実施する端末では First Release for DC を選択いただけます。
・先行して検証している中で致命的な問題があった場合、次の DC の適用をスキップするという検討が行えます。
[更新プログラムのリリースの頻度]
Current Channel 、および First Release for Deferred Channelについては、月に複数回リリースがあります。
いつ、どのバージョンがリリースされたかについては、以下のサイトからご確認いただくことが可能です。
Version and build numbers of update channel releases for Office 365 clients
https://technet.microsoft.com/en-us/library/mt592918.aspx
※日本語サイトもございますが、情報は英語サイトが最新のため上記のサイトをご確認ください。
Office 365 クライアントの更新プログラム チャネル リリースのバージョン番号およびビルド番号
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/mt592918.aspx
[問題発生時の考え方]
当月のビルドがリリースされ、アップデートしたら製品の問題により予期せぬ動作になったという場合、以下の方法で対処することが検討できます。
・これまで運用していたビルドに戻す
・チャネルを変更する
・回避策が存在する場合、運用で回避する
・使用しているチャネルで修正がリリースされるまで待つ
[それぞれのチャネルの特徴]
以上のことから、それぞれのチャネルのメリットやデメリットがあるので、管理者は運用に合わせて最適なチャネルを選択し、指定することが可能です。
FRCC (First Release for CC) は、CC のビルドを先行して利用できるチャネルとなります。
代表的なチャネルではなく、システム管理者のみでの使用が想定されるため、本稿では詳細の説明については省略いたします。
- ご参考
Office 2016 クイック実行版における更新の Channel および ビルド番号の詳細につきましては、以下をご参照ください。
タイトル : Office 365 ProPlus 更新プログラム チャネルの概要
URL : https://technet.microsoft.com/library/mt455210
タイトル : Office 365 クライアントの更新プログラム チャネル リリースのバージョン番号およびビルド番号
URL : https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/mt592918.aspx
タイトル : Office 365 クライアント更新プログラムのチャネル リリース
URL : https://technet.microsoft.com/ja-jp/office/mt465751
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