Visual Studio 2010 の環境にSilverlight4 Runtimeをインストールする
Visual Studio 2010 をインストールすると、同時にインストールされるSilverlightのRuntimeは Ver3 のものです。
Silverlight3 も革新的な素晴らしいRuntimeなのですが、先日リリースされたSilverlight4 Runtimeはさらに大幅な進化を遂げたRuntimeです。(こちらのブログにて、簡単な紹介記事を書きました)
ぜひともインストールして使っていただきたいRuntimeです。
ただ、Visual Studio 2010 が現時点でターゲットにしているSilverlight RuntimeはVer3なので、開発マシンにSilverlight4をインストールしてしまって大丈夫なのか?という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
結論から言うと、Silverlight4 Runtimeをインストールして、結果Silverlight3 Runtimeがなくなっても、とりあえず開発環境が壊れるということはありません。
Visual Studio 2010 自身も、Silverlight Runtimeを使用して動いている部分がありますが、Silverlight4は問題なくVisual Studio 2010 自身の動作を支えます。
ただし、注意していただきたいのは、開発時にターゲットになるSilverlightのバージョンは3ですが、そのマシンでデバッグなどをする際のRuntimeがバージョン4になることです。
具体的に状況を見てみましょう。
まず、Visual Studio 2010 がインストールされているマシンにSilverlightの最新のバージョンをこちらからインストールすると、
以下のように、Silverlight Runtimeのバージョンは 4.0.50401.0 となります。
この状態で、Visual Studio 2010 を起動し、Silverlight アプリケーションを作ります。
すると、以下のように Silverlight のバージョンとしては Silverlight 3 以外選択できませんので、当然これから作るアプリケーションは Silverlight 3 用ということになります。
ここからは、Silverlight 3のアプリケーションを使いやすくなったVisual Studio 2010 のIDEを使用して作成するわけですが、当然 Silverlight 4 の独自のコントロールなどはありません。
一応、ビルドオプションを開いてみても、対象の Silverlight バージョンは3で固定されています。
さて、F5を押すなどしてこのプロジェクトを実行してみます。
IEが起動し、その上で作成された Silverlight のアプリケーションが動作します。
ここで、使用している Silverlight Runtime のバージョンを見るために、画面上で右クリックします。
そして Silverlight(S) を選択すると、バージョン情報を確認することができます。
このように、Runtimeのバージョンは 4.0.50401.0 となっており、Silverlight4 のものであることがわかります。
ただし、基本的に Silverlight4 は Silverlight3との互換性をかなり保ちつつ、パフォーマンスを大幅に改善した仕様になっているため、多くの場合 Silverlight3 のアプリケーションがそのまま動作します。
もちろん、Silverlight3 と 4 との互換性がわからないような機能を使用したアプリケーションを作成するのであれば、デバッグ用のRuntimeは Silverlight3 のままにした方が無難だと思いますが、通常は最新の Runtime を使用することで問題ないと思います。
もちろん、広く配布するのであれば、一度別のマシンかバーチャルマシンなどに Silverlight3 Runtimeの環境を用意して、配布前にテストされるべきだと思いますが、多くの場合は問題なく動作するはずです。