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Visual Studio 2010 の 優れた機能(1) Share Point 2010対応 -前編-

  Visual Studio 2010 の新機能は挙げていたらきりがないほどあり、既に多くのWeb pageなどでも紹介されています。
  したがってここでは、あまりにも有名でかつ即試すことができる機能を紹介するよりも、むしろあまり知られていないけれども有用な機能や、試してみたくても他のアプリケーションが必要だったり別のOSが必要だったりしてなかなか試す機会がないような機能を紹介するほうが有益なのではないかと思います。
 
  そこでまず思い浮かんだのが、Share Point Server 2010 の Web パーツを開発する機能です。
  この機能を試すためには、まず Share Point Server 2010 と Visual Studio 2010 RC が同じマシンにインストールされている必要があり、さらにShare Point Server 2010 は現状64ビット版の Windows2008 もしくは Windows2008R2 のみのサポートとなっているため、ちょっと試すには敷居が高いと思われる方もいらっしゃるかと思ったのです。

  まず Share Point Server をあまり知らないとおっしゃる方のために、簡単にShare Pointについて紹介します。
  Share Point Server とは、マイクロソフトが提供するグループウェアもしくはコンテンツ管理のためのサーバー製品です。ほとんどの操作がWeb上のオペレーションで完結します。
たとえば社内で、自分の部署の内部で使用するWeb サイトを立ち上げて、そこに部内全員が共有する資料をすべてアップロードして、全員で共有したい、などといったことをする場合、そういうWeb アプリケーションを作るのは一手間かかるものだと思います。
しかし Share Point Server が導入されている会社では、上記のようなことは Web上でちょっとした操作をするだけですぐにできてしまいます。

さて、そんな Share Point Server も、只今 メジャーアップデートを控えています。次のバージョンは Share Point Server 2010 となる予定です。
Beta版はこちらからダウンロードしてお試しいただけます。
https://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?displaylang=en&FamilyID=77c30c6c-47fc-416d-88e7-8122534b3f37

Share Point Server をインストールして導入すると、あとはどんどん新しいサイトを構築ていったり、その中に新しいWeb pageを追加したり、そしてそのWeb Page上に新しい Web パーツを追加したりといった操作が中心となります。

そして、Visual Studio 2010 を使用すると、その Share Point 2010 上で使用する独自のWeb パーツを作ることができるのです。
  が、ここまで書いて思ったのですが、そもそも Share Point Server をお使いになっていない方は、Share PointのWeb パーツというものがイマイチイメージしにくいかも知れません。
  そこで、Visual Studio 2010 を使った Web パーツの作成方法を紹介する前に、簡単に Share Point 2010 のUIを紹介したいと思います。そして後日公開する後編にて、実際にVisual Studio 2010 で Webパーツを作成する様子を紹介します。
  (Share Point Server 2010 をご存知の方は、今回は読み流してください。)

 まず、Share Point Server 2010 Beta をインストールして、ウィザードを使って基本的な設定をします。(特にデフォルト以外の設定をする必要はないと思います。)
 そして IE を起動して、 https://localhost/ にアクセスすると、以下のようなページが表示されるはずです。
 

 このページが、グループウェアを作りこんでいくトップのページとなります。
 ここに、もしもたとえばWiki ライブラリを作りこんでいきたいのであれば、Wiki ライブラリの Web パーツ (Web を構成する部品)をこのページに追加します。
 
 ここでは一例として、他のインターネットのWebサイトのページを、あたかも部品のように追加できる Web パーツ、「Page viewer」を組み込んでみます。
 
 まず、このWeb ページ上の「Page」タブをクリックし、表れるリボンの中の一番左端の「Edit page」をクリックします。
 すると、ページの内部が編集できる状態になります。 左右に「Add a Web Part」というリンクが表れるので、Web パーツを追加したいほうのリンクをクリックします。
 すると以下のように、追加したい Web パーツを選択する画面になります。
 

 この中から今回は、「Page viewer」 を追加したいので、まず Categories の中から Media and Content を選択し、そして Web Parts の中から Page viewer を選択します。
 そして画面右下の「Add」ボタンをクリックします。
 すると以下のように、 Page Viewer が中央下部に追加されたのが確認できます。
 

 ただしこのままではこのViewerに何を表示させるのかが指定できていないので、画面中の「open the tool pane」と書かれたリンクをクリックします。
 すると以下のような、Page viewerの設定をするペインが表れるので、このViewerに表示させたい WebサイトのURLを入力します。
 ここでは https://jp.msn.com/ を設定してみました。
 
 
 
 これで設定を終了すると、以下のように確かに MSNのWebページが、この Page Viewer によって表示されていることが確認できます。
 
 
 
 他にも追加したい Web パーツがある場合には、上記と同様の手順で追加していきます。
 また、後から追加したり削除したりといったことはいつでも簡単にできます。
 そして必要な Web パーツがすべて追加できたところで、画面左上の「Stop Editing」ボタンを押して編集を終了します。


 通常はリボンを表示させない状態にしておくため、「Browse」タブをクリックすれば、リボンの表示されていない状態に戻ります。
 
 ・・・Share Point Server を既にご存知の方には冗長な説明になってしまいましたが、重要なのは途中で追加した 「Web パーツ」です。
 Share Point Server 2010 には、最初から大変有用な Web パーツが登録されており、それだけでもかなり実用的な グループ用 Web サイトを作ることができます。
 しかし、独自の Web パーツを作ったり、自分の環境だけに特化した使いやすい Web パーツを作ったりといったことができれば、正に手足のような便利なサイトを、楽に作ることができるはずです。
 そのような、独自の Web パーツを作るための機能を備えたのが今回の Visual Studio 2010 なのです。
 次回は、Visual Studio 2010 RC を使って、独自のWeb パーツを作る方法を紹介します。