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Surface Pro 3 のスリープ中に休止状態に移行させ、バッテリー消費を抑制する設定

  

こんにちは。Surface 法人向けサポート担当の岩松です。

 

Surface Pro 3 をお使いいただいている法人ユーザーの皆様は、Surface Pro 3 の機動力を活かし、様々な場所に持ち運んでご利用いただいている方が多いのではないかと思います。

もし、バッテリーの持続時間が想定より短い場合、原因はいろいろ考えられますが、設定変更により改善するケースがあります。

 

特に、 OS をボリューム ライセンス版からカスタム イメージを作成して展開している場合、いくつかの設定がプリインストール版と異なる部分があり、主な違いの 1 つが「スリープ中に休止状態に移行する設定」です。

 

今回の記事では、設定の確認方法と、プリインストール版と同様の設定にする手順をご紹介します。

 

初期設定では、スリープ状態が 4 時間続くと休止状態に移行

 

Surface Pro 3 は、電源ボタンを押したり、一定時間アイドル状態が続くとスリープに移行します。

その際、 Connected Standby または Instant Go と呼ばれる機能により、スリープ中でもメール受信やアラーム、Skype の着信などができ、スリープ解除後は一瞬で復帰が可能になる状態を維持します。

 

しかし、この状態はシャットダウン中と比較すると電力消費が多いことから、 Surface Pro 3  (プリインストール版 OS) では、スリープを開始してから 4 時間後に、休止状態に移行します。

 

Powercfg /batteryreport コマンドを実行すると、スリープ開始後 4  時間後にシステムが休止状態に移行していることがわかります。

 

 

他方、ボリューム ライセンス版をクリーンインストールした場合やカスタムイメージを作成して展開した場合は、休止状態への移行は初期設定では有効ではありません。

この場合、休止状態にならずスリープが継続するため、非使用時の電力消費が多くなる可能性があります。

 

設定が有効になっているか否かの確認方法

 

Powercfg /qh コマンドを実行すると、設定が有効になっているか否かをチェックすることができます。

「コネクト スタンバイ バッテリー セーバーの動作」で、インデックス 0x00000001  (=1) に設定されていれば有効、 0x00000000 (=0) に設定されていれば無効です。

 

<Surface Pro 3 プリインストール版 OS の場合>

 

 

<ボリューム ライセンス版 OS をクリーン インストールした場合 / カスタム イメージを展開した場合>

 

設定変更の手順

 

下記の公開ドキュメントで、設定変更の手順を説明しています。

 

(KB2998588)

Surface Pro 3 doesn't hibernate after four hours in connected standby

(TechNet ブログ: Ask the Core Team)

Surface Pro 3 Hibernation Doesn’t Occur on Enterprise Install

 

 詳細については、リンク先をご参照いただければと思いますが、手順としては、

 

・更新プログラム KB2955769 の適用

・Powercfg コマンドによる設定の変更

 

の 2 つが必要です。 KB2955769 は、KB3000850 (=WIndows 8.1 November 2014 update rollup) などに含まれているため、WIndows Update でロールアップを適用している場合は、改めて適用の必要はありません。

ただし、これから展開を行う場合は、 KB2955769 単独で明示的にインストールすることを上記ドキュメントでは推奨しています。

 

Powercfg のコマンドとしては、 7 種類を実行することが必要です。上記ドキュメントでは、これを PowerCfg_SP3.bat という名称で保存して利用する手順をご紹介しています。

コマンド中の "14400" の部分を変更すると、休止状態に移行するまでの時間(秒)を変更することができますが、4 時間がサポートされる最小値です。

 

====ここから====

REM sets CS battery saver time-out to four hours: 休止状態に移行するタイムアウト時間を 4 時間に設定 (AC/DC)
powercfg /setdcvalueindex SCHEME_CURRENT e73a048d-bf27-4f12-9731-8b2076e8891f 7398e821-3937-4469-b07b-33eb785aaca1 14400
powercfg /setacvalueindex SCHEME_CURRENT e73a048d-bf27-4f12-9731-8b2076e8891f 7398e821-3937-4469-b07b-33eb785aaca1 14400

REM sets CS battery saver trip point to 100: コネクト スタンバイ バッテリー セーバー の切り替えポイントを 100 に設定 (AC/DC)
powercfg /setdcvalueindex SCHEME_CURRENT e73a048d-bf27-4f12-9731-8b2076e8891f 1e133d45-a325-48da-8769-14ae6dc1170b 100
powercfg /setacvalueindex SCHEME_CURRENT e73a048d-bf27-4f12-9731-8b2076e8891f 1e133d45-a325-48da-8769-14ae6dc1170b 100

REM sets the CS battery saver action to hibernate: コネクト スタンバイ バッテリー セーバー の動作を休止状態に設定 (AC/DC)
powercfg /setdcvalueindex SCHEME_CURRENT e73a048d-bf27-4f12-9731-8b2076e8891f c10ce532-2eb1-4b3c-b3fe-374623cdcf07 001
powercfg /setacvalueindex SCHEME_CURRENT e73a048d-bf27-4f12-9731-8b2076e8891f c10ce532-2eb1-4b3c-b3fe-374623cdcf07 001

powercfg /setactive SCHEME_CURRENT

====ここまで====

 

設定をご確認いただき、展開時などに実施していただくと、バッテリー消費の抑制に効果があると思いますので、お試しください。