MSP Summit参加記
本記事は Microsoft Student Partner 五十嵐さんからの寄稿より掲載させていただいています。
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MSPの五十嵐 祐貴です。 東北の山の中にある大学に通いつつ、普段は.NETやVisual Studioに関する技術を追いかけています。MSPでは、主に勉強会向けコンテンツやWebサイトの制作およびテクノロジ系勉強会での登壇などの活動を行っています。 https://vbcpp.net/
さて、7月26日から29日にかけて、各国MSPの代表が一か所に集まるMSP World-Wide Summitが、Imagine Cupの世界大会と並行して開催されました。今回、日本のMSPからは安藤さんと私が選出され、1週間ほどレドモンドにてイベントを満喫してきました。 全体に関しては、すでに安藤さんの記事で述べられているかと思いますので、このレポートでは主にMSP Summitにフォーカスした内容を皆様にお伝えできればと思います。
MSP Summitのスケジュールは?
MSP Summitの主なスケジュールは以下のようになっています。
7月26日 | MSP Summit Overview |
Demo Coaching | |
7月27日 | Holographic Academy |
MSP Summit #1 | |
Imagine Robo World Cup Hackathon | |
7月28日 | Awards Ceremony |
MSP Summit #2 | |
7月29日 | World Championship |
Imagine Robo World Cup Hackathon \@ Garfield High school | |
Imagine Cup Party |
いくつかピックアップしてご紹介します。
Holographic Academy
Holographic Academyは、HoloLens実機を用いたHoloLens向けアプリケーションの開発ハンズオンです。今回、MSP SummitとImagine Cupの参加者は全員受講することができました。ハンズオンでは、HoloLensの基本的な使い方や3Dモデルの表示方法から、空間マッピングやネットワークを介した複数台の連携まで、幅広く体験することができました。
図 1 Holographic Academyの様子
図 2 ハンズオン中に1人1台与えられたHoloLens実機
Imagine Robo World Cup Hackathon
Imagine Robo World Cup Hackathonは、Raspberry PiとWindows IoT Coreをベースに、様々なキットやセンサーを組み合わせてサッカーロボットを作成し、作ったロボットを用いてサッカーで競うイベントです。必要となるロボットのパーツや組み立て手順などはあらかじめ示されていましたが、パーツやプログラムの改良は自由となっており、各チーム様々な改造をロボットに施していました。最終日には、ロボットの構築やプログラムの作成を一部簡略化したものを用いて、Garfield高校にて高校生向けのハッカソンを行いました。
図 3 私のチームが作成したロボット
図 4 Imagine Robo World Cup 試合中の様子
MSP Summitのココがスゴイ!
充実したスケジュール
はじめにお伝えしたいのが、MSP Summit向けに用意されたスケジュールの充実ぶりです。
実はMSP Summitと同期間に、Imagine Cupのほかにも、世界中のMicrosoft社員が集まる社内イベントなどが開催されており、プログラムが発表される前までは「MSP Summitは裏番組のような扱いになってしまうのかな…」などと考えていましたが、実際にはMSP向けのセミナーやディスカッション、Imagine Robo World Cupのようなコンペティションなど、たった数日の間に数々の充実したコンテンツが用意されていました。特に、本社のエンジニアやマネージャーの方を招いたセミナーでは「魅力的なプレゼンテーション・デモのコツ」や「今Microsoftが推し進めている最先端の技術」などに関するレクチャーをいただき、非常に勉強になりました。
図 5 MSP Summit中に開催されたセミナーの様子
また、前述のとおりMSP SummitおよびImagine Cupのすべての参加者は、社員の方でも未だ限られた人しか触れることのできない、HoloLens実機を用いたハンズオンを体験することができました。パーティーなどの交流の場でもスタッフの皆さんから熱烈な歓迎をいただき、Microsoft本社の皆さんがMSP、そして学生に対して強い期待を寄せてくれていることを実感しました。
各国のMSP代表や本社の社員との交流
二つ目にお伝えしたいのが、MSP Summitに参加することによって生まれた、世界中のMSPたちとのコネクションです。
今回のMSP Summitを通して、世界中のMSPと仲良くなることができました。どの国のMSPも気さくな人が多く、空き時間には一緒にショッピングに行ったり、ゲームで遊んだりして楽しみました。中には故郷のおみやげなどをプレゼントしてくれた人もいました。余談ですが、個人的に応援している「C#たん」( https://csharp.moe/ )というキャラクターを海外にも広めようと、私もステッカーを配り歩いていました。(「C#のキャラクター!?AWESOME!」のような感じで、割と好評でした。)
図 6 巨大ジェンガを使って真剣勝負
図 7 C#たんステッカーと一緒に記念撮影
MSP Summit期間中、各国のMSPと交流するには十分すぎる機会がありましたが、特に仲が深まったと感じられたのが、最終日のGarfield高校で行われたImagine Robo World Cup Hackathonです。この日はMSPがメンターとなって、Garfield高校の高校生と一緒にロボットを組み上げる必要があるのですが、詰まっているチームを見つけたらお互いに助け合ったり、他国のMSPと協力して一つのことに集中することができました。このとき、私がメンターに集中しすぎて、支給されるはずのお弁当を取り損なってしまったところ、台湾やシンガポールの友人がお弁当を分けてくれたのが非常に良い思い出になっています。 「MSPというプログラムに所属して同じ問題に取り組んでいる」という共通意識を強く実感し、改めてMSPであることの誇りやパートナーシップを感じることのできた、非常に良いイベントとなりました。
図 8 各国の友人と記念撮影
図 9 特に仲良くなった生徒とも記念撮影
またMSP Summit期間中には、本社のエンジニアやマネージャーの方々とお話しできる機会も用意されており、非常に充実した時間を過ごすことができました。特にMSPのプログラムマネージャーとは何度か個別にお話しする機会もあり、その度に励ましの言葉をかけていただきました。
図 10 “お土産”と一緒に記念撮影
たくさんの”お土産”
そして最後にご紹介したいのが、MSP Summitに参加したことで得られた、たくさんの”お土産”です。それは、現地での思い出や仲間、そして私たちへの期待や応援…というのも確かに本当ですが、これ以外にも素敵なお土産が用意されていました。
なんと「Surface Book」がMSP Summit参加者全員にプレゼントされました。しかも、Core i7のメモリ16GB、そしてストレージが512GBという上位モデル。当然私たちは何も知らされていなかったので、会場は一瞬にして大盛り上がりでした。
図 11 参加者全員分に用意されたBookが積み重なっている様子、本棚
図 12 Surface BookをゲットしたMSPたち
この他にもImagine Robo World Cup参加者全員に「Azure IoT Starter Kit」が、優勝チームにはトロフィーのほかにも、Xbox Oneが与えられました。ちなみに、私たちのチームは準決勝まで進むことができましたが、惜しくも延長戦で敗れてしまいました。
図 13 Xbox OneをゲットしたMSPたち
MSP Summitを通して強く感じた ”焦り”
MSP Summitの期間中、特にディスカッションや雑談をしているうえで、海外のMSPたちと私の違いや彼らの偉大さを、強く実感し刺激された場面が何度もありました。特にその中でも最も多かったもの、それは「彼らが自身のストーリーをきちんと持って(中には既に行動にも移しており)、それらを言葉として表して、人にアピールできる」ということです。「そんなの普通にできるでしょう」と思われる方も多いかもしれませんが、私は私自身にこの能力が大きく欠けていることを、アメリカに行って強く実感し、焦りを感じた場面が何度もありました。
例として、キャリアプランについて考えるセッションの時に、いきなりマネージャーに質問された内容を挙げます。
“What are your strength?” ”What is your passion?”
日本でも「あなたの長所は何ですか?」という質問がよくありますが、それと似たような感じだと思います(違ったらすみません)。この質問をされたときに、すぐに言葉として返せるか、そしてどのように返すか、もしよろしければ考えてみてください。
一緒にいたチームメイトたちは「私の強みはコレで、こういうことをやってきた。だから、こういう箇所でこういったことに役立てていけると思う」というスピーチを、非常にわかりやすく、かつ納得できる展開で、アピールしていました。一方、私は、正直に言いますと、この手の話題が大の苦手で(そして苦手と言いながら遠ざけてきました)、あまりに考えが思い浮かばず「こういうことをしてきたけど、これってどう答えれば良いのかな?」などと質問をして「それはパートナーシップだね」「こういうところで活躍していってほしい」などのたくさんのフォローをいただきました。それはそれで非常に充実していましたが、同時に自身の未熟さを痛感しました。
他にも、セミナーでの質疑応答やアピールも非常に活発で、日本で活動しているときの定例会やミーティングとは大きく異なると感じた点も多々ありました。もちろん、私が自身の英語能力にコンプレックスを感じていることも原因の一つではありますが、それ以上に訓練すべき能力があることを痛感しました。
最後に
海外経験のあまり多くない私にとって、今回のMSP Summitは、考え方やモチベーションを大きく刺激し影響してくれた、非常に有意義なイベントとなりました。そして、このような機会を作れるのは、世界中で学生向けプログラムを展開しているMicrosoftであるからこそであり、MSPがグローバルな仕組みであることの強みを改めて実感しました。
私はMSPプログラムに2013年に入り、以降MSPとして、MSPに支えられながらエンジニア界隈での活動を続けてきました。そして、その活動を通して、地元で技術系コミュニティを作ることができたり、Microsoft MVPと呼ばれる賞を受賞することができました。今では様々な場所から活動する機会をいただいていますが、私がこれらの活動の機会を手にすることができた、その多くの原点は、MSPにあると考えています。今回のMSP Summitをはじめ、MSPからは多くのことを学ぶことができました。
これを読んでいる学生の皆さんが、少しでもMSPという組織に、そしてMSPでの活動に興味を持っていただけたら幸いです。そして、もしMSPで活動したいと考えている方がいましたら、ぜひ次回の募集でご応募いただけたらと思います。きっと、その先には素晴らしい機会がたくさん待っていることでしょう。
以上、MSP Summitのレポートでした!ここまで、レポートと言いながら、個人の感想ブログのような長文を失礼いたしました。