【イマジンカップ 2011 番外編】若者がITで未来を変える - イマジンカップ世界大会
<本ブログは マイクロソフト日本法人の公式コーポレートブログ "The official Microsoft Japan Blog" から転載したものです>
みなさん、こんにちは、技術と開発を担当している加治佐です。
学生のITコンテストであるイマジンカップ世界大会が、7月8日から1週間にわたりニューヨークで開催されました。環境、医療、教育などの世界的課題をソフトウェアで解決するプロジェクトを競い、各国の予選を通過した70カ国400人の学生が参加し、日本からも2チームが参加しました。
私自身は、4年前から日本の国内予選に審査員などとして参加をしてきていましたが、今回、初めてイマジンカップ世界大会に参加しました。 オープニングセレモニーでは、弊社CEOのスティーブ・バルマーが基調講演を行いましたが、その中で、以下のスライドが印象的でした。発想力と熱意が重要であるのに加えて、”Be Tenacious”(粘り強くやれ)というのが重要であると、学生に語りました。バルマーは、ここ数年、マイクロソフトの社員に対して “Long Term Tenacity”(長期にわたる粘り強さ)が重要だと伝えており、イマジンカップ世界大会に集まった未来を変える学生に対する彼自身の大きな期待を伝えました。
厳しい日本大会の選考を勝ち抜いた日本の2チームは、イマジンカップ世界大会に向けて、英語でのプレゼンテーションに苦しんでいたようですが、最後10日ぐらいの追い込みの努力と成長はすさまじいものでした。イマジンカップ世界大会では、2ラウンド勝ち進むと決勝ラウンドに進出できます。日本チームの1次ラウンドでのプレゼンテーションは、ベストを出し素晴らしいものでした。しかしながら、世界の壁は厚く、残念ながら2チームともに、1次ラウンドを突破することができませんでした。
上位に残ったチームに目を向けてみると、優れた発想力、高い熱意、粘り強さを感じさせるプロジェクトが多く見受けられましたが、これら3点では到達できないレベルの本格的なプロジェクトも多く、印象的でした。マイクロソフト製品の発では、アルファ版、ベータ版、リリース候補版、最終リリース版というマイルストーンを経て、開発プロジェクトを行いますが、上位チームの多くが、本格的な製品開発モデルを実行しながら、実使用を行うベータ版での十分なフィードバックを得て、フィードバックを最終的なプロジェクトに反映しています。しかも、チームによっては、この一連の開発サイクルを2回、3回と回した、Version 2や3となるプロジェクトを持ってくることでレベルを相当高いものにしていました。
毎年、レベルの向上が著しいイマジンカップですが、今後もこのような傾向が続くかについては、転換点にあるような気がします。今回も多くのプロジェクトが、新しい技術であるWindows Azure™やWindows Phone 7、KINECT™などを活用しましたが、これらを更に飛躍させるにはHTML5やJavaScriptをはじめとした最新のWebの技術の活用が不可欠です。今後は、クラウドや様々端末やデバイスの技術を活用し、Web 技術を積極的に取り入れて、プロトタイピングをしながらフィードバックを迅速に取り込みながら完成度を高めるという発想力を活かした短いサイクルでの開発プロジェクトが上位に食い込む傾向が出てくると思います。
イマジンカップに出場する多くの若者は、子供の頃からITを生まれた時からITを使いこなす「デジタルネイティブ」の世代ですが、最新の技術を積極的に活用しながら、これまでにない発想でイノベーションを起こします。将来にわたる新しい世代によるイノベーションが楽しみです。
写真:イマジンカップ 2011 各部門の優勝チーム
Posted by: 加治佐 俊一 (かじさ しゅんいち)20 Jul 2011 11:08 PM
マイクロソフト ディベロップメント株式会社 代表取締役 社長
兼 日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 最高技術責任者