[Blog翻訳] Messenger Connect のチャット コントロールについて
みなさん、こんにちは。Windows 開発統括部の古内です。連続して投稿している Messenger Connect に関する英語 Blog 記事翻訳の第三弾として、今日は 2010 年 11 月 3 日に Windows Live for Developers Blog に投稿された Introducing the Messenger Connect Chat Control の翻訳をお届けします。 画像が多く長い記事ですが、最後までお付き合いいただけたら幸いです。
Messenger Connect のチャット コントロールについて
マイクロソフトは、Messenger Connect がベータ段階を終え、世界中に向けて提供を開始したことを発表しました。今回は、私が担当している機能の 1 つである Messenger Connect の Chat Control (チャット コントロール) について、詳しい情報をお伝えしたいと思います。このコントロールを使用すると、みなさんのサイトを訪れた人々が、リアルタイムでチャットを楽しむことができます。チャット セッションはあらゆるユーザーに公開されます。ユーザーは、Hotmail や Messenger のアカウントとして使用している Windows Live ID でサインインするだけで、すぐにチャットに参加できます。
チャット コントロールには現在、light (淡) と dark (濃) という 2 種類のカラー テーマが用意されています。以下は、そのスクリーン ショットです。
チャット コントロールによってサイトの価値を高める
チャット コントロールを利用すれば、さまざまな方法でサイトの価値を高めることができます。その方法の一部を以下に示します。
ユーザーのサイトでの滞在時間を伸ばす
- サイトを訪れたユーザーは、サイト内のコンテンツについて他のユーザーとリアルタイムで意見を交わすことができるので、より熱心にコンテンツを利用するようになります。
- チャット コントロールはリアルタイムで行われるイベントに最適であり、優れたコメント記録ツールとしても活用できます。イベントのビデオ中継といったライブ コンテンツを提供する際、リアルタイムのチャット機能と組み合わせれば、お客様のサイトを訪れたユーザーどうしが、現在目にしているイベントを話題に交流することができます。また、チャット コントロールはチャットの履歴を一定期間保存できるため、記事などの静的コンテンツの横に追加すると、リアルタイム更新という今までにないメリットを持つ、優れたコメント記録用ガジェットとして活用できます。
既存ユーザーのソーシャル ネットワークを使って、新規ユーザーを獲得する
- ユーザー間の共有や友人の招待も簡単です。ユーザーは、自分の友人をチャットに招待したり、友人のニュース フィードへの投稿によってチャットを通知することができます。つまり、既存ユーザーのソーシャル ネットワークを通して、多くの新しいユーザーを獲得できるのです。
- ユーザーが友人を招待する際、サイトから移動することなく、チャット コントロール内で非公開の会話を開始できます。
- Windows Live アカウントと Facebook を紐付けしているユーザーは、Facebook の友人を簡単にチャットに招待したり、Facebook のウォール (掲示板) に書き込むことができます。
自身のサイトにリソースを追加することなく、高い拡張性を提供、追加作業も簡単
- チャット コントロールは、Messenger サービスの拡張性と信頼性に基づいて提供されます。また、ハードウェアや帯域幅を追加投資したり、サーバー側にコードを記述することなく、大規模なユーザーに対応できます。
- チャットコントロールは、サイトに簡単に追加できます。必要な作業は、アプリケーション ID を登録し、数行の HTML コードを追加することだけです。
思い通りに管理できる
- チャットの内容を管理することができます。メッセージを削除したり、サイト内の全チャットに対してユーザーの投稿をブロックすることも可能です。
- トピックに応じて、同じページに複数のチャットを作成できます
- 同じトピックに関する会話を、サイト内の複数のページに表示することができます。
- チャット コントロールは非同期で読み込まれ、IFRAME 内で実行されます。つまり、ページのロード時間やリソースなどに対する影響を最小限に抑えることができます。
外観について
チャット コントロールが実装されたサイトにアクセスすると、メッセージのライブ ストリームが表示されます。
ユーザーが参加を希望すると、Windows Live ID によるサインインを求められます。
サインイン後、メッセージを投稿できるようになります。ユーザーの友人が投稿したメッセージは、水色で強調表示されます。
黄色の矢印で示した [Friends (友人)] フィルターを使うと、友人のメッセージだけが表示されるようになります。
メッセージの投稿頻度が増えると、Messenger サービスは、参加者を複数の仮想サブグループに振り分け、メッセージがあふれないようにします。この場合でも、友人による投稿はすべて確実に表示されます。
招待と共有のエクスペリエンス
先のサインイン画面を見ればわかるとおり、友人とリンクを共有するかどうかを、チェック ボックスで選択できます。このチェック ボックスを選択すると、ユーザーの Windows Live のフィードに該当するページに関する情報が投稿されます。ユーザーが Windows Live アカウントと Facebook アカウントを紐付けしている場合は、Facebook のウォールにも同じ情報が投稿されます。
さらに、友人を招待してチャットに参加してもらうことができます。[Friends (友人)] タブをクリックすると、現在オンラインの友人が表示されます。
一覧から友人を選択して [Invite (招待)] をクリックすると、非公開の会話を開始できます。
招待を受けた友人は、Messenger にサインインしていれば、どこにいても会話を表示できます。
管理機能
管理機能も、チャット コントロールに欠かすことのできない要素です。アプリケーション ID の所有者、つまりアプリケーション ID を登録した Live ID を持つユーザーには、追加の権限が付与されます。アプリケーション所有者の Live ID でチャット コントロールにサインインすると、ユーザーの阻止 (ブロック) や任意のメッセージの削除などの機能を利用できます。
アプリケーション所有者にブロックされたユーザーは、そのサイト上のすべてのチャットでコンテンツを公開できなくなります。
当然のことながら、ユーザーは自分自身のメッセージを削除することもできます。
チャット コントロールをサイトに追加する
ページにチャット コントロールを追加する手順を詳しく見ていきましょう。以下は、チャット コントロールだけを配置した最小構成のページの例です。
以下に、重要な行について説明します。
- 4 行目 - wl XML 名前空間を宣言します。この名前空間は、Windows Live Messenger Connect のカスタム タグの追加に使用されます。チャット コントロールもこれらのタグに含まれています。
- 7 行目 - Messenger Connect ローダーを取得します。このクライアント側のローダーにより、ページの読み込み時間を低下させることなく、Windows Live のスクリプトが非同期で読み込まれます。
- 10 行目 - チャット コントロールのカスタム タグを追加します。
- 11 行目 - 自分自身のアプリケーション ID です。
- 15 行目 - ここに、会話のトピック名を指定します。同じ event-name 属性を持つ複数の チャット コントロールをサイト内に配置した場合、それらのコントロールではすべて同じ会話がレンダリングされます。
このページは静的 HTML ページにすることができます。サーバー コードは必要ありません。Messenger Connect ローダーがブラウザーに読み込まれると、クライアント側のコードが実行され、ページ内で 「wl」 のプレフィックスを持つ HTML タグが走査されます。その後、クライアント側のコードがいくつか実行され、HTML 要素がタグに追加されて、チャット コントロールがレンダリングされます。
アプリケーション ID を登録するには、https://manage.dev.live.com (英語) にアクセスしてください。
次のステップ
- Messenger Connect のチャット コントロールの詳細については、マイクロソフトが公開している Messenger Connect ドキュメント (英語) の Chat Control リファレンス (英語) を参照してください。
- Messenger Connect の機能については、Windows Live Developer Center (英語) にアクセスしてください。