[若葉マークブログ] 第 3 回 : システム データベースとは
みなさん、こんにちは。若葉マークブログの第 3 回は、システム データベースについてお話したいと思います。
システム データベースとは、SQL Server が動作する上で必要なデータベースで、master、msdb、model、Resource、tempdb の5つのデータベースがあります。以下の表をご参照下さい。
また、SQL Server 2012 の既定のインスタンス (MSSQLSERVER) におけるデータベースを構成するファイルの既定の場所も記載しております。
データベース |
説 明 |
master |
≪含まれる情報≫SQL Server のシステム レベルの情報・ログオン アカウント・エンドポイント・リンク サーバー・システム構成設定 など SQL Server の初期化情報を記録するための情報・他のすべてのデータベースの管理情報・他のすべてのデータベースの場所 ≪バックアップの推奨タイミング≫・データベース作成後、変更後、削除後・サーバーまたはデータベースの構成値の変更後・ログオン アカウントの変更後、追加後 ≪物理ファイル 既定の場所≫C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL11.MSSQLSERVER\MSSQL\DATA\master.mdfC:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL11.MSSQLSERVER\MSSQL\DATA\mastlog.ldf ≪備考≫master データベースが使用できない場合、SQL Server を開始できません。 |
msdb |
≪含まれる情報≫SQL Server エージェントによって使用される設定情報・警告・ジョブのスケジュール オンラインのバックアップおよび復元の履歴などの情報・バックアップの実行者名・バックアップ日時・バックアップが格納されているデバイスやファイルなど ≪バックアップの推奨タイミング≫・データベースのバックアップや復元など、msdb の更新操作後・警告やジョブの作成後 ≪物理ファイル 既定の場所≫C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL11.MSSQLSERVER\MSSQL\DATA\MSDBData.mdfC:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL11.MSSQLSERVER\MSSQL\DATA\MSDBLog.ldf |
model |
≪含まれる情報≫SQL Server のインスタンスで作成されるすべてのデータベースのテンプレート情報 ≪バックアップの推奨タイミング≫model データベースに対する変更後 ≪物理ファイル 既定の場所≫C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL11.MSSQLSERVER\MSSQL\DATA\model.mdfC:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL11.MSSQLSERVER\MSSQL\DATA\modellog.ldf ≪備考≫tempdb データベースは、SQL Server が起動するたびに、model データベースを元に作成されるので、model データベースは、常に SQL Server に存在する必要があります。 |
Resource |
≪含まれる情報≫SQL Server に装備されているシステム オブジェクト ≪バックアップの推奨タイミング≫Resource データベースは、バックアップできません。 ≪物理ファイル 既定の場所≫C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL11.MSSQLSERVER\MSSQL\Binn\mssqlsystemresource.mdfC:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL11.MSSQLSERVER\MSSQL\Binn\mssqlsystemresource.ldf ≪備考≫読み取り専用のデータベースであり、ユーザーのデータやユーザーのメタデータは保持されません。破損した場合は、セットアップメディアから再構築する事が可能です。その場合、サービス パックと修正プログラムがすべて失われるため、再適用する必要があります。 |
tempdb |
≪含まれる情報≫一時的なユーザー オブジェクト・グローバル一時テーブル / ローカル一時テーブル・一時ストアド プロシージャ・テーブル変数・カーソル ≪バックアップの推奨タイミング≫tempdb データベースは、バックアップできません。 ≪物理ファイル 既定の場所≫C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL11.MSSQLSERVER\MSSQL\DATA\tempdb.mdfC:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL11.MSSQLSERVER\MSSQL\DATA\templog.ldf ≪備考≫tempdb データベースは、SQL Server が起動されるたびに、再作成されるため、破損しても SQL Server を再起動する事により、再作成されます。一般的には、tempdb データファイルの数は、SQL Server が使用可能な CPU の数に一致させた方が高負荷時のパフォーマンス劣化を防ぐことができるとされています。 |
<参考情報>
システム データベース
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ms178028(v=sql.110).aspx
システム データベースのリストア手順
https://blogs.msdn.com/b/jpsql/archive/2013/08/16/10442187.aspx
DO’s&DONT’s #17: やっておいた方がいいこと - tempdb データファイル数を CPU 数に一致させる
https://blogs.msdn.com/b/jpsql/archive/2013/01/17/do-s-amp-dont-s-17-tempdb-cpu.aspx
★ 若葉マークブログ シリーズのご案内 ★本記事は、第 3 回となります。第 1 回 : トランザクションとは 第 2 回 : ロックとは 第 3 回 : システム データベースとは |