エラーイベント MRxSmb、ID:8003 が頻繁に発生する
みなさま、こんにちは。Network & Active Directory チームの 丸山 です。
今日は、最近お客様からのお問い合わせが増えてきております、コンピューターブラウジングのエラーイベント MRxSmb、ID:8003 について、ご案内をしたいと思います。
1. コンピューター ブラウジングについて
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まず、コンピューター ブラウジングに関しまして、簡単にご紹介します。
Computer Browser サービスでは、ファイルやプリンターを公開する Server サービスを開始している同じネットワーク上に存在するコンピューターを一覧表示します。
上記が示すコンピューターの一覧は「ブラウズ リスト(browse list)」と呼ばれ、[マイ ネットワーク] 、または NET VIEW コマンドの実行で確認することができます。
ブラウズ リストは、ネットワーク上の「ブラウザー」と呼ばれるコンピューターが管理しています。
ブラウザーでは、例えばどれか 1 台のブラウザーがダウンしても他のブラウザーが代わって機能し、同じネットワーク全体で最低でも 1 台以上のコンピューターがブラウザーとして機能するようになっています。
ブラウザーの中で、アクティブなものを「マスター ブラウザー」と呼び、これがブラウズ リストを代表して管理しています。マスター ブラウザーは同じネットワーク内の存在するコンピューターの中から自動的に選定され、同じネットワーク上のコンピューターの情報をホストしています。
また、その他のブラウザーは「バックアップ ブラウザー」といい、マスター ブラウザーがダウンした場合に代わってマスター ブラウザーとなります。
2. MRxSmb、ID:8003 について
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本イベントは、何らかの原因からマスター ブラウザーとして動作していたブラウザーがダウンし、バックアップ ブラウザーが代わってマスター ブラウザーとして機能し、元々マスター ブラウザーとして動作していたブラウザーが再度マスター ブラウザーに昇格しようとした際に発生いたします。
イベント記録例
本イベントの内容は、上述のように、マスター ブラウザーの競合によって発生するイベントであり、マスター ブラウザーとして動作しているサーバーが、他のコンピューターから自分がマスター ブラウザーとして動作しているということを示すアナウンスを受け取った時に記録されます。
3. エラー イベント MRxSmb、ID:8003 が記録される事での影響
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本イベントは、コンピューター ブラウジングに関して、マスター ブラウザーの選定に関する環境が不安定な状況にあることを示します。結果として、マイ ネットワークの参照に影響を与える可能性はありますが、それ以外について、サーバーに影響を与えるものではございません。また、マイ ネットワークの参照をおこなうような環境でも、その参照に問題が発生していない場合には、無視していただいても差し支えございません。
4. エラーイベント MRxSmb、ID:8003 が記録される原因および対策
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エラーの原因につきましては、一般的には以下の 4 つの原因が考えられます。それぞれで対応策が異なりますので、ご確認、ご実施をいただきまして、現象が回避するか否かお確かめください。
A) マスター ブラウザーのネットワーク環境が不安定な場合
マスター ブラウザーのネットワーク ケーブルが何らかの要因にて一時的に切断し、新しいマスター ブラウザーの選定が行われ、再度ネットワークへ戻された場合などに、本イベントが発生する場合がございます。
また、マスター ブラウザーのネットワークが一時的なダウンを繰り返していると、この間に別のコンピューターがマスター ブラウザーとなるため、元のマスター ブラウザーのネットワーク回復時に本イベントが発生する場合がございます。
--対応策
このような場合には一時的にイベントは発生しますが、マスター ブラウザーの選定の結果、優先度の高いコンピューターがマスター ブラウザーになりますので、特に対処する必要はありません。
B) サブネット マスクが不正である場合
クライアント コンピューターのサブネット マスクが正しく設定されていない、あるいは他サーバーのサブネットと異なっている場合に、本イベントが発生する場合がございます。
--対応策
イベント ログに記載されているコンピューター (サーバー アナウンスを送信しているコンピューター) の TCP/IP プロトコルの設定をご確認いただき、正しいサブネット マスクに設定し直す必要がございます。
=参考資料=
不正なサブネット マスクでイベント ID : 8003 8009 8019 が表示
https://support.microsoft.com/kb/143153/ja
C) ルーターが UDP ポート 137 および 138 をフォワードしている場合
ネットワーク上のルーターが UDP ポートの 137 および 138 をフォワードするような設定になっていると、他のマスター ブラウザーからサーバー アナウンスを受信してしまい、本イベントが記録される可能性がございます。
--対応策
UDP ポート 137、138 のフォワードを止めることで回避します。
=参考資料=
UDP 転送によって 8003 参照エラーが発生する
https://support.microsoft.com/kb/135464/ja
D) マルチホーム環境の場合
ネットワーク アダプター カードを複数利用するマルチホーム環境の場合、"Computer Browser" サービスが使用しているアダプターの切り替わりのタイミングなどに、本イベントが記録される場合がございます。
--対応策
イベントの記録元となっているコンピューターにて、"Computer Browser" サービスを [停止/無効] とする方法が有効でございます。
上記の内容が、本イベントのトラブル シューティングとして、お読みいただきました皆様のお役にたてれば幸いでございます。
万が一、上記の設定でも問題が解決できない場合は、弊社のサポート窓口へのお問い合わせをご検討くださいますよう、お願い申し上げます。
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