Azure Backup を使用して Azure Linux VM のバックアップからファイルを瞬時に回復 (プレビュー機能)
執筆者: Kartik P V R (Program Manager II, Azure Backup)
このポストは、3 月 16 日に投稿された Instant File Recovery from Azure Linux VM backup using Azure Backup – Preview の翻訳です。
先日、Azure Windows VM のバックアップからファイルを瞬時に回復する機能 (英語) が発表されました。この機能では、追加のコストやインフラストラクチャなしで Azure Recovery Services コンテナーからファイルを瞬時に回復できます。これに続いて本日、Azure Linux VM のバックアップでもこの機能がプレビューとしてリリースされました。Azure Backup を利用したことのない方は、Azure IaaS VM ブレードから直接バックアップを作成するとご利用いただけます。
価値提案
- ファイルを瞬時に回復 – Azure VM のクラウド バックアップからファイルを瞬時に回復できます。誤ってファイルを削除してしまった場合や、単にバックアップの検証を行いたい場合などにこの機能を利用して、データ復元にかかる時間を大幅に短縮できます。
- アプリケーション ファイルを復元せずにマウントが可能 – iSCSI ベースのアプローチにより、アプリケーション ファイルをクラウドの回復ポイントから直接開いてアプリケーション インスタンスにマウントすることができます。このとき、アプリケーション ファイルを復元する必要はありません。たとえば、mongoDB を実行している Azure Linux VM のバックアップの場合、データ ダンプ全体をダウンロードすることなく、クラウドの回復ポイントから BSON データ ダンプをマウントして、迅速にバックアップを検証したりテーブルなどのアイテムを個別に取り出したりできます。
Azure Linux VM のバックアップからファイルを瞬時に回復するには
基本要件
ダウンロードした回復スクリプトを実行するマシンは、以下の要件を満たしている必要があります。
- スクリプトを実行するマシン (回復マシン) の OS で、バックアップされた Linux VM に含まれるファイルの基盤となるファイル システムがサポートされており、認識可能である必要があります。
- 回復マシンの OS はバックアップされた VM と互換性があり、以下の表のバージョンのいずれかである必要があります。
Linux OS | バージョン |
Ubuntu | 12.04 以降 |
CentOS | 6.5 以降 |
RHEL | 6.7 以降 |
Debian | 7 以降 |
Oracle Linux | 6.4 以降 |
- 回復スクリプトを実行し、回復ポイントに安全に接続するには、Python と bash のコンポーネントが必要です。
コンポーネント | バージョン |
Python | 2.6.6 以降 |
bash | 4 以降 |
- 回復スクリプトでマウントしたパスを表示するには、ルート権限が必要です。
高度な構成
LVM/ソフトウェア RAID アレイからファイルを回復する
バックアップされた Linux VM で LVM/RAID アレイを使用している場合、ディスクの競合が発生するため、同一仮想マシンでスクリプトを実行することはできません。他の任意の回復マシン (上記の基本要件を満たすもの) でスクリプトを実行すると、関連付けられたディスクがアタッチされます (以下の出力を参照)。
LVM/RAID アレイのパーティションを表示しオンラインで稼働させるには、下記のコマンドを追加で実行する必要があります。
LVM パーティション
$ pvs <上記の出力に示されているボリューム名> – この物理ボリューム内のすべてのボリューム グループのリストが出力されます。
$ lvdisplay <前のコマンドの結果で得られたボリューム グループ名> – このボリューム グループ内のすべての論理ボリュームとその名前、パスのリストが出力されます。
$ mount <LV のパス> </マウント先のパス> – 指定したパスに論理ボリュームをマウントします。
RAID アレイ
mdadm --detail --scan – マシン内のすべての RAID ディスクの詳細が出力されます。バックアップされた VM に関連付けられた RAID ディスクとその名前が表示されます (</dev/mdm/<バックアップされた VM の RAID アレイ名>)。
RAID ディスクに物理ボリュームが存在する場合、ディスクを直接マウントすると、その中のボリュームがすべて表示されます。
$ mount [RAID ディスクのパス] [/マウント先のパス]
RAID ディスクが上位の LVM の構成に使用されている場合、上位の LVM を定義するプロセスを再実行して、入力時にボリューム名を指定します。
関連資料へのリンクと関連コンテンツ
- この機能に関するさらに詳しい情報が必要な場合は、Azure Backup からのファイルの回復に関するドキュメントをお読みください。
- 不明な点がありましたら、Azure Backup のフォーラム (英語) までお寄せください。
- Azure Backup についてのご要望やアイデアはフィードバック フォーラム (英語) までご投稿いただくか、既存のフィードバックにご投票ください。今後の開発に活用させていただきます。
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