VMware および Hyper-V 用 Azure Site Recovery Deployment Planner の一般提供を開始
執筆者: Nitin Soneji (Program Manager, Cloud + Enterprise)
このポストは、12 月 13 日に投稿された General availability of Azure Site Recovery Deployment Planner for VMware and Hyper-V の翻訳です。
今回、VMware および Hyper-V 用 Azure Site Recovery Deployment Planner の一般提供 (GA) が開始されました。このツールを使用すると、VMware や Hyper-V をご利用の企業のお客様は、オンプレミスのネットワーク要件、Azure Site Recovery のレプリケーションやアプリケーションのフェールオーバー テストまたはフェールオーバーを正常に実行するための Microsoft Azure のコンピューティングおよびストレージ要件について理解できます。
インフラストラクチャ要件を理解する以外にも、お客様は Azure への災害復旧 (DR) の合計コストを見積もる必要があります。そこで、今回の一般提供版では、お客様の環境における Azure への DR の推定コストの詳細が追加され、サブスクリプションに基づく最新の Azure の料金、サブスクリプションに関連付けられているサービス、指定された通貨のターゲット Azure リージョンを含むレポートを生成できるようになりました。Deployment Planner レポートでは、コンピューティング、ストレージ、ネットワーク、Azure Site Recovery ライセンスのコストを確認できます。
このツールの主な機能
- Deployment Planner は、オンプレミス環境に Azure Site Recovery コンポーネントをインストールすることなく実行できます。
- このツールは、運用環境のサーバーに直接接続されるわけではないため、サーバーのパフォーマンスに影響しません。すべてのパフォーマンス データは、運用環境の VM をホストする Hyper-V サーバー、VMware vCenter Server、VMware vSphere ESXi Server から収集されます。
Azure Site Recovery Deployment Planner で確認できる項目
Azure Site Recovery の概念実証 (PoC) から運用環境へのロールアウトに移行する際には、Deployment Planner を実行することを強くお勧めします。このツールで提示される詳細は以下のとおりです。
互換性評価
- Site Recovery を使用して Azure で保護する VM の適格性評価
ネットワーク帯域幅要件と RPO の評価
- 差分レプリケーションに必要な推定ネットワーク帯域幅
- Site Recovery で利用可能なオンプレミスから Azure へのスループット
- 特定の帯域幅で達成できる RPO
- 推奨値よりも低い帯域幅をプロビジョニングした場合の目的の RPO への影響
Microsoft Azure インフラストラクチャ要件
- 各 VM のストレージの種類 (Standard または Premium Storage アカウント) の要件
- レプリケーション用にセットアップする Standard および Premium Storage アカウントの合計数
- すべての VM のストレージ アカウントの配置
- テスト フェールオーバーまたはフェールオーバーの前にサブスクリプションでセットアップする Azure コアの数
- 各オンプレミス VM の Azure VM の推奨サイズ
オンプレミス インフラストラクチャ要件
- 初期レプリケーションと差分レプリケーションを正常に実行するために必要な Hyper-V ストレージの各ボリュームの空き容量
- Hyper-V レプリケーションに設定する最大コピー頻度
- VMware から Azure へのシナリオでオンプレミスにデプロイする必要がある構成サーバーとプロセス サーバーの数
初期レプリケーションのバッチ処理に関するガイダンス
- 初期レプリケーション時に並列して Azure にレプリケートできる VM の数
Azure への DR の推定コスト
- Azure への DR の推定合計コスト: コンピューティング、ストレージ、ネットワーク、Azure Site Recovery ライセンスのコスト
- VM ごとの詳細なコスト分析
- レプリケーション コストと DR ドリル コストを指定
将来的な成長の考慮
- 上記のすべての要素について、オンプレミス ワークロードの将来的な成長と使用量の増加を考慮
Deployment Planner の動作
Deployment Planner には、3 つの主要な操作モードがあります。
- プロファイリング
- レポート生成
- スループット計算
プロファイリング
このモードでは、指定した日数 (30 日など) にわたって保護するすべてのオンプレミス サーバーのプロファイリングを行います。このツールでは、VM がホストされている Hyper-V サーバー、VMware vCenter Server、VMware vSphere ESXi Server に接続して、読み取り/書き込み IOPS、書き込み IOPS、データ変更などの各種パフォーマンス カウンターや、コア数、ディスクの数およびサイズ、NIC の数といったその他の VM の特性が保存されます。
レポート生成
このモードでは、プロファイル データを使用して、Microsoft Excel 形式で導入計画レポートを生成します。このレポートは、仮想化の種類に応じて 6 ~ 8 枚のシートで構成されます。
- オンプレミス環境の要約
- 推奨事項
- VM からストレージへの配置
- 互換性のある VM
- 互換性のない VM
- オンプレミスのストレージ要件 (Hyper-V のみ)
- 初期レプリケーションのバッチ処理 (Hyper-V のみ)
- コストの見積もり
既定では、このツールはプロファイリングされたすべてのパフォーマンス メトリックの 95 パーセンタイル値を示し、30% の成長係数を考慮します。これらのパラメーター (パーセンタイル計算と成長係数) は変更できます。
スループット計算
このモードでは、オンプレミス環境から Microsoft Azure へのレプリケーションで達成できるネットワーク スループットを算出します。これにより、レプリケーション用に追加でプロビジョニングする必要がある帯域幅を特定できます。
Azure Site Recovery ではすべてのアプリケーションを Microsoft Azure に復旧します。そのため、災害復旧を行うには綿密な導入計画が非常に重要です。Deployment Planner を使用することで、新規または既存のデプロイメントを Microsoft Azure で実行する場合に、最も優れたレプリケーション エクスペリエンスとアプリケーション パフォーマンスを確保できます。
詳細については、「Hyper-V から Azure 用の Deployment Planner」および「VMware から Azure 用の Deployment Planner」を参照してください。