Azure AD Reporting API を利用して PowerShell より Azure AD のサインイン アクティビティ レポートと監査アクティビティ レポートを CSV ファイルで取得する方法
こんにちは、Azure & Identity サポート チームの 姚 (ヨウ)です。
Azure AD のサインイン アクティビティ レポートと監査アクティビティ レポートの保持期間は決まっており、例えばサインイン アクティビティであれば Azure AD Premium のライセンスがテナントに割り当てられていても 30 日です。
そのため、それ以前のデータを確認したい場合には、予めログをエクスポートしてバックアップしておく必要があります。
バックアップは、 Azure ポータルで行うことはできるのですが、手動で定期的にバックアップをすることは手間ですが、そのような場合には Azure Active Directory Reporting API を利用して PowerShell よりおこなうこともできます。
以下の公開情報では、それぞれのレポートを PowerShell スクリプトを用いて取得する方法を紹介しています。
Azure Active Directory サインイン アクティビティ レポート API のサンプル
/ja-jp/azure/active-directory/active-directory-reporting-api-sign-in-activity-samples
Azure Active Directory レポートの監査 API の例
/ja-jp/azure/active-directory/active-directory-reporting-api-audit-samples
しかし、上記の方法は、レポートを .json ファイル形式で保持し、取得する方法です。
json ファイル形式は以下のようになり、このままは利用しづらいフォーマットです。
ポータルからは以下のような .csv ファイル形式でダウンロードできますので、この形式で入手したいという要望をお持ちの方も多いと思います。
今回は PowerShell スクリプトで .csv ファイル形式で取得する方法を紹介します。
1. 以下の URL にアクセスし、 右上にある "Raw" を右クリックし、"対象をファイルの保存" をクリックし、azureadutils.psm1 をダウンロードします。 https://github.com/AzureAD/azure-activedirectory-powershell/blob/gh-pages/Modules/AzureADUtils/AzureADUtils.psm1
2. 任意の一時フォルダを作成し、AzureADUtils.psm1 をコピーします。
3. 管理者権限で PowerShell を起動し、AzureADUtils.psm1 をコピーした一時フォルダに移動します。
4. 次のコマンドを実行し、 Execution Policy Change の画面が表示されましたら "Y" を入力します。
> Set-ExecutionPolicy Unrestricted
5. 次のコマンドを実行し、モジュールをインポートします。このとき Security warning が表示された場合には "R" を入力します。
> Import-Module .\AzureADUtils.psm1
6. 次のコマンドを実行し、モジュールをインストールします。ここでも Security warning が表示された場合には "R" を入力します。
> Install-AzureADUtilsModule
7. これまでの PowerShell コンソールを終了し、新しい PowerShell を開始します。
8. 次のコマンドを実行し、再度モジュールをインポートします。ここでも Security warning が表示された場合には "R" を入力します。
> Import-Module AzureADUtils
9. 以下のドキュメントに記載された手順に従って、アプリケーションを登録し、"構成設定を収集する" に従って必要な情報を取得します。
Azure AD Reporting API にアクセスするための前提条件
/ja-jp/azure/active-directory/active-directory-reporting-api-prerequisites-azure-portal
10. テキスト エディタを開き、次の中身をコピーしたうえで、環境に合わせて赤字部分の内容を設定した上で、実行します。
これによりサインイン アクティビティ レポートと監査アクティビティ レポートを csv ファイルに取得できます。
===========================サインイン レポートの場合==================================
# Import AzureADUtils Module
Import-Module AzureADUtils
# Set parameters for the command
$ClientID = "<アプリケーションのクライアント ID>" # 手順の 9 で作成したアプリケーションのクライアント ID です。
$ClientSecret = ConvertTo-SecureString -String "<アプリケーションのクライアント シークレット>" -AsPlainText -Force # 手順の 9 で作成したアプリケーションのクライアント シークレットです。
$tenantdomain = "<対象のテナント ドメイン名>" # 利用されている Azure AD のテナント名です。例えば contoso.onmicrosoft.com です。
$Credential = New-Object -TypeName "System.Management.Automation.PSCredential" -ArgumentList $ClientID, $ClientSecret
# Get Access Token
$AccessToken = Get-AzureADGraphAPIAccessTokenFromAppKey -TenantDomain $tenantdomain -ClientCredential $Credential
# Set date range
$daysago = "{0:s}" -f (get-date).AddDays(-<採取したいログの過去の日数>) + "Z" # 例えば過去 30 日のデータを取得したい場合には $daysago = "{0:s}" -f (get-date).AddDays(-30) + "Z" とします。
#Getting logs
Invoke-AzureADGraphAPIQuery -TenantDomain $tenantdomain -AccessToken $AccessToken -GraphQuery "/activities/signinEvents?api-version=beta&`$filter=signinDateTime gt $daysago" | Export-Csv -Path "<出力ファイルのファイル名>.csv"
===================================================================================
==============================監査レポートの場合====================================
# Import AzureADUtils Module
Import-Module AzureADUtils
# Set parameters for the command
$ClientID = "<アプリケーションのクライアント ID>"
$ClientSecret = ConvertTo-SecureString -String "<アプリケーションのクライアント シークレット>" -AsPlainText -Force
$tenantdomain = "<対象のテナント ドメイン名>"
$Credential = New-Object -TypeName "System.Management.Automation.PSCredential" -ArgumentList $ClientID, $ClientSecret
# Get Access Token
$AccessToken = Get-AzureADGraphAPIAccessTokenFromAppKey -TenantDomain $tenantdomain -ClientCredential $Credential
# Set date range
$daysago = "{0:s}" -f (get-date).AddDays(-<採取したいログの過去の日数>) + "Z"
#Getting logs
Invoke-AzureADGraphAPIQuery -TenantDomain $tenantdomain -AccessToken $AccessToken -GraphQuery "/activities/audit?api-version=beta&`$filter=activityDate gt $daysago" | Export-Csv -Path "<出力ファイルのファイル名>.csv"
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- 参考情報
Azure AD のサインイン アクティビティ レポートと監査アクティビティ レポートについては、以下の公開情報も参考いただければと思います。
Azure Active Directory レポートの保持ポリシー
/ja-jp/azure/active-directory/active-directory-reporting-retention
Azure Active Directory 監査 API リファレンス
/ja-jp/azure/active-directory/active-directory-reporting-api-audit-reference
Azure Active Directory サインイン アクティビティ レポート API リファレンス
/ja-jp/azure/active-directory/active-directory-reporting-api-sign-in-activity-reference
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