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Internet Explorer 11 向けエンタープライズ モードを利用して最新の状態を保持する

本記事は、マイクロソフト本社の IE チームのブログ の記事を抄訳したものです。 

【元記事】Stay up to date with Enterprise Mode for Internet Explorer 11 April 4, 2014 12:03 AM

マイクロソフトは、企業のお客様が新しいソフトウェア、サービス、およびデバイスで最新の状態を保てるように、大きな一歩を踏み出しました。Windows 7 と Windows 8.1 への更新として今回発表された Internet Explorer 11 向けエンタープライズ モードは、旧バージョンの Internet Explorer に対する互換性の強化を実現し、このモードを使用する Web アプリケーションを管理するツールを提供します。

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企業は、レガシ Web アプリケーションへの投資を延長しながら、最新の Web 標準、パフォーマンスの改善、および最新ブラウザーのセキュリティ向上によるメリットを得ることができます。また、旧バージョンへの依存を軽減することによって、Internet Explorer は、お客様が Windows 8.1Office 365 などのサービス、および Surface Pro 2 などのデバイスで、最新の状態を維持できるようにします。

エンタープライズ モードで企業のお客様が最新の状態を保てるしくみ

現在、多くの企業が、新しい Web アプリケーションやサービスと、古い Web アプリケーションやサービスとの間に生じる問題を実感しています。前者は HTML5 や CSS3 のような最新の標準を要件とし、後者は旧バージョンの Internet Explorer 向けに設計されています。
レガシ アプリケーションには、概して多額の投資がなされており、長期にわたるライフサイクルを有しているため、これを所有する企業は、これらの Web アプリケーションを最新の Web 標準に更新できるようになるまで、どうしても旧バージョンの Internet Explorer に依存することになります。

2009 年に公開された Internet Explorer 8 は、Windows 7 向けの最初のブラウザーで、古い Web サイト用の「互換表示」のような革新的機能を備えていました。
IE8 は Windows XP でも動作するため、多くの企業と開発者が、Windows 7 への移行を円滑にするために IE8 で標準化する方法を選択しています。Net Applications の報告 (英語) によれば、Internet Explorer 8 はデスクトップ ブラウザー市場でいまだに 20% 以上のシェアを有しているということです。既にシェア多くは IE9、IE10、IE11 が IE8 に取って代わっていますが、多数の企業のお客様が現在も IE8 を使用して事業を運営しています。

Internet Explorer 11 向けエンタープライズ モードは、Internet Explorer 8 への下位互換性を強化することによってこの依存関係を打開する目的で開発され、両者の長所を活かすものとして、古い Web アプリケーションに行った投資の延長を可能にする最新ブラウザーを提供します。

エンタープライズ モードが強力な互換性を提供する方法

Internet Explorer 11 向けのエンタープライズ モードを設計するにあたって、エンジニアリング チームは、お客様から報告いただいた互換性の問題を検討し、一連の類似する問題を特定しました。

エンタープライズモードが対象とした分野には以下が含まれます。

  1. ユーザー エージェント文字列の違い:
    多数のレガシ Web アプリケーションが、現在のベスト プラクティスである機能検出ではなく、ブラウザー検出を使用しています。エンタープライズ モードはで、元の IE8 ユーザー エージェント文字列をレプリケートすることにより、サイトが IE8 をブラウザーとして認識できずにエラーが発生した場合に問題を解決します。

  2. ActiveX コントロールおよびその他のバイナリ:
    一部の ActiveX コントロールは、ブラウザー バージョンをクエリして、予想していない応答を受け取ったときに、メッセージを出さすにエラーを起こします。エンタープライズ モードでは、IE8 の応答を模倣することにより、これを回避します。テストにおいて、複数のお客様から、こうした ActiveX コントロールがエンタープライズ モードで「問題なく動作した」という報告をいただいています。

  3. 廃止された機能:
    Internet Explorer 8 は、オブジェクトを動的にページ上に配置するために使用されていた CSS Expressions のような独自機能の一部を現在も含んでいます。この機能は、Internet Explorer 9 以降のバージョンで削除されましたが、レガシ Web アプリケーションの中には、この機能を使用してボタンやその他の要素を配置しているものもあります。エンタープライズ モードでは、CSS Expressionsを含む、廃止された機能の一部を復活させます。
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    Web アプリケーションは、Internet Explorer 11 のエンタープライズ モード (右図) で表示されたとき、正しく動作します。アドレス バーの丸で囲まれたエンタープライズ モード アイコンに注目してください。

  4. 事前キャッシュおよび事前レンダリング:
    Internet Explorer 11 などの最近のブラウザーの多くは、より滑らかな閲覧のために、ページの事前キャッシュと事前レンダリングを行います。事前キャッシュされたリンクをクリックすると、事前レンダリングされたコンテンツ タブが表示され、1 つのタブが消えます。従来のナビゲーション コントロールにとって、この動作は紛らわしいため、エンタープライズ モードではこれを無効にします。

Internet Explorer 11 がエンタープライズ モードでページをレンダリングするとき、多数の設定とコードの変更によって、さまざまな部分で共通する互換性の問題を解消します。また、Internet Explorer 8 (ならびに IE8 の互換表示) を対象とすることによって、エンタープライズ モードは、Internet Explorer 7 のようなさらに古いバージョン用に設計されたサイトにまでメリットをもたらします。これは、仮想化ではなくエミュレーションです。エンタープライズモードは、IE11 内で IE8 のより円滑なエミュレーションを提供し、同時に、古い Internet Explorer 8 のバイナリを実行することに伴うパフォーマンス、セキュリティ、およびその他の多くの問題を回避します。

パフォーマンスに関して言えば、Internet Explorer 11 は過去 5 年間になされた改良で IE8 よりもはるかに高速になり、Web アプリケーションを 2 倍の速さで実行します。エンタープライズ モードは、ハードウェアアクセラレーションやネットワークの改良点、刷新されたレイアウト エンジンとスクリプトなどの改良点を活用します。
ブラウザーの評価にあたっては、実際のパフォーマンスが重要ですが、以下に示した JavaScript のテスト結果は、エンタープライズ モードを使った Internet Explorer 11 と、オリジナルの Internet Explorer 8 との圧倒的な速度の違いを示しています。実際にアプリケーションを実行して、ご自身で確認してみてください。

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Internet Explorer 11 向けエンタープライズ モードは、すべての互換性の問題を解消するものではありませんが、最も一般的な問題の多くに対処します。
いずれにしても、これはマイクロソフトにとって継続的に投資を行うべき分野であり、お客様が Internet Explorer の最新バージョンを使用して最新の状態を維持するための重要なステップなのです。

エンタープライズ モードの管理方法

Internet Explorer 11 向けエンタープライズ モードは、既定では無効になっています。レガシ Web アプリケーションのリストに対して有効にすると、IE11 は、ユーザーの Web 閲覧に伴って動的にエンタープライズ モードを切り替えます。
Internet Explorer ではシームレスなブラウズ エクスペリエンスが提供されるので、ユーザーは、「サイトごとにどのブラウザーを使うべきか」と気にする必要はありません。

企業の IT 担当者は、一元管理された XML リストまたはリスト グループを通じて、エンタープライズ モードでレンダリングするサイトとパスを制御することができます。たとえば、www.contoso.com/travel はエンタープライズ モードを使用し、www.contoso.com/erp は最新の「エッジ」標準モードを使用するといった設定が可能です。
以下のように、リストの管理用に新しい Enterprise Mode Site List Manager ツールが用意されています。(4/9 更新)

imageEnterprise Mode Site List Manager: 新規 (既定) パスとレガシ (エンタープライズ) パスをもつ CRM と ERP システム

新しいグループ ポリシーを使用して設定できる 2 つのレジストリ キーが、エンタープライズ モードを有効化/無効化し、XML リストへの URL パスまたはローカル リンクを提供します。たとえば、異なる部門または場所ごとに、異なるリストを使用して設定を行うことができます。

レジストリ キー

機能

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Internet Explorer\Main\EnterpriseMode] “Enable” = “” | {URL:port}

この設定では、互換性の問題がある Web サイトについてユーザーがエンタープライズ モードを有効化できるかどうかを決定します。このポリシーでは、オプションで、ユーザーがエンタープライズ モードを有効化または無効化するたびに (POST メッセージを通じて) レポートを入手する場所を指定できます。

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Internet Explorer\Main\EnterpriseMode]

“SiteList” = {File or URL}

この設定では、エンタープライズ モードを使用してオープンしたい Web サイトのリストの格納場所を指定できます。このリストは、新しい Enterprise Mode Site List Manager ツールを使って管理できます。

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エンタープライズ モードを有効化し、管理されたサイト リストを指定するレジストリ キー。“Enable“ キーは、指定された URL とポートに POST をトリガーすることもでき、特定の Web アドレスについてエンタープライズ モードが有効化または無効化されたことを通知します。これを取得することで、企業は自社のサイト リストを編集および管理することができます。

エンタープライズ モードが有効化されると、エンドユーザーは、[ツール] メニュー [オプション] によりページをエンタープライズ モードにすることができます。これは、全ユーザーに利用できるように設定することも、あるいはテストの目的で一部のユーザーのみに利用できるように設定することも可能です。
このレジストリキーは、手動でなされた変更を収集するためにも使用できます。有効な URL とポートで “Enable” キーを設定することにより、ユーザーがエンタープライズ モードを有効化または無効化するたびに、Internet Explorer は指定されたアドレスに対してシンプルな POST を開始します。
これによって、お客様は、自社ユーザーから互換 Web アプリケーションのリストをクラウドソーシングすることが可能になり、トリアージやテストのコスト削減につながります。

エンタープライズ モードについて更に詳しく知るには

Internet Explorer 11 向けエンタープライズ モードの詳細については、TechNet (順次、更新)、および What is Enterprise Mode? (英語) および BUILD のセッション Better App Compat with Enterprise Mode for Internet Explorer 11 (英語)を参照してください。

Internet Explorer 11 は、パフォーマンスの向上、セキュリティの強化、および今日の Web サイトやサービスの原動力となる HTML5 や CSS3 のような最新技術のサポートを提供します。
エンタープライズ モードで下位互換性を強化することによって、Internet Explorer 11 では、お客様が最新のブラウザーで最新の状態を維持し、新しいソフトウェア、サービス、およびデバイスの導入を推進できるよう支援いたします。