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IE10 で正確かつスピーディに入力する

本記事は、マイクロソフト本社の IE チームのブログ から記事を抜粋し、翻訳したものです。 

【元記事】Typing with Speed and Accuracy in IE102011/11/9 2:00 AM

正確かつスピーディな入力は、あらゆるソフトウェアで重視されるユーザー エクスペリエンスの一つです。物理キーボードのないデバイスについては、使いやすいテキスト入力機能を提供することが、いっそう重要になります。

Windows 8 は、あらゆるデバイスでスムーズにテキストを入力するための機能がいくつか用意されています。その 1 つがスペル チェック機能です。

Windows 8 のスペル チェック機能は、ユーザーがテキストを入力するのと同時にスペルの間違っている単語を特定します。一般的に間違いやすい単語は自動的に修正され、それ以外の単語については必要に応じて修正を適用できます。

Windows 8 では、スペル チェック機能をオペレーティング システム全体のあらゆるアプリケーションでサポートしており、IE10 もその 1 つです。もちろん、IE10 のブラウザー機能としてのスペル チェックも、これをサポートするすべてのバージョンの Windows (Windows 7 を含む) で提供されます。

自動修正

IE10 では、ブラウザーベースの自動修正が初めて実装されています。

よくあるスペルの間違いは、後から確認して修正するよりもその場で自動的に修正してもらう方が便利な場合があります。まれに自動修正によって余計な修正が適用されてしまうことがありますが、この場合も CTRL キーを押しながら Z キーを押す (“元に戻す”) か、マウスで自動修正のコンテキスト メニューを表示して、修正を取り消すことができます。

自動修正メニューは、マウスだけでなくキーボードからも表示することが可能です。修正したい単語内に挿入ポイントを移動して SHIFT キーを押しながら F10 キーを押します (この組み合わせは、あらゆるコンテキスト メニューの表示に使用されます)。このメニューから、今後この単語の自動修正が行われないように設定することもできます。

For auto-corrected words, press CTRL+Z to undo the change, or bring up a context menu for additional actions
自動修正された単語について、修正を取り消すには CTRL キーを押しながら Z キーを押す。その他の操作を実行するにはコンテキスト メニューを表示する。

Test Drive デモ ( 英語 ) で自動修正を試すことができます。リストにあるスペルを間違いやすい単語を入力すると、自動修正が適用されます。

単語の特定と修正操作メニュー

スペル チェックでは Office プログラムでおなじみの赤い波線が表示されます。

HTML の textarea 要素 (複数行の入力が可能なテキスト ボックス) または編集可能な HTML のコンテンツにテキストを入力すると、既定で、スペル チェック エンジンによって最後に入力した単語のチェックが実行されます。

単語のチェックには現在のキーボード入力言語に対応する辞書が使用されます。単語のスペルが間違っていたり、同じ単語が繰り返されていたりすると、誤入力の可能性ありとみなされ赤い波線でマークされます。スペルが間違っている可能性がある単語や繰り返されている単語の特定はバックグラウンドで行われるため、テキスト入力の妨げとはなりません。

The corrective actions menu has suggested alternate words and options to add the misspelled word to your custom dictionary or ignore the word. This works across all supported languages, including Portuguese (shown here).
修正操作メニューに表示された単語候補と、スペルの間違っている単語をユーザー辞書に追加する、または単語を無視するオプション。ここに示すポルトガル語を含む、サポートされているすべての言語で機能します。

修正操作メニューには、修正対象として特定された単語を置き換える単語の候補が表示され、このメニューから選択するだけで、単語が置き換えられます。さらに以下のオプションが用意されています。

  • 辞書に追加:
    Windows ユーザー アカウントには組み込みのユーザー辞書 (最初は空) が用意されており、頻繁に使用する単語をこの辞書に追加できます (私は自分の苗字をいつも追加しています)。Windows 8 ではこのユーザー辞書はローミングが可能で、クラウド経由でどの Windows 8 マシンでも使用できます。
  • 無視:
    現在のページ内に限り、その単語はスペルが間違っているとはみなされなくなります。しかしページを移動すると無視する単語のリストが消去されるため、スペルミスの可能性があるものとして再度マークされます。

各言語のスペル チェック

これらのスペル チェック機能 (自動修正、修正単語の特定と修正操作メニューの表示) は、ローカルの PC にインストールされているスペル チェック用辞書を使用します。Windows Developer Preview では、すべてのサポート対象言語のすべての辞書がプレインストールされています。旧正書法と新正書法があり、それぞれ異なるスペル規則を持つという言語も多くありますが、新設計の言語コントロール パネルでこれを切り替えることができます。Windows 8 では、スペル チェックのオプションはすべて言語コントロール パネルで管理できます。

Windows 7 では、IE10 のスペル チェック管理はブラウザーを通じて行います。これについては、今後の記事でより詳しく紹介する予定です。

The Windows 8 language options dialog for Portuguese (Brazil), including language reform variants
Windows 8 の言語オプション ダイアログ (ブラジル ポルトガル語。旧正書法、新正書法を選択可能)

Internet Explorer 10 は一般的な多くの言語でスペル チェックをサポートしています。サポートされているスペル チェック用辞書および言語/ロケール (新旧の正書法のスペル規則を含む) の一覧はこちらです。

きわめて特化されたスペル チェック用辞書が必要になる場合もあります。

たとえば、業界専門用語の辞書やラテン語など日常使用されない言語の辞書などがこれに当たります。こうしたケースに対応するために、Windows 8 のスペル チェック機能はサード パーティのスペル チェック エンジンをサポートしています。

サード パーティのスペル チェック エンジンをインストールすると、IE10 やその他すべての Windows コンポーネントで、これらを使用できるようになります。

 

Web 開発者向けのオプション

既に言及したように、textarea 要素と contenteditable 要素は既定でスペル チェックが行われます。ただし、単一行の入力ボックス (input type=text) に対するスペル チェックは、既定では行われません。これらは、Web サイトのユーザー名フィールドなどスペル チェックが適さない用途に使用されることが多いためです。

多くの場合は規定の設定が適切と思われますが、開発する Web サイトに応じて、これらの設定を変更することもできます。HTML5 で定義されている ‘spellcheck’ 属性を使用することで、開発者は要素およびその子要素すべての既定のスペル チェック動作を変更できます。

spellcheck=false 属性値を要素に追加することで、その要素自体と、その要素の子要素である textarea 要素contenteditable 要素、および input type=text 要素すべてのスペル チェックを無効にできます。スペル チェックを有効にするには、spellcheck=true と設定します。こうすることで、親要素のスペル チェック設定をオーバーライドできます。たとえば、1 つの例外を除いてページ内のすべての textarea 要素のスペル チェックを無効にしたい場合は、HTML 要素に spellcheck=false 属性値を追加し、例外となる textarea 要素に spellcheck=true 属性を追加します。

IE10 Test Drive のスペルチェックデモ ( 英語 ) でこれを実際に試してみることができます。

spellcheck 属性を使用することで、Web 開発者はユーザーのニーズに合わせて柔軟にユーザー エクスペリエンスをカスタマイズできるようになります。

 

スペル チェックと多言語

マイクロソフトの多くのユーザーは、複数の言語で会話や読み書きをされています。そのため、テキストを入力する際にスペル チェック エンジンが正しい言語を使用し、必要に応じて言語を簡単に切り替えられることが重要です。

IE10 では、以下の情報 (優先度の高い順に記載) の評価によって、スペル チェック対象言語が検出されます。

  • HTML の lang 属性。Web 開発者がサイトのデザインと意図に応じて、ページのどの部分がどの言語に関連付けられるかを制御できます (多言語を使用する場合)。
  • キーボード入力言語。Windows 8 では、ユーザーが簡単に言語を指定したり、その場で切り替えたりできます。テキストの入力中にスペル チェック エンジンの使用言語を切り替えるには、入力言語を変更します。2 つまたはそれ以上の言語 (またはキーボード レイアウト) が設定されている場合は、Windows キーを押しながらスペース バーを押します。タッチ キーボードについても、入力言語を切り替えるキーが用意されています。
  • 現在の表示言語 (Windows で使用している言語)。

Switch between keyboard input languages via Win+Space or by the language key on the touch keyboard
キーボード入力言語を切り替えるには、Windows バーを押しながらスペース バーを押すか、タッチ キーボードの場合は言語キーを使用する

スペル チェックは IE10 の機能であり、Windows 8 にシームレスに統合されていますが、Windows 7 ユーザーを含むすべての IE10 ユーザーがこの機能を利用できるようにしていくつもりです。Windows 7 における IE 10 の操作性については、今後の記事で詳しく紹介する予定です。

ブラウザーのスペル チェック機能によって、Web 利用時にテキストを正確かつスピーディに入力できるようになります。私自身、この機能のおかげでとても助かっています。私とオンラインでやりとりしている人たちも同じ思いのはずです!

—Internet Explorer プログラム マネージャー Travis Leithead