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新しい Exchange

原文の記事の投稿日: 2012 年 7 月 23 日 (月曜日)

先週の月曜、サンフランシスコでのイベント (英語)で、Steve Ballmer が新しい現代的な Office を世界に向けて紹介しました。Windows 8 との統合、サブスクリプション型の Office、および拡大されたソーシャルの使用例を始め、わくわくするような多数の機能が紹介されました。

Exchange は、Office におけるコミュニケーションとコラボレーションの基礎の 1 つです。過去数年間にわたり、私たちは、人々のコミュニケーションのありかたが大きく変化するのを目にしてきました。それは、多数のデバイス、情報の爆発的増加、複雑な法令遵守の要件、ソーシャル ネットワーク、そして数世代にわたる従業員といったものです。このようなコミュニケーションにおける課題には、クラウド サービスへの大きな転換が伴ってきました。

Exchange チームは、これらの課題への対応に役立つ製品とサービスを構築し、コミュニケーションと生産性の未来に向けてお客様がより適切に準備を整えられるように、心血を注いできました。この行程における重要なマイルストーンとなる Exchange の次のバージョンのプレビューが提供開始されたことを、発表できて嬉しく思います。

Exchange 2010 では、低コストで大容量のメールボックスとクラウド サービスを念頭に置いて製品をデザインし直しました。さらに、Office 365 を通じてこのビジョンを拡大し、クラウドへと向かうこの行程にはこれまでに数百万のユーザーを抱える数万件の組織が参加しています。お客様は、心躍るメリットを幅広くもたらす Exchange の新しいリリースにご期待ください。

  • お客様独自のニーズに基づいてソリューションをカスタマイズし、お客様の条件に合わせていつでもコミュニケーションを使用できるようにすることで、オンラインでも組織内の環境でもコントロールを維持します。
  • 組織内の規則や法令の要件を満たせるようにビジネス コミュニケーションおよび機密性の高い情報を保護することによって、組織を安全に保ちます。
  • 複数のデバイスにわたって増え続けるコミュニケーションの管理を支援することによって、生産性を向上させます。

先週、Exchange と Office 365 を含む Office の新バージョンがお客様に提供開始されました。皆様には、Exchange Server 2013 のプレビュー バージョンをダウンロードし、Office 365 Enterprise のサービス プレビューをお試しになることをお勧めします。これらは、プレリリース バージョンと同様に、プレビューとしてお使いいただき、実稼働環境にはお使いにならないでください。

Exchange の次のリリースで得られる大きなメリットの一部をご紹介します。

  1. 次世代のハードウェア向けに最適化することによってコストを削減

    Exchange は、8TB のディスク向けに最適化されています。これは、データベースの IOPS を 50% 以上減らし、ボリュームあたり複数のデータベースに最適化して総ディスク使用率を高めると同時に妥当なデータベース サイズを維持することによって実現しています。さらに増加したメモリ容量は、検索クエリのパフォーマンスを高め、IOPS を減らすために使用されます。これにより、お客様とそのエンド ユーザーは、より低コストでより大容量のメールボックスを持つことができます。

  2. 高可用性を実現するための運用のオーバーヘッドを大幅に削減

    DAG の管理が効率化されます。これは、自動的な DAG ネットワーク構成、DAG 管理コマンドレットの拡張機能、ディスクあたり複数のデータベースのサポート、および遅延コピーの拡張機能によって実現しています。DAG にもともと組み込まれている自動回復機能が、Exchange のその他の部分およびすべてのプロトコルにも拡大されています。クライアントから開始する自動回復によって、サイトの障害を数時間から 1 分以内にまで短縮できます。

  3. コントロールを維持しながら、システム管理に費やす時間を短縮

    Exchange では新たに、単一の使いやすい Web ベースの管理インターフェイスとして、Exchange 管理センター (EAC) が提供されます。ロール ベースのアクセス制御 (RBAC) によって、ヘルプデスクやスペシャリスト ユーザーに、特定のタスクを実行する権限が与えられます。これは、完全な管理アクセス許可を必要とすることなく、EAC に適切に取り入れられています。この合理化された直感的なエクスペリエンスは、Exchange の効率的な管理、タスクの委任、そしてビジネスの推進への注力に役立ちます。

    図 1:
    図 1: Exchange の次のリリースで提供される Exchange 管理センター (EAC)

  4. トラフィックの急増から Exchange の可用性を自動的に保護

    Exchange では、予期しないトラフィックの急増から保護するための、簡単に管理できるコントロールが提供されます。エンド ユーザーのエクスペリエンスおよび優先度の高いタスクを維持するため、対話型ではないシステム作業は自動的にピーク時以外の時間に延期されます。このように全体として向上したシステム スループットによって、頻度の低い予定外のピークに合わせて容量をプランニングする必要がなくなり、コスト削減につながります。

  5. お客様の条件に合わせたクラウド

    Exchange では、お客様の条件に合わせてクラウドに移行するためのツールを提供します。これは、お客様の業務ニーズに応じて、夜間にクラウドに配置するのか、組織内とオンラインのメールボックスを使用してハイブリッド環境を容易に管理するのかにかかわらず、使用できます。社内ユーザーとオンライン ユーザーの間での予定表の共有や会議のスケジュール設定など、シームレスなエクスペリエンスをエンド ユーザーに提供し、ユーザーのメールボックスが環境間でスムーズに移動するときには、ユーザーの作業の中断を最小限に抑えます。プレビューを通じて今後の拡張機能を徹底的にテストしていただくことで、クラウドでのコントロールを維持してください。

  6. 電子メールをマルウェアから自動的に保護

    Exchange では、組み込みの基本的なマルウェア対策保護が提供されます。管理者は、Exchange 管理センター内から直接、保護設定を構成、管理できます。統合されたレポート作成機能により、トレンドの高まりを可視化します。この機能は、無効にすることができます。または、Exchange Online Protection などのプレミアム サービスで置き換えるか、組み合わせて、階層型の保護を実現できます。

  7. データ損失防止 (DLP) 機能によって、機密性の高いデータを保護し、組織内の法令遵守ポリシーについてユーザーに通知

    ユーザーが誤って機密性の高い情報を許可のないユーザーに共有してしまわないように、組織を安全に保ちましょう。新しい Exchange DLP 機能は、詳細なコンテンツ分析によって、機密性の高いデータを特定し、監視、保護します。Exchange は、PII や PCI などの規制基準に基づいて、組み込みの DLP ポリシーを提供します。また、お客様の業務にとって重要なその他のポリシーをサポートできる拡張性を備えています。Outlook の新しいリリースで新たに提供される、ポリシーに関するヒントは、コンテンツの作成中にポリシー違反について、また、組織の基準に従って情報をどのように扱うべきかについてユーザーに通知します。

    図 2:
    図 2: データ損失防止 (DLP) 機能によって機密性の高いデータを保護

  8. 法令遵守責任者は、Exchange、SharePoint および Lync にわたって 1 つのインターフェイスからインプレース電子情報開示を実行可能

    組織全体にわたって変わりなくデータを保持し、開示できる機能は、社内規則や法令の遵守を確保するのに不可欠です。法令遵守責任者は、新しい電子情報開示センターを自立的に使用して、Exchange、SharePoint、および Lync からの組織のデータの特定、保持、分析を行うことができます。また、データは常にインプレースに置かれたままなので、別個のストアを管理する必要はありません。電子情報開示センターを使用することで、複雑な法令遵守のニーズの管理コストを削減すると同時に、予想外の事態に対して準備を整えることができます。

    図 3:
    図 3: Exchange、SharePoint、および Lync にわたって 1 つのインターフェイスからインプレース電子情報開示を実行

  9. 法令遵守を背後で適用しながら、ユーザーが自然に共同作業できるようにする

    サイト メールボックスによって、Exchange の電子メールと SharePoint のドキュメントが一元化されます。このメールボックスは、ファイリング キャビネットのように、プロジェクトの電子メールやドキュメントを保管するもので、プロジェクト メンバーだけが閲覧できます。SharePoint によってドキュメントの格納域、共同編集、およびバージョン管理が提供される一方で、メッセージングは Exchange によって処理され、Outlook の新しいリリース内で包括的なユーザー エクスペリエンスが実現します。法令遵守ポリシーはサイト メールボックス レベルで適用され、ユーザーには透過的なので、ユーザーの生産性が維持されます。

    図 4
    図 4: サイト メールボックスが Exchange の電子メールと SharePoint のドキュメントを一元化

  10. 最新のパブリック フォルダーによって、共有された会話やディスカッションの管理と保存が便利に

    パブリック フォルダーが Exchange Online で利用可能になりました。パブリック フォルダーは、組織内とオンラインの両方で、ユーザーがすでに慣れ親しんでいる同じ機能を備えています。さらに、通常のメールボックスが持つ記憶域、インデックス作成、HA の機能を共有することで、エンド ユーザーの検索を通じてパブリック フォルダーの内容を見つけることができます。

  11. すべての画面で、タッチに最適化された、直感的で目を見張るようなエクスペリエンスをユーザーに提供

    エンド ユーザーは、クリーンですっきりしたエクスペリエンスを使用して、どこからでも、より多くのことを行えるようになります。使いやすく直感的な新しい Windows 8 スタイルのエクスペリエンスを、Outlook と OWA にわたって利用できます。OWA のユーザー エクスペリエンスは、PC、スレート、電話機といった、あらゆるフォーム ファクタとサイズに応じて美しく配置され、タッチとモーションを十二分にサポートする最新のユーザー エクスペリエンス表現を取り入れています。OWA では、デスクトップ、スレート、および電話機のブラウザー向けに 3 つの異なる UI レイアウトが提供されます。

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    図 5: すべての画面で、タッチに最適化された、直感的で目を見張るようなエクスペリエンス

  12. OWA のオフライン サポートにより、ユーザーは、オフラインでも、接続が途切れがちなネットワーク上でも生産性を維持

    ネットワーク接続がない場合でも、OWA をブラウザーで起動して作業を始めることができるようになりました。次に接続が回復したときに、電子メールやアクションは自動的に同期されます。このため、接続が低速または途切れがちであったり、ネットワーク接続がまったくないようなリモートの場所でも、ユーザーは OWA の優れたエクスペリエンスを使用し、生産性を維持することができます。

  13. すべての連絡先を一元化し、自動で最新の状態を維持

    プロフェッショナルな人のつながりは、多くのさまざまな場所に存在します。Office 365 では、ユーザーが LinkedIn (将来的にはその他のネットワークにも対応) から連絡先情報をインポートし、すべての情報を 1 か所に集約することができます。Exchange は、ユーザーの個人用連絡先、GAL、その他のネットワークの中から同一人物を見つけ出し、それらの情報を 1 つの連絡先カードに統合することで、それぞれ情報の異なる複数の重複した連絡先カードが存在しないようにします。

    図 6
    図 6: Exchange の GAL、個人用連絡先、その他のネットワークからすべての連絡先を集約

  14. 最新の人の検索機能によって正しい人物をすばやく検索

    人の検索は、People ハブから、電子メール作成時のニックネーム キャッシュに至るまで、どこでも一貫したエクスペリエンスで使用できます。検索は、個人用連絡先、GAL、ネットワークなど、すべての連絡先情報にわたって実行されます。検索結果は関連度に基づいており、写真、電話番号、位置情報などの豊富な検索結果を含みます。

    図 7
    図 7: 個人用連絡先、GAL、ネットワークにわたって正しい人物をすばやく検索

  15. 更新されたキャンバスによって、予定表が誰にでも、より使いやすく

    Outlook と同様に、OWA でも、予定表に直接入力することでアラームと To Do をシンプルに追加できるようになります。ユーザーは、一目で分かる日やアイテムの "プレビュー" をすばやく確認できます。日、週、および月の新しいビューでは、月間表示と予定一覧 (いわゆる "Mogenda") ビューのように、時間の管理が簡単になります。

    図 8
    図 8: 日、週、および月の新しいビューを使用して簡単に時間を管理

    図 9
    図 9: 予定表アイテムの "プレビュー" は有用な情報を表示

  16. Office Marketplace のアプリを統合することで Outlook と OWA を簡単にカスタマイズ

    電子メールや予定表にコンテキスト情報と機能を追加する、Outlook 向けのサード パーティ アプリを使用して、ユーザーの生産性をさらに向上させましょう。Outlook 向けのアプリは、新しいクラウド ベースの拡張性モデルを使用して簡単に開発できます。スレートおよび電話機に最適化された OWA のレイアウトも含め、新しいリリースの Outlook と OWA で同じアプリが動作します。ユーザーと Exchange 管理者は、Office Marketplace で簡単にアプリを見つけてインストールすることができます。また、さまざまなエンド ユーザーが使用できるアプリを制御できます。

    図 10
    図 10: Outlook と OWA を Office Marketplace のサード パーティ アプリでカスタマイズ

これは、Exchange の次のリリースについて説明する一連のブログ投稿の最初の投稿です。これ以降の投稿では、ここで説明した機能すべてを含め、機能一式について詳しく説明していきます。

Exchange の次のリリースについて状況を確実に把握するには、次のリンクをご利用ください。

いつものように、皆様のコメントとフィードバックをお待ちしています。Exchange Server 2013 フォーラム (英語) も開設されており、私たちはここを定期的にモニターして皆様のフィードバックを収集しています。

Exchange に関心をお寄せいただきありがとうございます。この製品の次のバージョンが、皆様にとってできるだけ魅力的で革新的なものであるように祈っています。チーム全員でフィードバックをお待ちしています。

Rajesh Jha
副社長
Exchange

これはローカライズされたブログ投稿です。原文の記事は、「The New Exchange」をご覧ください。