待望の ASP.NET MVC 3 RTM リリース! NuGet, WebMatrix, Orchard などなど Web 開発が新次元へ
とうとうリリースラッシュがやってきました!ここ数日はかなりドタバタで、US 本社チームはもちろんのこと、日本でも私が属する Web プラットフォーム推進部は大忙しの状態です。
ほんとうに数多くの Web 開発関連の製品が同時にリリースされてきましたので、まずは少し整理しておきましょう。ちなみに、製品と書きましたが、すべて 無償 のものばかりです。
ASP.NET MVC 3
早くも ASP.NET MVC がバージョン 3 として正式リリースとなりました。初期バージョンの ASP.NET MVC 1.0 が、2009 年 4 月に Visual Studio 2008 SP1 (.NET Framework 3.5 SP1) の追加コンポーネントとしてリリースされてから、まもなく 2 年が経ちます。で、早くも俗にいうマジックナンバー3となる MVC 3 がリリースされたわけです。さすがにバージョン3ともなると、細かい機能も含めてかなり洗練されてきていますね。そうです、はい。お試し期間は過ぎましたよー。本格採用に向けて、ぜひご検討ください☆
さて、その ASP.NET MVC 3 のセットアップのお話です。
ダウンロード は下記の 2 つの方法があります。
● Web Platform Installer 3.0 (Web PI 3.0) 経由でインストール
https://www.microsoft.com/web/gallery/install.aspx?appid=MVC3
● ダウンロードセンターからパッケージをダウンロード
https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkID=208140
いずれの方法でも、必要なコンポーネントはすべて一括でインストールされます。インストールされるコンポーネントは下記の通りです。
- ASP.NET MVC 3 ランタイム
- ASP.NET MVC 3 Visual Studio 2010 (Visual Web Developer Express 2010) Tools
- ASP.NET Web Pages ランタイム
- ASP.NET Web Pages Visual Studio 2010 (Visual Web Developer Express 2010) Tools
- NuGet (Microsoft Pacakge Manager)
- Visual Studio 2010 Razor 対応アップデート (KB2483190)
これらに加えて、現在リリース準備中の日本語パッケージをセットアップすると、ランタイムと VS 2010 Tools それぞれの日本語版が加わります。下記スクリーンショットは、現在の私の環境の ASP.NET MVC 3 関連でセットアップされているプログラムの一覧です(クリックして拡大)。
※なお、こちらの VWD Team Blog に書かれている通り、Visual Studio 2010 SP1 Beta との組み合わせでは、いくつか既知 の問題があります。可能であれば Visual Studio 2010 SP1 Beta をお使いの場合には、可能であれば SP1 をアンインストールすることをオススメします、とも書かれています。Visual Studio 2010 SP1 RTM になれば、問題は Fix されるはずです。もう少し辛抱を・・・
※また、MVC 3 Beta や RC, RC2 版をお使いの場合は、今回の ASP.NET MVC 3 RTM 版をインストールする前に、念のためそれらをアンインストールしておくと気持ちいいと思います。アンインストール対象は、上記のインストールされるコンポーネントの Beta, RC, RC2 版などです(表記上では RC, RC2 などの記載はない場合がありますが、RTM 以前のものをインストールしている場合は、上記の一覧をご参考にしてアンインストールしてみてください)。
なお、NuGet のアンインストールは、まず、Visual Studio 2010 の拡張機能マネージャー ([ツール] ー [拡張機能マネージャー])から NuGet Package Manager を選択してアンインストール ボタンを押します。このとき、アンインストール ボタンが無効化されていて押せない場合は、Visual Studio 2010 を管理者権限で起動 してください。そのあと、コントロールパネルのプログラムのアンインストールに表示される NuGet をアンインストールすると完璧です。
ASP.NET MVC 3 の新機能もさまざまありますが、特に、新しい Web ページ記述構文 “Razor” を用いて ASP.NET Web Pages (.cshtml / .vbhtml) 形式で MVC のビューを記述できるようになったことが注目機能です。
Razor 構文 (.cshtml) を使ったビュー( HTML5 対応の DOCTYPE 宣言がされている )
今後、新機能については詳しくご紹介していきたいと思っています。また、これらを含む ASP.NET MVC 3 新機能については、弊社 MSDN オンラインをはじめ、様々なオンラインメディアでいろいろな記事が公開される予定でもありますので、逐次それらをご参照いただければと思います。
加えて、ASP.NET の MVP として活躍されている ナオキさん や、みについ、みにもば を開発されている shiba-yan さん、そして、ディープダイブな ASP.NET 使いの たけはらさん、Azure MVP の 割と普通さん など、多くの方々が、さまざまな ASP.NET MVC 関連の情報を書いてくださっていますので、ぜひこれらもご参照いただければと思います。
そして、さらに、ASP.NET MVC 3 のソースコードを見てみたい!というみなさまは、下記からソースコードをダウンロードすることができます。
- ASP.NET MVC 3 ダウンロード ページの mvc3-rtm-mspl.zip
こちらは、Razor エンジンのコードなどは含まれません。 - CodePlex: ASP.NET ページの MVC 3 RTM ソースコード
こちらは、Razor エンジンまわりも含んだコードとなっています。
NuGet
NuGet Pacakge Manager は、さまざまなオープンソースのライブラリなどを、面倒なダウンロードやファイルのコピーなどをおこなわなくても、簡単に Visual Studio 2010 の Web プロジェクト (Web フォーム、ASP.NET MVC) に追加できる拡張機能です。Visual Studio 2010 の [ツール] ー [Library Package Manager] ー [Add Library Package Reference] または、ソリューション エクスプローラーのプロジェクト名または参照設定を右クリックして表示される [Add Library Pacakge Reference] から、下記のダイアログを開いて GUI ベースでパッケージを入手できます。
さらに、Visual Studio 2010 の [ツール] ー [Library Package Manager] ー [Package Manager Console] からコンソールウィンドウを開いて、コマンドベースで必要なパッケージをプロジェクトに追加することもできます。
GUI ベースでの NuGet Package Manager の利用
コマンドベースでの NuGet Package Manager の利用
NuGet の詳細情報は下記をご参照ください。
- CodePlex: NuGet Getting Started
https://nuget.codeplex.com/wikipage?title=Getting%20Started - Package Manager Console Commands
https://nuget.codeplex.com/documentation?title=Package%20Manager%20Console%20Command%20Reference
また、NuGet Gallery サイトからも NuGet で利用できるさまざまなライブラリを参照したり、新しいライブラリを登録したりもできます。
- NuGet Gallery - https://nuget.org/
WebMatrix 1.0
上記の Visual Studio 2010 ベースの Web 開発フレームワークである ASP.NET MVC 3 に加え、今回はさらに、新しい Web サイト構築の無償ツールである WebMatrix 1.0 も正式リリースになりました。
WebMatrix のインストールは Web PI 3.0 からおこなうことができます。
WebMatrix 1.0 及び Web PI 3.0 のダウンロード、インストールはこちらから
WebMatrix は、同時にリリースされた IIS 7.5 Express や SQL Server Compact 4 Edition, そして、ASP.NET MVC 3 でも使用できるようになった Razor 構文による ASP.NET Web Pages を使って、簡単に Web サイト構築ができるツールです。こちらは、これから Web 開発をはじめられるみなさまに最適なツールとなっています。
Orchard 1.0
そして、もう一つ、着々と開発がすすめられていた ASP.NET MVC 3 ベースの CMS である Orchard が、めでたく 1.0 となっています。
こちらを使用すると、ASP.NET, IIS ベースで簡単に Web サイトを構築していくとこができます。さらに、Orchard Gallery では、この Orchard で使用できるさまざまな追加モジュールやサイト テーマが公開されています。
なお、この Orchard は、Web PI 3.0 や WebMatrix の Web ギャラリー から、簡単にセットアップすることができます。
Web PI 3.0 から Orchard をインストール
WebMatrix の Web ギャラリー からインストール
こちらも、ぜひお試しください。
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2011 年、マイクロソフトの Web 開発が新たな次元へ大きく進化します。ASP.NET MVC 3 と Razor, そして Visual Studio 2010 や WebMatrix を活用して、最新の Web 開発プラットフォームを体感してみてはいかがでしょうか。