Power BI for Office 365 の機能とは
(この記事は 2013 年 7 月 8 日にOffice 365 Technology Blog に投稿された記事の翻訳です )
投稿者: Andy O'Donald、投稿日: 7 月 8 日
今回は、Microsoft Office 部門プロダクト マーケティング マネージャーであり、それぞれ Excel と Business Intelligence を担当している Ari Schorr と Seayoung Rhee の投稿をご紹介します。
Power BI for Office 365 は、Excel および Office 365 上で企業データから有益な情報を引き出せる、強力で斬新なセルフサービス型のビジネス インテリジェンス (BI) サービスです。社内外のデータの検索、検出、アクセスを簡単に実行でき、また、数クリックの操作でそのデータを図形化、変換できます。さらに、分析機能や卓越したインタラクティブな視覚化機能により、データに隠された情報を見つけ出し、場所やデバイスをほとんど選ばずに共有したりコラボレーションしたりすることが可能です。
主な機能
Excel 2013 上で使用できる、強力なセルフサービス型 BI: マイクロソフトは、非常に強力な BI ソリューションを各種開発し、Excel 内に直接組み込んでいます。これらのソリューションは、1 つのセルフサービス型 BI ソリューションとして、データの検出、分析、および視覚化のプロセスをまとめました。これは、企業ユーザーが保持しているデータからより多くの情報を得るために欠かせないものです。ソリューションには、次の機能が備わっています。
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- データの検索と検出には、以前提供されていた Data Explorer に代わって、Power Query が導入されました。新たにデータ検索エンジンを作成し、ユーザーは社内データ ソースや、インターネット上の社外データ ソースから、Excel だけでデータを照会できるようになりました。また、社内用の検索エンジンの開発をパートナーと共同で進めており、ビジネス ユーザーはこのエンジンをカスタマイズして、よくアクセスするデータ ソースをインデックス化できます。さらに、Power Query では複数のソースからデータ セットのクリーニングや統合を行うことが可能で、IT 担当者や BI ユーザーはデータの管理に手間取る必要がなく、データから有益な情報を引き出す作業に集中できます。
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- データの分析やデータ モデルの作成には、引き続き Power Pivot をお使いいただけます。Power Pivot では、Excel で柔軟性の高いモデルを作成できるため、SQL Server のインメモリ データベースを使用して、大規模なデータ セットを高速に処理することが可能です。ユーザーは必要に応じてモデルをカスタマイズできます。この際、Excel だけでカスタマイズできるため、コーディングは不要です
- データの視覚化と探索には、Power View のほか、以前 "GeoFlow" というプロジェクト コードネームで呼ばれていた Power Map を導入しました。Power View では、ユーザーがデータを操作し、表やグラフなどを作成してデータを視覚化することができます。これは、プレゼンテーションやレポートの作成にたいへん役立ちます。Power Map は、地理空間的/時間的データを地図上に表示し、分析および対話式操作を可能にする、3D データ視覚化ツールです。最大 100 万行のデータを Bing Maps に 3D でプロットし、地理的空間でデータを閲覧できると共に、スクリーンショットのスライドや、映画のようなガイド ビデオ ツアーを使用して分析情報を共有することができます。
Office 365 と連携して、常にデータアクセスが可能 : 今回ご紹介するツールはすべてセルフサービス型 BI を実現するためのものですが、ビジネス ユーザーが BI サイロ内で作業を行った場合には、企業全体にもたらされるデータの潜在的な価値は大幅に低下してしまいます。このため、これらすべての Excel 機能を、Office 365 と連携してクラウドで使用できるようにしました。これにより、ユーザーは信頼性が確保された管理環境で、BI レポートやモデルをデスクトップ、Web、各種デバイスの間で共有、アクセスすることができます。
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- データから得られる分析情報を共有して疑問をすばやく解消できるように、マイクロソフトは BI サイトを作成しました。企業が所有する信頼性が確保された環境内において、BI ユーザーは Office 365 上に手早くワークスペースを作成することにより、同僚とのワークシート共有、分析情報や結果を活用したコラボレーション、データやレポートの迅速な検索が可能になります。BI サイトの主要機能として、自然言語によるクエリ エンジンとデータ管理ゲートウェイの 2 つが挙げられます。自然言語によるクエリ エンジンを組み込んだことで、IT 担当者は、ユーザーが特定のデータ セットを迅速かつ簡単に検索できるようにカスタマイズ可能になりました。もう 1 つのデータ管理ゲートウェイは、IT 担当者が内部データ ソースへの接続を確立して、Office 365 で BI サイトに発行されるレポートをオンデマンドでまたは定期的に更新し、ユーザーが常に最新のデータを閲覧できるようにするものです。
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- データ管理を効率化するため、Power BI for Office 365 は企業の IT 組織を強化し、ユーザーがデータ スチュワードになるよう支援します。これにより、ユーザーは同僚の資格情報を基に、公開されているデータ セットに対してアクセス許可を付与できます。さらに、データ セットにアクセスしたユーザーやそのアクセス頻度を追跡可能で、どのデータの重要度が高いのかをより詳しく把握することができます
- ユーザーがほとんど場所を選ばず接続を確立できるように、接続型 BI エクスペリエンスを作成しました。BI ユーザーは、HTML5 対応ブラウザーや、タブレットやタッチ操作対応デバイス向けに設計されたモバイル アプリケーション (Microsoft Power BI for Windows や Microsoft Power BI for iPad1 など) を通じて、最新状態に更新されたレポートに随時アクセスし、受信することができます。
既存のデータからビジネスに役立つ知見をすばやく見出せる企業は、今後 10 年間でライバル企業に差をつけることができます。あらゆるデータに簡単にアクセスできる、既存の IT システムを拡張できる、ユーザーが使い慣れたツールでデータ分析情報を入手できる、強力なセルフサービス型 BI ソリューションをすばやく展開できるといった機能を活用すれば、競合他社との差別化を図るうえで、たいへん重要な推進材料となります。マイクロソフトは、独自の路線として、こうした新しいソリューションを導入する企業を支援しています。これらの機能を 1 つの完全なクラウドベース製品にまとめて提供することができるのは、マイクロソフトだけです。
Power BI for Office 365 の詳細については、後述の「よく寄せられる質問」をお読みください。また、今夏末にプレビュー版をリリース予定です。こちらのページ (英語) からお申込みいただけます。
よく寄せられる質問
Q: このサービスは、顧客にとってどのようなメリットがありますか。
Power BI for Office 365 は、各種ビジネス ニーズに対応する強力なプラットフォームで顧客を支援します。たとえば、ビジネス ユーザーが使い慣れている Excel 環境でセルフサービス型 BI ソリューションをネイティブに提供すること、およびデータ アクセスやコラボレーションを実現するため Office 365 と連携してクラウドで BI を使用できるようにすることが挙げられます。ビジネス ユーザーがデータ セットやデータ モデルを簡単に公開して同僚と共有できるだけではなく、会社からデスクトップで、自宅から Web を経由して、外出先でモバイル デバイスからなど、ほとんど場所を選ばずデータにアクセスできます。また、IT 担当者向けには管理ツール セットが提供されるので、企業が所有する信頼性が確保された環境内でオンプレミスのデータ ソースと外部データ ソースの両方を安全に活用できると同時に、このデータに関連する従業員のコラボレーションをモニタリングすることができます。これは、データ分析情報をより高度に活用する方法を模索している企業には欠かせないステップであり、IT 担当者はビジネス ユーザーの可能性を広げることができます。
Q: Excel で、どのようなビジネスインテリジェンス機能を使用できますか。
マイクロソフトは、非常に強力なビジネス インテリジェンス ソリューションを各種開発し、Excel 内に直接組み込んでいます。これらのソリューションは、1 つのセルフサービス型 BI ソリューションとして、データの検出および視覚化のプロセスをまとめました。これは、企業ユーザーが保持しているデータからより多くの情報を得るために欠かせないものです。
Q: Office 365 と連携することで、どのようなメリットがありますか。また、どのような機能が使用できますか。
Power BI for Office 365 を使用すると、いつでもどこからでも、クラウド経由でデータ接続やコラボレーションが実現されます。Office 365 との連携により、信頼性が確保された管理環境で、BI モデルをデスクトップ、Web、および各種デバイスの間で共有、アクセスすることができます。
Q: モバイル BI 製品の概要や互換性のあるデバイスを教えてください。また、サード パーティのデバイス (Mac、iPhone、iPad、Android など) でも使用できますか。
Power BI は、タッチ操作に最適化されているので、HTML5 対応ブラウザーや、Windows および iPad 向けモバイル アプリケーションを通じて、Office 365 に格納された BI レポートやモデルにタッチ操作でアクセスできます。このアプリケーションでは Excel および Power View のコンテンツが検索可能で、さらにそのコンテンツをデバイス上で対話式操作、プレゼンテーション、メールで共有することができます。今後、さらに広範に適用可能なプラットフォームへとサポートを拡大する予定です。
Q: Power BI for Office 365 は、現在市販されている他の製品とはどのようなところが差別化されているのですか。
Power BI for Office 365 は、マイクロソフトのセルフサービス型 BI ソリューションの完全なスイートと、それに必要となる IT 管理ツールを統合した、クラウドベースとしては初のビジネス インテリジェンス サービスです。これを使用すると、オンプレミスのデータと外部データの両方を単一の環境で安全に活用できます。マイクロソフトは、従業員がどこからでもデータ分析を実施できるようにすると共に、IT 担当者に管理テクノロジを提供し、信頼性が確保された環境でコラボレーションを促進することを目指しています。
Q: オンプレミス版 Office のユーザーは、この機能を利用できますか。
Excel 2013 のユーザーは、PowerPivot や Power View などの機能を使用して BI レポートを作成できます。また、オンプレミスの SharePoint または SQL Server の BI インフラストラクチャを使用するオプションを提供しており、それらのレポートの公開および共有に Power BI for Office 365 サービスを使用することも可能です。
Q: Power BI for Office 365 は、どこで、どのようにして入手できますか。
今夏末にリリース予定のプレビュー版は、こちらのページ (https://www.office.com/powerbi、英語) からお申込みいただけます。一般提供の開始については、現時点ではまだお知らせできる情報はありません。
Q: Power BI for Office 365 の価格について教えてください。
現時点では未定です。今後の発表をお待ちください。
-- Ari Schorr、Seayoung Rhee
1Microsoft Power BI for iPad は、Power BI in Office 365 の一般提供開始後にリリースされる予定です。