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捜索令状の権限に対する異議申し立ての第一歩

(この記事は 2014 年 4 月 26 日に Microsoft on the Issues に投稿された記事 One step on the path to challenging search warrant jurisdiction の翻訳です)

投稿者: David Howard
マイクロソフト、コーポレート バイス プレジデント兼副ゼネラル カウンセル

 

米国政府には他国の家庭を捜索する権限がないのですから、同様に考えれば、海外に保存されている電子メールのコンテンツを捜索する権限もないはずです。

この原則が守られるよう、マイクロソフトは数か月前、米国国外のみに存在するお客様の電子メールのコンテンツの開示を求める米国政府の捜索令状に対し、正式に法的な異議申し立てを行いました。このたび、現状維持という一審判決を受けましたが、これは今後、政府がマイクロソフトのお客様の個人データを求める際に、法律の文言に則って行われるように徹底するという取り組みにおいて、不可欠な第一歩だと捉えています。

今回の異議申し立てを行った際に、まずは下級判事の判決を仰ぎ、その後、地方裁判所、そしておそらくは連邦控訴裁判所へと、控訴を重ねることになるだろうと想定していました。今回、当該捜索令状を発行した下級判事によって、異議申し立てが却下されました。これは、権限を持った裁判所に問題を提示し、米国国外に保存されているデジタル コンテンツに対して捜索令状を適用するという政府の従来の見解を是正するための第一歩です。

法律は複雑ですが、この問題は単純です。現実の世界において、米国で発行された捜索令状は米国国内で証拠を入手するためにしか使用できないことは一般的に知られています。米国の検事は、他国の家庭を捜索するための令状を米国では入手できません。他国の検事が、米国国内で捜索するための裁判所命令を自国で得ることができないのと同様です。そのため、米国は多数の二国間協定を締結し、他国で証拠を入手するために特別な手続きを確立してきたのです。マイクロソフトでは、オンラインの世界にも同じ原則を適用すべきだと考えていますが、政府からは同意を得られていません。

誤解のないように言えば、マイクロソフトは国民全員を守る法執行機関の重要な役割を尊重しています。もちろん、政府による捜査を妨害するつもりはなく、起こりうる犯罪を調査するために必要とする証拠を政府が入手できるべきであると考えています。ただ、現実世界で米国国外に存在する証拠を入手するために確立してきた手続きに従って、オンラインの世界でも捜索を行う必要があると主張しているのです。

マイクロソフトは、昨年 12 月にお約束したデータのプライバシー保護の取り組み の一環として、当局の権限に対してこのような異議申し立てを行っています。マイクロソフトは今回の主張の正当性を信じており、お客様からもプライバシー保護の取り組みを評価していただいているため、今後もこの問題を追及し続けていく所存です。